7 : 12 ターナ文字とディベヒ語

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ターナ文字入門: 表記と発音

2013年 1月16日
記事ID e30116

ディベヒ語の表記と発音の関係を探るAbdulla–O’Shea のディベヒ語辞典(ローマ字表記)をターナ文字表記の辞典として活用するためのガイドとも言える。

* この記事は2003年3月16日の「ユニコードのターナ文字」を全面改訂したもの(→ 更新履歴)  未解明の疑問も残ったが今後の改訂で改善したい。

目次

初めに

北はインドのミニコイ島南はモルディブのアッドゥ環礁かんしょう南北 1002 km* にわたって散らばる島々にディベヒ語(マール語)を母語とする人々が住む。

* ONC地図に基づく経緯度: ミニコイ島の最北端 = 北緯8度18.9分, 東経73度5.3分; アッドゥ環礁の最南端 = 南緯0度41.2分, 東経73度9.6分赤道半径 = 6378.1 km を用い誤差を±0.5分とすると南北距離 1002.0±1.0 km大円距離 1002.1±1.4 km


ターナ文字はこのディベヒ語を書くのに使われる文字アラビア文字の影響を受けており右から左に記されるがアラビア文字とは別系統のシステムだアラビア文字のような難しさはない。

ディベヒ語(マール語)が使われる地域
地図: ミニコイ島はインド大陸の南西。その南にモルディブの島々が並ぶ (PNG画像)
モルディブとミニコイ
出典: Indian Ocean Area / パブリックドメイン。 島の位置を一部修正。 資料: 1, 2
写真: リング状の環礁
上空から見たモルディブの環礁の例
(Maalhosmadulu Atolls)
Credit: NASA/​GSFC/​METI/​ERSDAC/​JAROS, and U.S./​Japan ASTER Science Team; NASA
写真: 三日月形の島
ミニコイ島(インド)
Image courtesy of the Image Science & Analysis Laboratory, NASA Johnson Space Center (2001): Photo ID ISS002-E-7260 / パブリックドメイン

ディベヒ語(Dhivehi)はインド・ヨーロッパ語族のインド・イラン語派に属しスリランカのシンハラ語(Sinhala)と近縁だインドの南西にある島国モルディブMaldives)の国語で公用語同国の人口は約33万(2012年推定)*1。 ディベヒ語はインドのミニコイ島(Minicoy)の主要言語でもある同島の人口は約1万(2011年)*2。 ミニコイ島のディベヒ語はマール語(Mahl)とも呼ばれるこのほかインド本土などにも若干のミニコイ系住民がいる*3

*1モルディブ統計年鑑 2011年版』によると確定値 298,968 (2006年3月)推定値 330,652 (2012年中間)The World Factbook の推定値は 394,451 (2012年7月)[リンク]だが前者に従った。

*2 確定値 10,444(2011年2月)[PDF] Population of Lakshadweep, 2011.

*3 10,000 in Minicoy and 5000 expatriates in Trivandrum.Ethnologue (16th ed.), 2009.


ディベヒ語(マール語)の話者数は2013年1月現在約34万人とみられるディベヒ語は「モルディブ語」と呼ばれることもあるがモルディブだけの言語ではなく話者の 4–5% はインド国民だ。

モルディブは大きく見ると北側3分の2が細長い楕円状海を隔てた南側に Huvadhu フバドゥAddu アッドゥ などがある楕円状といってもつながっているのではなく飛び飛びにいくつもの環礁があるここで環礁というのはリング状のサンゴ礁リング状といっても全部が海面上に出ているわけではなく小島が並んだ形になっている(拡大図その小島の一つ一つもしばしばリング状で中は水だったりする [PDF] 地図 / 詳細図

リング状の小島がリング状に並んだ環礁がリング状に連なる…Sierpiński のガスケットのようなフラクタル的構造この「すかすか」構造のためモルディブの正味の陸地面積はスリランカの1%にも満たない(日本の西表島くらい)しかし列島の長さは南北 868 km* に及ぶ(東京から福岡くらい)。

* モルディブの最北端を北緯7度6.8分として計算文献上は 820 km という記述も多いが正確な値は 860 km台 または 870 km台。


ミニコイ島はインドの連邦直轄ラクシャドウィープの最南端にある三日月形の島Androth 島に次いでラクシャドウィープで2番目に大きい現地語ではマリク(Maliku)と呼ばれる他の島と違い住民はディベヒ語(マール語)を話すラクシャドウィープ全体で見ると人口の約85%がマラヤーリ系約15%がディベヒ系だこの島の南方約130 km の地点にモルディブ北端の Thuraakunu 島がある。

かつてミニコイはモルディブの一部だった1500–1700年代のいずれかの時点で Ali Rāja の征服を受けその支配下に入ったようだ1905年以降英国領インドに加わったのは1956年パキスタンに加わる道もあったらしい。

モルディブとミニコイの文化的一体性はしばしば強調されるが逆にミニコイの独自性を強調する人もいるミニコイ島はインドとモルディブの間の潜在的領土問題だミニコイの人々自身がモルディブへの編入を望んでいるのかどうかははっきりしない今は温暖化(海面上昇)によるモルディブの水没の可能性が差し迫った問題でありそれに比べればミニコイの帰属はどうでもいいことだろう。

ミニコイの方言とモルディブ北部・中央部の方言は差が小さく人々は同じ言葉で意思疎通ができるモルディブの首都マレ(Malé)もこのエリアにある。

中央部から遠く離れた南部の2環礁1島は独自の歴史・文化を持ち中央政府からの分離独立を宣言した時期がある Suvadive Republic言語も独特で南部の諸方言は北部の人々には理解が難しい。

ディベヒ語やターナ文字について考えるときモルディブだけを連想しないようにしようインドのミニコイ島はディベヒ語圏最大の島の一つなのだからそしてモルディブ自体も必ずしも単一ではないのだから。

モルディブ最大の島は Laamu の Gan (Addu の Gan とは別の島): 面積 5.8 km2長さ 7.2 km; 2番目は Addu の Hithadhoo: 面積 5.2 km2長さ 8.6 km 〔Detailed Island Risk Assessment in Maldives, 特に DIRAM 1, Summary, p. 12 より〕インドのミニコイ島は面積 4.8 km2公式サイトより〕。

ターナ文字の歴史

ディベヒ語は18世紀ごろまではディベス文字(Dhives Akuru) — またはディベヒ文字(Dhivehi Akuru) — と呼ばれるインド系の文字で左から右へ記されたこの文字システムはスリランカのシンハラ Siṁhala 文字や南インドのマラヤーラム Malayāḷam 文字・トゥル Tuḷu 文字と似ていた初期のものはエベーラ文字(Eveyla Akuru)と呼ばれる。

ターナ文字(Thaana Akuru)はディベヒ語専用の文字として16–17世紀ごろ生まれ1800年ごろにはディベス文字に代わって広く使われるようになった右から左に書くターナ文字のことをディベヒ文字と呼ぶこともあるが上記の古いディベス文字とは全く別のシステムだ。

現在知られている最古のターナ文字の使用例は1705年のものだというしかしその約100年前にすでにターナ文字が使われていた形跡がある1602年から1607年までモルディブに滞在したフランスピラルFrançois Pyrard*1こう書いている

彼らの文字には3種類ある: ①アラビア文字にディベヒ語用の文字・記号を付け加えたもの。 ②ディベヒ語独特の文字。③スリランカやインドと共通の文字。

彼の手記の英訳(1887年)の注釈(pp. 184/185)では「①ターナ文字? ②ディベス文字 ③たぶんタミル文字」 となっているが現代の知見に照らすと「①ヘディ文字(後述) ②ターナ文字 ③ディベス文字」 と考えられる[SoM] もこの解釈だ伝説ではターナ文字は16世紀の英タクルファーヌMuḥammadhu Thakurufaanu, 1585年没)*2 によりもたらされた [SoM]ピラルの滞在と時期的にはつじつまが合う一方GODL, p. 56] はターナ文字の誕生を17世紀後半と推定している。

*1 Pyrard de Laval とも呼ばれる彼はモルディブに滞在する予定ではなかったが、船が難破して捕虜になってしまった [SoM] は彼のモルディブ滞在を1609年までとしているが正しくは1607年まで。

*2 Muhammad Thakurufan とも呼ばれる1498年にバスコ・ダ・ガマがインドに到達して以来ポルトガル王国はインド地域に植民地を建設1550年ごろポルトガル人はモルディブにも攻め込みマレに要塞を築いた1573年モルディブのタクルファーヌたちはこの要塞を陥落させそれ以降もポルトガル人に対し善戦結果的にモルディブの自治はほぼ回復された Pyrard の手記の Appendix B も参照


モルディブは公式には1153年にイスラム教を取り入れたそのためディベヒ語の文章中でアラビア文字表記のアラビア語を使うことが増えていた(現代でもターナ文字にアラビア文字を交ぜて使うことはまれではない)しかしディベス文字は左から右に書かれアラビア文字は右から左に書かれるため交ぜて使うのは不便だアラビア文字を基本としてディベヒ語を表記するヘディ文字(Hedhi Akuru)も試みられたがアラビア語とディベヒ語では使われる音素が大幅に違うため容易なことではない逆に左から右に統一しようにもディベス文字でアラビア語を表記するのも難しい右から左に表記しアラビア文字と親和性の高いターナ文字が生まれたのはこのような背景があってのことらしい。

全く新しい文字システムを作るくらいならアラビア文字を拡張する方が比較的簡単だったのではないかイスラム化の流れの中でなぜ「神聖な」アラビア文字に切り替えなかったのか。

ある資料[リンク]これを「奇妙な折衷せっちゅうと呼ぶ別の資料[リンク]ここに「アラブ化への抵抗」を見いだす。

ターナ文字という不思議なシステムにはモルディブの人々のアイデンティティーが微妙に反映されているようだイスラム圏でありアラビア語の知識は教養の印であるがだからといってすべてをアラビア文字で書こうとはしなかったモルディブ漢字文化圏であり漢字をたくさん知っていることを誇りとするのにすべてを漢字で書こうとはしない日本と似ているのかもしれないそこにあるのは「奇妙な折衷」でも「異文化への抵抗」でもなく「多重継承による独自の一つの文化」だろう。

DhivehiMaldives

言語名・国名・民族名などとして使われることがある「ディベヒ」 Dhivehi という語はサンスクリットの द्वीपः dvīpaḥ 「島」と同語源モルディブ Maldives の diveラクシャドウィープ Lakshadweepdweepラカディーブ Laccadive*dive も同語源。

* Lakshadweep 中央部の島々を指す地名日本語ではローマ字読みして「ラッカディブ」とも。


4世紀のローマの歴史家アンミアヌスRes Gestae 22巻7章10節でこの島に触れDivis と記しているそれによると当時ローマ帝国を恐れた周辺各国は征服されないように外交努力をしたインドの国々からはまるで競争のように貢ぎ物を持った高い身分の使者たちがローマ帝国にやって来たというその部分の記述でab usque Divis et Serendivisシマ(島)や Seren シマからも」はるばる使者がやって来たとある原文 / 英訳スリランカは「Seren 島」モルディブは単に「島」だったことが窺えるスリランカに比べるとモルディブの面積は微々たるもので当時のインドでは「(名もない)島の人とスリランカの人」という見方だったのかもしれない少なくともローマに情報が伝わったときにはそういう表現になっていた。

モルディブの首都マレ(ディベヒ語: マーレ Maale)は古くは Mahal とも呼ばれたマレ島を指す古い名称はMahal + dvīpaḥ(=Mahal 島)に対応する例えば古いアラビア語で Dībat al-Mahal / Mahal-dīb などと呼ばれヨーロッパでは Mal-dive(s) となった。

Mahal の原義は不明スリランカの古文書『マハーバンサMahāvaṁsa[リンク] の6章45節には「女たちが漂着した島」の名前として mahindadīpako という語があり資料によっては Mahiladipaka と表記されているこれらの語は上記 Mahal-dvīpaḥ に対応する可能性が高い『マハーバンサ』は島の名称を mahilā「女」に引っ掛けているようだそれによればMahal-dvīpaḥ の原義は「女人島」となる単なる物語的こじつけかもしれないO’Shea の記事によるとモルディブはかつて女神信仰を持つ母権制社会だったという断片的な記録によれば女王が支配する時代があったようだ。

ウェブ上には「マルコ・ポーロ(Marco Polo)はミニコイを女の島と呼んだ」という主張もあるが東方見聞録・第3巻の「男島・女島」(en, fr, fr, it)をミニコイまたはモルディブのことだと断定するのは無理おとぎ話の中に過去の真実が紛れ込んでいる可能性はあるし記述はモルディブを連想させるものではあるが実際にはどの島の話なのかも分からない。


ミニコイのディベヒ語を指す Mahl もMahal に基づくという Mahaldibu bas

ところでモルディブモルドバはうっかりすると言い間違えやすいモルドバはルーマニアの隣にあるヨーロッパの内陸国だモルディブは海がジャブジャ「ブ」の「ブ」モルドバはヨーロッ「パ」だから「バ」…と覚えておくと良いかも英語的にはdives in Maldives(モルディブでダイビング)かな(笑)。

モルディブのつづりはMol- ではなくて Mal- である点に注意上記のように首都が Malé だから英語の国名も Mal- になった。

モルディブという国を指す現地語(ディベヒ語)名は Dhivehi-raajje首都名は表に出ない「ディベヒ人」はディベヒ語では Dhivehin と呼ばれるディベヒ語一般を指す言葉は Dhivehi-bas単に Dhivehi とも言うマリク(ミニコイ)の人は自分たちの言語を Maliku-bas と呼ぶらしい。

人種・言語・文化的な意味ではマリクの人・モルディブ北部の人・モルディブ南部の人は同系または近縁だが「マリク(ミニコイ)の住民やインド本土に住むマリク系住民が自分をディベヒ民族の一員と考えるかどうか」は本人のアイデンティティーの問題だ。

ターナ文字の基本

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子音字が主体となりその上または下に母音記号を付けて「子音 + 母音」を表す例えば:

シンプルで合理的なシステムだ。

基本的にはアラビア文字・ヘブライ文字と同じだが母音記号は決して省略されないデーバナーガリーなどのインドの文字とも少し似ているがデフォルト母音(inherent vowel)はなく母音が a のときは a の記号を付ける

ターナ文字の表示についてはフォントの項 参照Windows のデフォルトではきれいに表示されないようだ。

母音記号

§1  ސ をベースとなる子音字だとする(ここでは ސ 自体については気にせずその上下に付く記号に注目)。

a, i, u の記号はアラビア文字の a, i, u の記号とそっくりだā, ī の記号はアラビア文字の an, in の記号と形が同じで意味が違うサンスクリットと違い単体の e と o は短母音を表す。


モルディブ政府の公式ローマ字表記では長母音を(ā, ī, ū, ē, ō や aa, ii, uu, ee, oo ではなく)aa, ee, oo, ey, oa と書く。

この表記法は1970年代後半にナシル政権下で導入された便宜上「ナシル訓令式」「モルディブ式」などと呼ぶことにする当時モルディブはターナ文字を廃止してディベヒ語をローマ字で表記する方向に動いたが1978年の政権交代とともに結局ターナ文字表記に戻った。

アリフゥとスクン

§2アリフゥ(alifu) އ + 母音記号」は子音が先行しない単体の母音を表す例えば:

二重母音の後半要素も同様に表される:

ターナ文字は右から左に読む(漫画を読むときの方向と同じ)sai はネット碁の…ではなく(笑)ロシア語のチャイ英語のティー日本語のチャに当たる言葉だろう。


§3 子音字の上にスクン(sukun)を付けると母音が付かない単体の子音を表すスクンは以下のように小さな円形の記号だ。

ここまではアラビア文字とそっくりだターナ文字の sukun はアラビア文字の sukūn に当たるインドの文字の virāma とも似ている。

§4 「アリフゥ + スクン」 އް日本語の「っ」と同じ働きをするつまり後続する子音を二重にする。

އް が具体的に何の子音を表すのかは次の文字を見ないと分からない日本語の「っ」もそうだが…。

細かい説明は後回しにしてまずは各文字を見てみよう。

文字一覧と各文字の使用例

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ターナ文字には24個の基本文字がある。

以下最初の9文字・残りの15文字の二つに分けて基本文字を説明する文字を覚えたい方は初めはざっと眺めて雰囲気をつかみ「文字を覚えるヒント」のセクションを見てから再び文字一覧に取り組むと良いだろう。

文字の名前・発音はおおむね Omniglot: Thaana (Maldivian) script による。

文字の使用例としては原則として

に含まれる語句(ローマ字表記)のうちターナ文字表記を確認できたものを挙げた具体的にはターナ文字で表記した単語を startpage.com やディベヒ語版ウィキペディアで検索し結果として得られたディベヒ語のウェブページを見て判断した果物の名前などで単語と一緒に写真が出ているときは簡単に確認できる。

単語ごとに確認に利用できる参考ページへのリンクを設定してある代表的なリンク先は:

ウィクショナリーのディベヒ語はまだあまり充実していないが訳語が端的に見られる点は便利だ訳語部をクリックすれば訳語の訳語が見られほとんどの場合そこに日本語訳もある現状「ウィクショナリーに載っているからこの単語は正しい」という使い方はできない (→ 付録: Wiktionary などを利用する場合の注意事項

『辞典』は比較で言えば格段に信頼でき無料で利用できて素晴らしいのだが内容はローマ字表記のみターナ文字の表記確認には使えない。

途中で次の貴重な資料を発見した。

『ノート』の末尾の単語集にはローマ字・ターナ文字両方の表記が書いてありウェブ上で利用できるので便利だただしこの記事で用いる表記は『ノート』の表記とは多少異なる場合がある。

ローマ字表記はモルディブ式の一種で原則として『辞典』と全く同じになるようにしている要点は次の通り:

* この点は Omniglot ではなく GODL, p. 34 に従う。


それ以外はほぼローマ字読み紛らわしいと思われる場合発音記号も併記した「反舌音」などについては付録「発音のヒント」参照。

最初の9文字
文字 文字名
・発音
ހ haa
[h]
ހަކުރު hakuru 砂糖
ށ shaviyani
[ʂ~ɽ; ʃ]
ކާށި kaashi (熟れた)ココナツ
ކަށި kashi 骨とげ
ނ noonu
[n̪uːn̪u]*
[n̪]
ނަން nan 名前
ރ raa
[r~ɾ]
ރިހަ riha カレー
ބ baa
[b]
ބުޅާ bulhaa 猫
ބަސް bas 言語
ޅ lhaviyani
[ɭ]
ޅަ lha 若い
ކ kaafu
[k]
ކަރާ karaa スイカ
ކިރު kiru ミルク
އ alifu
އަކުރު akuru アルファベット
އަހަރެން aharen 〔目上以外の人に対して〕私
ވ vaavu
[v~ʋ]
ވާރޭ vaarey [vaːreː]

* 三角形のブレット ‣ は文字名の発音を示す。


ށ sh は反舌音の [ʂ] を表すこれは英語の sh [ʃ] とは異なりロシア語の ш に近い r に似た音として発音されることもあるらしい。 (→ 付録: ށ の発音

この音は語中でのみ使われて語頭には来ないようだローマ字表記で sh から始まる外来語は存在するがその場合語頭の音は shaviyani ではなく後述の sheenu だろうshaviyani という文字名自体は例外。

ނ n は歯音 [n̪] を表す(発音記号の下に付いている小さな  ̪  が歯音の意味で上の歯の裏側で調音する)n については歯音と反舌音を対比させる必要がないので 普通の [n] で代用しても良い。

ޅ lh は反舌音 [ɭ] を表す普通の [l] とは違う音

ވ v は[w] に近い音になる場合がある。

残りの15文字
文字 文字名
・発音
މ meemu
[miːmu]
[m]
މަސް mas 魚
މާލެ Maale マレ​(モルディブの首都)*
ފ faafu
[f]
ފެން fen
ފަޅޯ falhoa [faɭɔː] パパイア
ދ dhaalu
[d̪]
ދިވެހި Dhivehi ディベヒ語*
ދޯނި dhoani [d̪ɔːn̪i] 小船
ތ thaa
[t̪]
ތާނަ Thaana ターナ文字
އަތޮޅު atholhu 環礁
ލ laamu
[l̪]
ލަވަ lava 歌
މަލިކު Maliku ミニコイ島*
ގ gaafu
[ɡ]
ގަސް gas 木植物
ގަރުދިޔަ garudhiya ガルディヤ​(魚のスープ)
ޏ gnaviyani
[ɲ]
ޏަމްޏަމް gnamgnam ナムナム​(マレーシア原産の果物)
ސ seenu
[s̺iːn̪u]
[s̺]
ސައި sai お茶
ސަމުސާ samusaa スプーン
ޑ daviyani
[ɖ]
އައްޑު Addu アッドゥ​(モルディブ最南部の環礁)*
އިންޑިޔާ Indiyaa インド*
ޒ zaviyani
[z̺]
ޒައިތޫނި zaithooni オリーブ
ޓ taviyani
[ʈ]
ކައްޓަލަ kattala サツマイモ
ޔ yaa
[j]
ދޮންކެޔޮ dhonkeyo バナナ
ޕ paviyani
[p]
ޕާން paan パン
ޕާކިސްތާން Paakisthaan パキスタン*
ޖ javiyani
[ɟ~d͡ʒ]
ޖަޕާނު Japaanu 日本*
ދިވެހިރާއްޖެ Dhivehi-raajje モルディブ*
ޗ chaviyani
[c~t͡ʃ]
ޗާޓު chaatu 地図
ޗޮކްލެޓް choklet チョコレート

* ターナ文字には大文字・小文字の区別はないここではローマ字表記の場合一応常識的に大文字を用いておく。


ތ [t̪],  ދ [d̪] は歯音歯音の t をローマ字表記で th とするのはインドのケーララ風だ英語の th の音や帯気音ではない舌先と歯で発音するのは英語の th と同じだが舌先は歯の間ではなく上の歯の裏に行く。

ケーララ風 — 例えばケーララの州都ティルバナンタプラム はローマ字では Thiruvananthapuram と書かれる二つの th は英語の th でなく歯音の t だ。


ޓ [ʈ],  ޑ [ɖ] は t, d の反舌音歯音の th, dh と反舌音の t, d別の音舌先は口の天井近くに行く。

ލ [l̪] は普通の [l] と考えてもいいが反舌の ޅ lh [ɭ] とは区別する必要があるここでは歯音として扱う。

ސ [s̺],  ޒ [z̺]基本的には普通の [s z] 発音記号の下の小さな  ̺  は舌尖音ぜっせんおんを表す(歯音を示す  ̪  とは別の記号)発音上重要な区別ではないが軽く柔らかく発音されるようだ。 (→ 付録・舌尖音

ޗ [c],  ޖ [ɟ][t d] (歯茎) → [ʈ ɖ] (歯茎後部) と同様の破裂音をさらに奥の硬口蓋と舌先の間で作るもの普通の [t͡ʃ d͡ʒ] でも代用できる。

ޏ [ɲ]フランス語の gn やスペイン語の ñ に当たる音。

文字を覚えるヒント

1. ターナ文字のアルファベットの歌 Haa Shaviyani Kiyama文字を覚えるのに役立つ。

2. 以下の事実は文字を覚えるのに直接役立つわけではないがターナ文字の全体像の把握に役立つ。

ターナ文字の最初の9文字はアラビア文字の数字に基き次の9文字はディベス文字 (モルディブの昔の文字) の数字に基づく [N3848][SoM]もともとあった数字を変形して文字が作られた — まるで置換暗号のように文字の元になった数字は普通の算用数字ではないが算用数字に少しだけ形が似ている部分もある (例: アラビア数字の ١‎‎, ٢‎, ٣‎ =1, 2, 3)結果的にターナ文字の1–9文字目10–18文字目はそれぞれ数字の「1」から「9」と少し形が似ていることがある。

普通の数字・アラビア数字・ターナ文字の初めの9文字・次の9文字
数字 1 2 3 4 5 6 7 8 9
アラ ١‎ ٢ ٣ ٤ ٥ ٦ ٧ ٨ ٩‎
1–9 ހ h ށ sh ނ n ރ r ބ b ޅ lh ކ k އ a ވ v
10–18 މ m ފ f ދ dh ތ th ލ l ގ g ޏ gn* ސ s ޑ d

* Wikipedia のいくつかの記事(e.g. Thaana)によるとGnaviyani ޏ の位置(16文字目)にはもともと Ṇaviyani ޱ があったというWikipedia の別の記事 Ṇaviyani によるとޱ19文字目にあったというN3848ޱ は後から追加された(=19文字目以降)としているここでは大ざっぱな全体像を考えているのでどちらでもいい。


3. ターナ文字をローマ字に対応させて覚えるのではなくターナ文字と発音が直接結び付くようにするのが結局早道。

4. 以下のいろいろなヒントは「覚えるきっかけを作るためのほんのお遊び」 と思ってほしい。

母音記号のヒント

އު u の母音記号は平仮名の「う」と巻き方が同じއެ e の母音記号はローマ字の「e」と巻き方が同じ。

まずはこれだけ

クイズ 何て読むのかな? (答はツールチップに):
ކަޅު 黒い އަލުވި ジャガイモކޯރު 川。

もうちょっと

クイズ(発音はツールチップに): ބިސްމާނަ 意味 ދޫނިއާފަލު リンゴމިލިއަން ‎100万。

歯音 vs. 反舌音

モルディブ式ローマ字はあまり一貫性がないth/dh vs. t/d の場合h が付かない方が反舌音だがl vs. lh の場合h が付く方が反舌音思い切り区別してތ‎/ދ‎/ލ‎ は上の歯の裏でޓ‎/ޑ‎/ޅ‎ は口の天井近くでしっかり発音すれば良いかと…。

クイズ(発音はツールチップに): ފަންޑިތަ (民間療法・まじないなどの)呪術
ދިވެހިބަސް ディベヒ語
އޮޅުދޫކަރަ スリランカ。

残りはこれだけ

これらの文字は比較的使用頻度が低い。

クイズ(発音はツールチップに): މޭޒު テーブル ލަފުޒު 単語ޒުވާން 若い。 ޕޯޗުގަލް ポルトガル。


写真: モルディブの砂浜

(コーヒーブレイク) モルディブで一番高い山は? 海のイメージが強いモルディブだが地殻全体で見れば大山脈 — チャゴス・ラカディーブ海嶺 Chagos-Laccadive Ridge — のてっぺんにあるとも言える。 頭を海の上に出しそびえ立つ大海底山脈南の端はチャゴス北の端はラクシャドウィープ中央にあるのがモルディブ…とはいえモルディブは一番高い地点でも海抜2.3メートルくらいしかないその地点はアッドゥ環礁の Villingili 島にあるという(モルディブには Villingili という島が複数あるがこれはアッドゥのもの)そこには Shangri-La の高級リゾート施設の付属スパ(施設名: CHI)が設置されているらしい…一番高い場所でそれだけなので普通の場所ではせいぜい1–2メートルの標高しかないもし温暖化(海面上昇)がコントロールできないとモルディブのような国は海に沈んでしまう国民全員がどこかへ移住しなければならなくなってしまう モルディブはたまたま最前線に立たされているだけで温暖化はもちろん地球全体の問題だ地球人全員が「地球」という一つの船に乗っている船の最前部に穴が開いて浸水しているとき「自分は船尾に乗ってるから関係ない」というわけにはいかない。

注意が必要なつづり

[この記事の目次へ]

ターナ文字の基本」の続き。

ターナ文字は1文字ずつの発音を知っていればおおむね正しく発音できるが一部つづりと発音がずれているケースがある例えば「本」という単語
ފޮތް
一文字ずつ見ると “foth” と書いてあるが実際の発音は [fojʔ]ローマ字表記では foiy となる『辞典』でも “foth” でなく foiy で調べる必要がある。

さいわい不規則なのではなく少数の規則を覚えるだけで問題は99%解決する。

Alifu/Shaviyani/Thaa + Sukun

§4 (再掲) އް (alifu + sukun) は日本語の小さい「っ」に似た働きをするつまり後続する子音と同じ子音を表す。

上の例ではއް は後続する子音と同じ子音つまり ޕް を表すローマ字表記でも後続する子音 p と同じ子音になる(bappa)。

§4.1  އްތ th または ދ dh が続く場合規則上のローマ字表記は thth / dhdh となるが『辞典』ではtth / ddh という簡略化した表記を用いているこれは純粋にローマ字表記の問題でターナ文字自体の表記や発音とは関係ない。

資料によってはthth / dhdh と表記されている場合もある。

§4.2 上記以外でもローマ字表記で2文字になる子音(ch と lh)については同じ問題がある『辞典』ではこれらが二重になる場合chch / lhlh としている。

これらのローマ字表記は独特だがターナ文字表記で考えれば特別な点は何もない例えば chch は日本語の「エッチ」の「ッチ」の子音とほぼ同じ(摩擦音と破裂音の違いはあるが)。


§5 語末の އް声門閉鎖音 [ʔ] を表す [GODL, p. 61][TWWS][N3848]日本語の「っ」も語末における詰まる音を表す場合があり(例: 「あっ!」)それと似ているローマ字表記では h とする実際の発音は息を吐く [h] ではなくむしろ喉の奥を閉めて息を止める。

語末の އް についてh のような音(または eh のような音)だと記述している資料もあるがそれは「雰囲気的」な説明だろう核心は [h] そのものではなく[h] を「出し終えたときの音」(音の中断)にあるようだつまり [h] と言う必要はない。

語末に声門閉鎖音がある場合文中では声門閉鎖音を「後続する単語の語頭の子音」に置き換えて発音する結局語末に「っ」があるようなものという理解で正しいことになるただし文末では声門閉鎖音のままであり文中でも母音や h が後続するときは [ŋ] と発音されるという [TWWS]。


クイズ(発音はツールチップに): އަށެއް (数字の)8。

§6  ށް (shaviyani + sukun) は発音上は އް と同じになるローマ字表記も同じで語中では子音を重ね語末では h とする。

* ށް は名詞の与格語尾として使われる発音は އް と同じでも機能は異なる。


このため一般にローマ字表記のディベヒ語を機械的にターナ文字表記に変換することはできないローマ字表記における語末の h はターナ文字表記では އް または ށް の2通りの可能性がある子音字の重複(ローマ字表記における dd など)についても同様。

§7  ތް (thaa + sukun) もއް と似た発音になるがތް の場合直前に半母音 [j] が挿入されるらしいつまり語中では [j + 後続の子音] を表し語末では [jʔ] を表すどちらの場合もތްローマ字では iy と表記される(上記のように実際の発音は [ij] ではない)。

[j] が入るところがއްށް と異なる。

クイズ(発音はツールチップに): ބަތް (調理した)米ވާތް 左の

§7.1 直前の母音が i の場合語末の ތް  は『辞典』では i-iy と表記されている(ハイフンを入れるのは “ii” という長母音ではないという意味)ただしމިސްކިތް 「モスク」はmiski-iy でなくmiskiy と表記されている。

§7.2 外来語の -t の音(アラビア語の ة‎ / ペルシャ語の ت など)に対応する語末の ތް『辞典』において iy と表記されている場合と th と表記されている場合がある。

(1) iy と表記されている例(かなり多い):

ここで ޙ (hhaa) と ޢ (ainu) は外来語用の拡張文字

(2) th と表記されている例(比較的まれ):

『辞典』のローマ字表記が正しいとするとޙާލަތް の発音は[ħaːl̪ajʔ] ではなく [ħaːl̪at̪] になるようだ。

(3) さらに iay と表記されている例がある:

単に s'adhaqaaiy の誤植かもしれないޞ (saadhu) と ޤ (qaafu) も拡張文字

Noonu + Sukun と裸の Noonu

§8 語中の އް は後続する子音を二重にするが後続する子音が ނ n または މ m の場合はこれを使わず代わりに ން (noonu [n̪uːn̪u] + sukun) を使う。

日本語の仮名の「」と「」の使い分けに相当する。

މ (meemu) の前の  ން が m を表すことに注意 『辞典』では ންމ のローマ字表記はmm になる資料によっては1文字ずつ機械的に転写した nm という表記を用いる場合もある。

§8.1 外来語の mp の音は ންޕ np と表記される場合と  މްޕ mp と表記される場合がある。

§8.2އް で終わる単語」と「ނ n または މ m で始まる単語」をつなげて書く合成語の場合見掛け上§8 に反するつづりになる。

§8.3 Muhammad の mm އް で表記することが多い。

§9  ނ母音記号もスクンも伴わずに単体で用いられることがあるこれは後続する子音に被せるように軽く発音される鼻音を表す。

このような「軽い“ん”を前に付ける発音」は子音の前鼻音化ぜんびおんかと呼ばれシンハラ語やディベヒ語に特徴的だとされる。 似た発音は日本語でもみられる同じ説明を繰り返してうんざりしているときの言葉「(ん)だからも~~何度も言ってるでしょ~」では「だ」の子音 d が前鼻音化されているとも解釈できる。 子どもがおねだりするときの言葉「ね~~いいでしょう? お願いだから~」の後半は「おね(ん)がい(ん)だから~」のように発音されることがあり(いわゆる鼻声)例えば「だから」の d は前鼻音化されるここではこのような「」を n̆ で表記する(b の前では m̆ )。

そっけない人: 「何だよ駄目だって言ったろ」 〔na-n-da-yo〕

甘える人: 「お願いだから~」 〔o-ne-n̆ga-i-n̆da-ka-raa〕

「何だ」の n-da は2音であり n と da の間で一呼吸おくこともできる前鼻音化を伴う n̆da は1音として発音され分離できない。

『辞典』ではこのような n を n' で表しているアポストロフィは単に「普通の n とは違う」という目印で音を切り離す意味(例: Jun'ichi)ではないむしろ次の子音と密着させて発音する。

§9.1 ディベヒ語では次の4パターンの前鼻音化がある(亀甲かっこ 〔〕 内はISO表記)。

  1. n'b 〔m̆b〕
  2. n'dh 〔n̆d (歯音)〕
  3. n'd 〔n̆ḍ (反舌音)〕
  4. n'g 〔n̆g〕

通常母音記号もスクンも付かない「裸の」 ނ は、ބ‎/ދ‎/ޑ‎/ގ‎ の4文字の前でのみ用いられる。 ただしこの4文字の前の ނ が常に裸であるとは限らず、 ން の場合もある。

シンハラ語でも同様に m̆b, n̆d, n̆ḍ, n̆g の4種類の発音があるらしいターナ文字では原則として全文字に母音記号かスクンが付くがこのケースは例外。

このほかウィクショナリーと geonames.de の単語集では 「母」 という語のつづりが މަނމަ となっているがこれは މަންމަ の誤り 一般的な音素(表記)として “n'm (m̆m)” という第5の前鼻音化があるわけではない(ローマ字表記は manma とも書けるがそれは別の問題。)

ންނ の区別については文字だけで考えると混乱する実際語学的な資料では上記「母」のように ން であるべきものが ނ になっていたり逆に ނ であるべきものが ން になっていたりする場合がある発音で考えると例えば「(ン)ガ」の1音と「ン・ガ」の2音は違うので文字で書くと違う…と一応納得がいく。

日本語の仮名で例えるとން は普通の「ん」で裸の ނ小さい「」(そんなものはないが雰囲気的に) だ小さい「」は後続する子音に被せて発音される。

「先行する母音に被せる発音」(例: フランス語の鼻母音)との違いは「どっち側にくっつくか」の問題だろうディベヒ語の an'bu an'bu の間で待てるが n'bu はそれ以上分解できない(n は後ろに付く); フランス語の un peu unpeu の間で待てるが un はそれ以上分解できない(n は前に付く)。


クイズ(発音はツールチップに): ލުނބޯ ライム。 ރޭގަނޑު 夜。 ބަނބުކެޔޮ パンノキ。 އަހަރެންގެ 私の。 ގަނޑުފެން 氷。 އެނދު ベッド。

この種の音を表す正式な発音記号(IPA)はまだない〔n̆ m̆〕 という表記ISO 15919を用いたのはそのため正式ではないが次のように書くことがあるPrenasalization and the IPA

§9.2 前述のように『辞典』のローマ字表記では原則として

となっている発音上区別する必要があるのはこの二つだ。 一般のローマ字表記ではこの区別をせずに前鼻音化を普通の n で表している場合がある。

§9.3 前鼻音化は文字として表記されないこともある例えば

という単語は裸のヌーヌを明示せずにއަޅުގަޑު と書く場合がある表記が省略されているだけで実際の発音はいずれにしても a-ḷu-ga-n̆ḍu だと思われる。

日本語でも「本気にすんなよ」を「本気にすなよ」と書いたり(古文では)「なんめり」を「なめり」と書いたりする。


§9.4 『辞典』のローマ字表記は裸のヌーヌに関してまれに§9.2の原則と異なる場合がある。

އިނގިރޭސިよく分からない単語だނ は裸なのに『辞典』のローマ字表記は n' でなく n になっているターナ文字表記に従えば普通の n より軽く発音される。

さらにその後ろの子音が ލ ではなく ރ である点に注意似た発音は、

…のようにいくつかの言語でもみられる歴史的な理由があるのだろうシンハラ語での表記はiṅgrīsi でありin̆grīsi ではないつまり前鼻音化とはなっていないシンハラ語の前鼻音化は上記4種類だけでn̆gr は可能性自体ないのだろう。

§10 外来語の表記ではヌーヌ以外の文字も裸で用いられることがある。

このことはTWWS などには出ていないがノート』に記述がある。

§10.1 外来語の表記では逆にいろいろな文字にスクンが付くことがある。

§11 ディベヒ語のローマ字表記においてgn は ޏ (ñ) を表すほか外来語の ގްނ (g + n) を表す場合がある。

拡張文字とナビヤニ

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外来語(特にアラビア語起源の単語)の表記などでは以下の文字が用いられることがある。

ޝ (sheenu [ʃiːn̪u]) は比較的重要でディベヒ語の「ありがとう」という単語でも用いられるアラビア文字の ح に当たる ޙ (hhaa) もよく見られるが単に普通の ހ (haa) を用いることも多いようだ日本語で言うと「ヴ」を使うか「ブ」を使うか? のようなある意味趣味の問題かもしれない。

以下の表において文字名・発音・対応する表記(ローマ字・アラビア文字)はおおむね Omniglot によるただしローマ字表記を3種類挙げている場合三つ目は TWWS のもの一部の文字では文字名のローマ字表記と用例におけるローマ字表記の間に不整合がある文字の配列は Unicode 順アラビア語の単語のアラビア文字での表記は隅付きかっこ 【】 で示した『辞典』におけるローマ字表記が大きく異なる場合矢印 ⇒ でそれを示したここで例示している単語の中には『辞典』に載っていないものも多い

使用頻度が少ない特殊文字なので用法の細部についてははっきりしない点もある新しいことが分かったら修正・追加する。

文字 文字名
・発音
対応
ޘ ttaa
[θ]
ṯ / th'
ث
ޙަދީޘް ḥadheeṯ ハディース(イスラムの聖典)
حديث‎ 】
ޙ hhaa
[ħ~h]
ḥ / h'
ح
މުޙައްމަދު Muḥammadhu ムハッマドゥ(人名)
محمد‎ 】 ※ §8.3参照
ޚ khaa
[x]
ẖ / kh / ḫ
خ
ޚަބަރު khabaru ニュース
خبر‎ 】
ޛ thaalu
[ð]
ḏ / dh'
ذ
ޛުލްޤަޢިދާ Ḏulqaʿidhaa (⇒Zulgaidha)
(イスラム暦)11月 【 ذو القعدة‎ 】
ޜ zaa
[z]
ż / z
ز
[ʒ] の表記にも用いられる 注1
ޓެލެވިޜަން televiżan テレビ(英語: television)
ޝ sheenu
[ʃiːn̪u]
[ʃ~ɕ]
š / sh'
ش
ޝުކުރިއްޔާ shukuriyyaa ありがとう
ލަކްޝަދީބު Lakshadheebu ラクシャドウィープ
ޞ saadhu
[sˤ]
s̤ / s / ṣ 注2
ص
ޞަފްޙާ s̤afḥaa ページ
صفحة‎ 】
ޟ daadhu
[dˤ]
d̤ / s'' 注3
ض
މައުޟޫޢު maud̤ooʿu (⇒maul'oou) 話題
موضوع‎ 】
ޠ to
[tˤ]
t̤ / th''
ط
ސުލްޠާން sult̤aan スルタン
سلطان‎‎ 】
ޡ zo
[zˤ]
z̤ / dh''
ظ
ޡާހިރީ z̤aahiree ザーヒリー(思想上の学派) (??)
ظاهري‎ 】
ޢ ainu
[ʕ~ʔ]
ʿ 注4
ع
ޢަރަބި ʿArabi アラビア語 【 عربي‎ 】
ދުޢާ dhuʿaa 祈り 【 دعاء‎ 】
ޣ ghainu
[ɣ]
ġ / gh / ǵ
غ
ޖުޣުރާފީ jughuraafee 地理学
ޤ qaafu
[q]
q
ق
ޤާހިރާ Qaahiraa (エジプトの)カイロ
قاهرة‎ 】
ޥ waavu
[w]
w
و 注5
ޝައްޥާލް Shawwaal (イスラム暦)10月
= ޝައްވާލް Shavvaal (⇒Shawwal) 【 شوّال‎ 】
ޱ
注6
aviyani
(dnaviyani; naa)
[ɳ]

ڻ
ޱަވިޔަނި aviyani ナビヤニ(この文字の名称)
Allaahu
[(a)llaː(hu)]
ʾAllāh
الله
ޢަބްދުﷲ ʿAbdhullaa アブドゥッラー(人名)
عبد الله‎ 】

^ 注1: [z] を表す文字は基本文字の中にすでにあるGODL, p. 60 によればむしろ [ʒ] の表記用として後から追加された。

^ 注2: 『辞典』では s' と表記されている場合がある: e.g.  މަޤްޞަދު maqs'adhu 「意図」(アラビア語: مقصد) (??)

^ 注3: 『辞典』では l' と表記されている他にも:  ޟަމީރު l'ameeru 「良心」(アラビア語: ضمير

^ 注4: Omniglot は U+02C2 ˂ を用いているがU+02BF ʿ (または U+02C1 ˁ )を使うべき表中では修正してあるOmniglot ではޢޣ の文字名のターナ文字表記にも脱字があるようだ。

^ 注5: アラビア文字の وターナ文字の基本文字 ވ に対応するޥ という新しい文字が導入された本来の意図はアラビア文字の転写ではないのかもしれない。

^ 注6: この文字は一部のフォントではサポートされていない 表中のアラビア文字はシンド語用のもの。


ޱ (aviyani) は反舌音の n [ɳ] を表すもともとディベス文字で同じ音を表した文字で南部の方言の発音を表すためターナ文字でも使われたしかしそれ以外の地域のディベヒ語では /n//ɳ/ の区別は失われており公式の(モルディブの中央政府による)文字表にはこの文字は含まれていない南部ではまれに使われることがあるという。 Unicode での文字名は NAA

1999年Unicode 3.0 にターナ文字が収録された時点ではこの文字は規格に含まれていなかった2002年の Unicode 3.2 で追加されたモルディブにおいてこの文字の存在を認める・認めないということは「中央と違う南部の文化」を尊重する・しないということにつながるようだ。


Allāh はアラビア文字そのものでターナ文字でもターナ文字の拡張文字でもない(ターナ文字表記: އައްލާހު allaahu)ターナ文字のつづりの一部として使われるので便宜上表に加えてある通例この文字はターナ文字フォントに含まれディベヒ語のキーボードレイアウトでもサポートされるAllāh はイスラム教の神様でޢަބްދުﷲ は語源的には「神のしもべ」というような意味らしい同じ語(人名)の中でターナ文字と交ぜて使われるところが興味深い。

それ以外の文字のほとんどはアラビア語・ペルシャ語・ウルドゥー語などの外来語の音を表すために1957年に導入されたこれらは基本文字の上または下に点を付けたものいわば文字 a に対する文字 ä や文字 c に対する文字 ç に当たる付点ターナ(ތިކިޖެހި ތާނަ, Thikijehi Thaana) と総称されるただしޜ主に英語の [ʒ] を表すために別に追加されたようだ (ޥ本来アラビア語用ではないのかもしれない)。

拡張文字の導入以前は「アラビア語の単語はアラビア文字で交ぜ書きすれば良い」 という考え方が一般的だったようだ現在でも交ぜ書きは珍しくない。


ޝ (sheenu [ʃiːn̪u]) はސ (seenu [s̺iːn̪u]) に三つの点を付けた文字(三つの点は一筆で山形のアクセント記号 ˆ のように書かれることもある)アラビア文字の سش の関係に当たるޝ の発音 [ʃ]標準アラビア語における ش の発音と一致する(英語の shipsh の音)ディベヒ語では口蓋化された [ɕ] の発音も用いられるようだ。

ローマ字表記ではށ (shaviyani [ʂavijan̪i]) の sh [ʂ] と区別してsh' や š で表す実際には区別せずに同じ sh で表すことも多いこの記事内では sh で表す。

ޝުކުރިއްޔާ shukuriyyaa はアラビア語 شكرا šukrānウルドゥー語 شکریہ (ヒンディー語 शुक्रियाśukriyā に当たるがディベヒ語の正書法では k にも母音が付く。 2文字目を ކް にしている資料もあるが正しくない。

ލަކްޝަދީބު Lakshadheebu はインドの西にある島々(インドの一部)最南端のミニコイ島はディベヒ語(マール語)圏でありモルディブの北に当たる。

英語(インドの公用語)では Lakshadweep [ləkˈʃɑːdˌwiːp, ˌlʌkʃəˈdwiːp]

サンスクリット語でlakṣaḥ / lakṣam は「10万」dvīpaḥ は「島」であり「十万島」と解釈できるラクシャドウィープの島の数は実際には36個だけなのでちょっと大げさな表現だ Laccadive と呼んでいた時代にはMinicoy と Amindivi は含まれていなかったのでますます島の数は少なくなるひょっとするとこの地名もともとはモルディブも含んでいたのかもしれない (モルディブには島が1192個ある)。

lakṣaḥ と同語源の単語は現在でもいくつかの言語で用いられるディベヒ語でも
އެއްލައްކަ eh-lakka
…は「10万」を表す (eh は「一つの」という意味)

拡張文字の用例

付録

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ターナ文字フォントあれこれ

Windows ユーザーはデフォルトのままにせず美しいフォントを使おうフォントが美しいとそれだけで研究も楽しくなって効率が上がるというもの…。

主なターナ文字フォントの比較
  1. Thaana Unicode Akeh: Maldivian Internet Task Force が2000年(ターナ文字が Unicode に収録された翌年)に作成したGNUライセンスのフリーフォント現在ではGNU FreeFont の FreeSerif にマージされている字体は優美で読みやすいWindows 上では TTF版 FreeSerif.ttf がお薦めOTF版 FreeSerif.otf だと味気ないレンダリングになってしまう
  2. Faruma と A_Reethi: いずれも「2002年大統領官邸」となっておりモルディブ政府が作ったようだFaruma は簡潔で美しく落ち着いた雰囲気がある好みによってはFreeSerif より気に入るかも
  3. Mv Iyyu Nala など(1, 2): 2004年ごろからモルディブ通信科学技術省がウェブ上で配布した12種類のフォントMv Lady Luck は見た目がかわいらしいペン習字風なのでターナ文字を書いてみたいときお手本になる
  4. MV Boli: Windows XPに付属しているフォント文字が大きめで読みやすいと言えば読みやすいが子どもがサインペンでなぞったようなぎこちない感じ商用OSの付属品という性質上話者30万程度の言語バージョンにあまり予算をかけられないのは仕方ないことだろう…

画像によるフォントの比較

あなたのブラウザでは:

ދިވެހިރާއްޖެ އާއި މަލިކު

このほかにも合計30種類くらいのターナ文字フォントがあるようだ参考資料: Dhivehi on Mac OSX Lion or Mountain Lion.; Thaana Unicode Fonts.

FreeSerif の導入(Windows XP の場合)

TTF版ZIP(2012年5月) をダウンロード(5.8 MiB)。 解凍してできるフォルダの中の FreeSerif.ttf を見つけるコントロールパネルの「フォント」を開いてそこに上記ファイルをコピー2013年1月現在FreeSerif 以外の FreeSans などにはターナ文字は含まれていない。

発音のヒント
歯音と反舌音

ヒトの口の中には歯と歯茎がある上の歯茎の後方に口の天井があってそこは骨張っていて硬い硬口蓋こうこうがい口の天井の奥の方は軟らかい粘膜状で軟口蓋なんこうがい一番奥には食道の入り口がある。

一部の方言を除きディベヒ語では n の反舌音は一般的な音素ではないがn は「んー」と音を出しっぱなしにできるので実験にはいいだろう…。

「反舌音」は「そり舌音」とも呼ばれる(特に中国語関係)インド関係では「反舌音」という用語が常用されるどちらでも同じ意味。


広い意味での「歯茎」は「歯茎の裏側で上の歯との境目の部分」から「口の天井の近くの肉が薄くなる部分」まで幅がある普通この範囲の前半(歯に近い側)を使って t, d, l などの発音を行う。 この範囲の後半(口の天井に近い側)を使って t, d, l などの発音を行う場合それを反舌音という。

舌の先端をこの位置に持っていくと自然と舌は少し反り返る形になる結果として反舌音の発音では舌先のうちでも舌の裏側寄りの部分(場合によってはもろに舌前部の裏側)が使われることが多い例えば t の反舌音なら舌先のその部分と後部歯茎の間で音を出す。

l, s などの反舌音も「舌を反り返して普通より少し奥で舌先(どちらかというと裏側寄りの部分)と口の天井の間で音を出す」 という点は同じだ。

インドの言語では反舌音は一般的だディベヒ語では t, d, l, s の反舌音が用いられる発音記号では [ʈ ɖ ɭ ʂ] のように後ろ(右)に反り返ったフックで反舌音を表す。

逆に普通より舌先がもっと前進して舌先と上の歯の裏の間で t, d, n, l などの発音をする場合それを歯音というこっちは簡単だろう。

この項を書くとき参考にした資料: MIT OpenCourseWare: [PDF] Linguistic Phonetics; [PDF] Laboratory Phonology. Wikimedia Commons: File:Illu01 head neck.jpg; File:Gray855.png. Keith Johnson: [PDF] ‘Universal’ Articulatory Phonetics.

ށ の発音

ディベヒ語の ށ の子音はロシア語の ш に似た反舌音 /ʂ/ だがこれが一種の r として発音されることがあるらしい具体的には日本語のラ行音に似た反舌の弾き音(または震え音)を無声化したものと思われ例えば [ɽ̊] で表すことができる(以下この表記を使う)。

ウェブ上で読める記述:

一つ目は GODL で[ʂ] が標準でいくつかの方言では [ɽ̊] になるという立場を取っている。

二つ目はほとんど GODL の丸写しだが逆に[ɽ̊] が標準で人によっては [ʂ] と発音という書き方をしている/r/ という表記は混乱を招くがもともと /ṛ/ と記されてお[リンク]GODL との対応や文脈から明らかに ށ の子音を指している voiceless alveolar flap の真意は voiceless retroflex flap [ɽ̊] voiceless post-alveolar flap [ɾ̠̊] だと思われる。

三つ目はFuvahmulah フバッムラッ の方言と対比させてその方言以外の一般的な ށ の発音を「かすかな r の響きを帯びたような s の反舌音」としたも[リンク]つまり基本的には [ʂ] の音という書き方をしているFuvahmulah ではそれが [ʃ] になり特徴的だ…という話だが逆に言うと一部の方言を除きディベヒ語の ށ の子音は [ʃ] ではないということだこれは ށޝ の区別に当たる。

舌尖音

[s z] の発音の仕方には大きく分けて2種類の方法があるapical舌尖音ぜっせんおん舌先を軽く上げ舌の先端を上の歯茎にくっつける方法laminal舌端音ぜったんおん舌を全体的に持ち上げ舌の上面(先端よりは後ろ)を上の歯茎にくっつける方法この場合舌全体で最も高い位置に来るのは舌の先端よりほんの少し後ろの部分で舌の先端は相対的にそれより低い位置になる。

普通の [s z]laminal だがディベヒ語の [s z]apical だとされる舌先だけを使って軽く柔らかく発音されるようだ。

ターナ文字クリック入力キーボード (2003年版)

この記事の最初のバージョンは2003年3月16日ターナ文字のクリック入力キーボード(JavaScript)を公開したこのクリック・キーボードは使い道によっては結構便利だが表記が不統一なので注意してほしい子音はナシル訓令式母音は普通のローマ字式になっているたぶん当時「ナシル式は分かりにくい」と思ってこういう表記にしたのだろうナシル式の ee, oo, ey, oa が II, UU, EE, OO と表記されている。

参考までに初版の冒頭部分を保存しておく。

JavaScript なタイプライター・シリーズ今回は南の島モルディブの文字でやってみました……もちろんよく分からない文字なので

などを参考にしました。

初版ではターナ文字のブラウザサポートもテストしている当時の実験ではMozilla ではターナ文字の表示が逆さまだった環境の問題もあったのだろう テスト用のデータ自体にも不備がありކައްޓަލައް の上の sukun が間違って oa の母音記号になっていた。

その点を修正した上で当時の記述を一部再録しておく現在のブラウザではこんな問題は起きない古いブラウザではtext-align: right; などの指定をしないと表示が乱れるようだ以下初版の記述。

コード例
The Dhivehi word ކައްޓަލަ means "sweet potato."
IE6のレンダリング例(正しい: 2003年の表示なのでぎこちない)
ターナ文字の単語の1文字目が右側に来る。
Mozilla 1.3 のレンダリング例(逆さま: 2003年の表示)
ターナ文字の単語の1文字目が左側に来て、母音記号の位置もずれている。
あなたのブラウザでは
The Dhivehi word ކައްޓަލަ means "sweet potato."
Wiktionary などを利用する場合の注意事項(参考)

ウィクショナリーは素晴らしいプロジェクトだがディベヒ語に関しては発展途上にある2013年1月現在ロシア語版と韓国語版が比較的充実しているものの収録語数は最高のロシア語版でもわずか179内容も粒ぞろいとは言えない。

将来はきっとウィクショナリーのディベヒ語版が発展しそれにつれてウィクショナリーの各国語版もディベヒ語辞典として拡充されるだろう現時点では次の点に注意。

ウィキトラベルの会話集や Geonames.de はさらに発展初期にある。

現状ウェブ上の資料としては無料公開されている Abdulla–O’Shea の辞典(2005)を使うのが最も良いだろう表記はローマ字のみだがターナ文字との対応はほぼ規則的だ。

『Naomiのディベヒ語学習ノート』(2004)の単語集はターナ文字表記が付いているので用途によってはとても役立つ前書きで著者自身が断っているように「便宜的」な資料であり参考にする場合細かい点は各自が補完するという態度が大切だろう。

最後に本稿はターナ文字への興味を中心とするものでディベヒ語そのものについてはほとんど扱わなかった「文字だけ研究しても仕方ない」と思う人もいるかもしれない世界にはいろいろな文化と価値観があり視点も趣味もいろいろだ「何のために?」と問わない「それ自体の面白さ」というのは人生で最も大切なことのひとつだろう。

参考文献

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更新履歴

  1. 2003年3月16日初版最初の題名は「ユニコードのターナ文字」だった
  2. 2012年12月15日更新開始 引用画像をパブリックドメインの画像に置き換えた
  3. 2012年12月27日初版のテスト用サンプルの誤字を修正。 ކައްޓަލަ のスクンが oa の母音記号になっていた。
  4. 2013年1月16日改訂版公開。題名は「ターナ文字入門: 表記と発音」。
  5. 2013年1月17日、拡張文字の表を Unicode 順に変更。
  6. 2013年1月19日、§9.1ހަނދު があるはずの場所に ކަނޑު があったのを修正。
  7. 2013年1月20日、CSS: dv class を削除。
  8. 2013年1月22日、§7.2を改訂。外来語の末尾の ތް の発音を「th 時々 iy」としていたが、「iy 時々 th」と改めた。
  9. 2013年1月24日、 Cornell 大学図書館のオンライン資料により、Pyrard の手記の内容を確認。 ターナ文字の歴史に加筆。
  10. 2013年1月26日、 拡張文字: ޠ の用例を ޠަވާފް から ސުލްޠާން に変えた(後者の方が分かりやすい)。
  11. 2013年1月28日、§8.1に、外来語の np/mp の表記について情報を追加。
  12. 2013年2月10日、§11(ローマ字表記 gn について)を追加。
  13. 2013年9月21日: リンクを表すマークの画像を「アンの小箱」の素材からパブリックドメインのものに置き換えた。
  14. 2014年1月19日: IE6に一応対応(dv class復活)。
  15. 2014年2月23日: IE5.5での表示を改善。
  16. 2014年5月4日: title属性値の誤字修正。「歴史書に後の」→「歴史書の後の」
  17. 2019年4月25日: geocities.co.jp 終了に伴い、Naomi さんのページへのリンクを更新。

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