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2024-12-08 行列方程式で遊んじゃえっ (おまけ)
前回、小学生の算数だけを使って、
12 + 22 + ··· + n2 = n3/3
+ n2/2
+ n/6
を求めた。消去法を使って連立方程式をどーたらこーたらという、ありふれた解法だった。ただの算数じゃ退屈かもしれないので、同様のことをファンシーに、行列方程式でやってみたい――わざわざ大げさに行列を持ち出すほどの問題でもないけど、まぁ遊びってことで。
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2024-12-07 「2乗和・3乗和・4乗和の公式」の簡単な導出法
このメモでは、簡易的な方法で、
12 + 22 + ··· + n2 = n(n + 1)(2n + 1)/6
13 + 23 + ··· + n3 = n2(n + 1)2/4
14 + 24 + ··· + n4
= n(n + 1)(2n + 1)(3n2 + 3n − 1)/30
の三つの基本公式と、対応するベルヌーイ形式を導く。
ベルヌーイ形式については、ほぼ予備知識ゼロでできる――小学校の算数(連立1次方程式)だけを使って。一般的な導出法と比べお手軽だが、その代わり「s 乗和の公式は s+1 次の多項式」という前提を受け入れる必要がある。関連事項として、「公式をだいたい覚えてるが部分的に度忘れした」ような場合に「記憶があやふやな部分を再建する方法」を付記。
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2024-12-06 1, 3, 7, 9 の 3 倍を 20 で割った余りは 1, 3, 7, 9
{1, 3, 7, 9} をそれぞれ 3 倍すると 3, 9, 21, 27 だが、それを 20 で割ると、余りは再び {1, 3, 7, 9} だ。順序は変わるけど。
{1, 3, 7, 9} を 7 倍した 7, 21, 49, 63 についても同じことが成り立つ!
9 倍した 9, 27, 63, 81 についてもっ!!
この一見たわいもない現象を利用して r2 ≡ −5 の解の有無を直接的に(相互法則を経由せず)、簡潔に、確定できる。この法則の直接証明は、さすがのガウスも、3節も費やして複雑な場合分けを行い、技巧的にやったものなのだ。
ガウスの上を行った? いやいや、とんでもない、発想自体がガウスのもので、ガウス和という名前まで付いている。しかしガウス和の「ツールとしての強力さ」、現象の本質に迫るその視座の素晴らしさを、垣間見ることができる。
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2024-12-05 Bitcoin $100K, Monero $200(追記)
「クリプト(暗号通貨)ってのは、技術的に面白そう」感じる人は、少なくないだろう。あるいはゲンキンに「そんなにもうかるなら、やってみたい」と(もうかるか損するかは確率半々。業者を通せば、手数料などの分だけ平均的には必ず損をする上、のめり込めば、たとえ勝っても、人生で最も大切なものが失われるであろう)。理由はともあれ、少しくらい持っていて悪いことはないのだが、最も重要な注意事項は、中央の業者(CEX)を通さず純粋にP2Pでやりとりする、ということに尽きる。
この件については、何度も書いている。 CEX は日本語で何と呼ばれるのか知らないが、取引の仲介業者のこと。そういうところにアカウントを作らず、必ず自分自身のローカルにウォレットを作り、自分で鍵を管理。やりとりは全て Tor 越しで行う。
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2024-12-05 Bitcoin $100K, Monero $200
2024年11月に BTC/USD が 95K を超え、この勢いで 100K は時間の問題とも思われたが、今日とうとう 100K を突破。ビットコインそのものは、さほど匿名的でもないが、匿名の(正体不明の)開発者が作ったものが、ここまで広まったということは、興味深い。 100K とは 1 BTC = $100,000、言い換えれば 1 mBTC = $100 の水準。数年前からいわば Bitcoiner の「夢」とされ、俗に moon と呼ばれていた(月ロケットのような急上昇というほどの意味)。
一方、同時にプライバシーコインの Monero (XMR) も急騰、2年ぶりに 1 XMR = $200 を超えた。 Tornado Cash 事件で開発者側に有利な判決が出たことが、プライバシーコインに間接的に影響しているのかもしれない。
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2024-12-04 メルセンヌ数 Mp の p の話 遊びをせんとや生まれけむ
23 = 2 × 2 × 2 = 8 のような数は「2 の累乗」とか「2 のべき(冪: ワかんむりに幕)」と呼ばれる。要するに 2n ――「2 の n 乗」――ってなわけ(n は自然数)。
このような数から 1 を引くと、時々「素数」(1 と自分自身でしか割り切れない数)になることがあって、
23 − 1 = 8 − 1 = 7
25 − 1 = 32 − 1 = 31
などは、その例。中には、
2127 − 1 = 170
なーんていう39桁のでかい数も。これは20世紀中頃まで、人類が知ってる最大の素数だったそうだ。
このような 2n − 1 型の素数は「メルセンヌ素数」と呼ばれ、現在でもこのタイプが「知られている最大の素数」の世界記録となって、たぶんギネスブックにも載ってるのだろう。コンピューターを使って、今では39桁よりはるかに大きい素数が見つかっている。
2n − 1 が素数になるためには、必要条件として、指数の n 自身も素数でなければならない。上の例で 2 の肩に乗っている 3, 5, 127 は、実際どれも素数。なぜ n が素数以外だと駄目なのか?
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2024-12-03 完全数と「奇数の3乗和」 13 + 33 + 53 + 73 などについて
28 を割り切る自然数は何か? 28 自身ももちろん 28 を割り切るが(商 1)、自分自身を別にすると 1, 2, 4, 7, 14 の五つの数が 28 を割り切る。この五つの数の和、
1 + 2 + 4 + 7 + 14 = 28
は 28 に戻る! こういう性質を持つ数は、完全数と呼ばれる。他の小さい数で幾つか試してみると、 6 も同じ性質を持つが、
10 → 1 + 2 + 5 = 8 ちょっと不足
11 → 1 全然不足
12 → 1 + 2 + 3 + 4 + 6 = 16 過剰
···などとなって、それ以外の例はなかなか見つからない。「ちょうど自分自身に戻る」ってのは、かなり珍しい性質らしい。
ところで奇数 1, 3, 5, 7, ··· を小さい順に幾つか、それぞれ立方して足し合わせると、完全数になることがある。 28 の例では:
13 + 33 = 1 + 27 = 28
28 に続く完全数は 496 だが(本文参照)、これも:
13 + 33 + 53 + 73 = 1 + 27 + 125 + 343 = 153 + 343 = 496
「奇数を 3 乗して足し合わせる」ってことと「約数の和が自分自身に等しくなる」ってこと――まるで無関係に思えるその二つが、深く結び付いている(らしい)。この現象は、ちょっと不思議で、好奇心を刺激する。
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2024-11-30 アイゼンシュタインの第二証明(続き)
大学入学後10カ月目の一年生。だが彼の「砂時計」の残り時間は「8年半」。病弱だった天才は、自分には時間がないことを本能的に察していたのだろうか。21歳になったアイゼンシュタインの、たった2ページ半の論文は、簡潔過ぎるとすら感じられる。
前回に続き、原論文末尾の部分(第二補充法則の別証明)を検討する。それは1844年5月、ベルリンで記された。ガウスの第六証明の簡単化。――ガウスの「第三」を簡単化したアイゼンシュタインの第三証明は、今でも世界中の教科書に載っている。あれが書かれる2カ月ほど前。
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2024-11-28 アイゼンシュタインの第二証明と第二補充法則
1 の 8 乗根を利用した第二補充法則の証明については、既に現代的に整理したが(予想の 45° 斜め上をいく √ i の活用!)、あえて19世紀のアイゼンシュタインの第二証明を読む。この古風な証明は、クロネッカー記号について、ある種の洞察を与えてくれる。
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2024-11-27 手塚治虫の「まんが十訓」
まあ気楽に。悩んでも、悩まなくても結果は同じ。心配するだけ時間が損。
さて、手塚(手塚)の「十訓」をご存じですか。これが載った原作は講談社の全集・全400巻には収録されていないのですが、385巻『手塚治虫のまんが専科』の中で「じつはね、この十訓はぼくが二十三、四歳のころにつくった」「この十のちかいを、ぼくはずっと守ってきた」として引用されています。
一、仕上げは最後の五分間 なんどもみなおし、手をいれよ
二、よく読み、よく描き、習うべし 努力せぬ絵はながくなし
三、みたり、きいたり、ためしたり 思わぬときに案がでる
四、弘法筆を選ばずも ペンと紙とはよく選べ
五、人のまねするおろかもの 天知る、地知る、読者知る
六、絵ばかりかけて案知らず 一人前だといばる人
七、できたらつとめて人にみせ ひとりよがりはさけるべし
八、案は作者の鏡なり みにくいまんがや古い案
九、短気はソン気 根気よく長編まんがを描きあげよ
十、入選安心まだならぬ 死ぬまで努力おこたるな
以上
手塚治虫は、一般的には子ども向けの「健全」で「ヒューマニスト」な漫画家として有名ですが、実際には大人向けの作品もたくさん描いていますし、性的描写はもちろんのこと、どぎついもの、変てこなもの、実験的な作品も少なくないのです。
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2024-11-26 匿名フリーメール cock.li の現状 「デス・スイッチ」
Cockmail(cock.li)は、2024年11月12日付けで「レッドアラート」を宣言。このメールサービスについて、これまで何度か紹介したので、状況について簡単にコメントしたい。
何らかのトラブルで、現在、新規登録とパスワード変更ができないという。既存ユーザーから見ると、少なくとも onion のウェブメールは、今まで通り普通に使える。
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2024-11-23 ガウス和からの cos 72°
cos 72° = (−1 + √5)/4 と cos 36° = (1 + √5)/4 をガウス和から求めることもできる。
古来からの伝承によると √5 = 2.2360679… の語呂合わせは「富士
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2024-11-22 ガウス和の平方(その2の続き) 証明の完成
1 の p 乗根 z についてのガウス和を S とすると、 S2 は p または −p に等しい(p は 3 以上の素数)。
この定理について、「素朴な観点からの証明」があと一歩で完成……というところで話がそれ、先に風変わりな別証明を紹介し、さらに別の「神の証明」(定理2参照)を紹介した。多重の総和記号が入り乱れ、一般向けとは言いかねる面もあった。素朴な観点に立ち返り、 S2 を展開して指数ごとに項を数える、という単純な発想からの証明も完結させておく。
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2024-11-20 「神の証明」の簡単化についての覚書 ガウスの第六証明
前回紹介した「第六証明」のアレンジは、 Erdős のいう「神の証明集」に基づく(それぞれの定理について、最もエレガントな証明法を集めた天界の書物)。美しい証明には違いないが、振り返ると、幾つか「もっと簡単にできるのでは」と思われる部分もある。
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2024-11-19 相互法則: ガウスの第六証明・現代版
「平方剰余の相互法則の第六証明」を現代化した形で記す。アイゼンシュタイン版(1844年)と比べさらに透明で、ほとんど一点の曇りもない。
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2024-11-17 相互法則: ガウスの第六証明・アイゼンシュタイン版
平方剰余の相互法則は、数論の最重要テーマの一つ。法則自体もネット社会の一つの基礎ツールだが(Jacobi 記号など)、何より、法則をいろいろな角度から検討する過程で、新たな境地が開けてきた。「ガウスの第六証明のアイゼンシュタイン版」を紹介する。
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2024-11-15 予想の 45° 斜め上をいく √ i の活用
問題 x = 6, y = 2 は x2 = 17y + 2 を満たす。 x = 7, y = 3 は x2 = 17y − 2 を満たす。では、次のそれぞれを満たす整数 x, y があるか?
あ x2 = 7y + 2 ア x2 = 7y − 2
い x2 = 13y + 2 イ x2 = 13y − 2
う x2 = 19y + 2 ウ x2 = 19y − 2
「あ」は試行錯誤でも、簡単に解が見つかる: (3)2 = 7(1) + 2 だっ!
この種の一見たわいもない「整数の問題」が、「虚数単位 i の平方根」によって解明されるというのは、意表を突く。
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2024-11-13 優しいおじいさんゲーマーのアドバイス こうかは ばつぐんだ!
「Not Always Right」の最近(2024年)の投稿を二つ紹介。一つは米国、一つはスウェーデンから。
米国、ビデオゲームの小売店にて。
買い取りもやってるゲーム屋で働いてる者です。男の子(12歳くらいかな?)が、中古ゲームの山持って、来たんです。
男の子「これ、いくらくらいで売れますか。できれば新しいマリオのやつ、買いたいんですが…」
私「うーん、このポケモンは、多少値段が付けられるかもしれないけど、他のやつは数セント(10円以下)にしかならないだろうなぁ。箱あったら、もうちょっと出せるかもしれないけど」
男の子「そうですか…。すいません、お邪魔しました」
男の子は礼儀正しく、持ってきたソフトをまとめて帰りかけたんですが、そのとき、年配の客(推定60台後半)が、こっちに走ってきたんです。
おじいさん(興奮して)「それ、ハートゴールド?」
男の子「えっ…。あ、はい」
おじいさん「ありがたいっ! おれ、ソウルシルバー持っててね、ペアでそれが欲しかったんだよ!」
男の子「お孫さんへのプレゼントですか」
おじいさん(ふざけて怒ったふりをして)「寝ぼけちゃいかんよ、君ぃ!
お れ さ ま 用 だぜっ!」男の子「ポケモン、やるんですか?!」
おじいさん「1996年からずっとな!」
男の子「うわぁぁ! っていうか普通…やめるんじゃないんですか、その、年を取ったら?」
おじいさん「君、いいこと教えてあげるよ――少なくとも、おれの人生じゃ、これは役立つアドバイスだった。あのね、年を取ったら遊ぶのをやめるっていうのは、間違いでね。遊ぶのをやめるから年を取るの」
男の子「おおぉぉぉ!」
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「チラ裏」は、きちんとまとまった記事ではなく、断片的なメモです…
置換 y = x + 1/x を使って16次方程式 x16 + x15 + ··· + x + 1 = 0 を解く
三重根号の簡約
√(10 + 2√) + √(5 + 2√) = √(25 + 10√)
tan2 20° + tan2 40° + tan2 80° = 33
複々素数の不思議な割り算 乗除の奇妙な冒険
14 + 24 + ··· + n4 = n(n + 1)(2n + 1)(3n2 + 3n − 1)/30
2024年1月12日 十六元数の零因子 君は 0 を割ることができるか?
初等的証明に成功! 世界初かも?
2024年1月17日 Moufang 恒等式の同値性 初等的証明
これも(ネットでは)世界初かも。教科書的には autotopism を使うのだが、そんなややこしい概念は必要ない。
2024年2月7日 ゾクッとする式・きれいな式 tan2 20° + tan2 40° + tan2 80° = 33
2024年3月3日 一辺 1 の正五角形の面積 算数バージョン
2024年3月27日 五・六・十角形の恒等式 現代とは違う感覚
2024年4月11日 正17角形は作図可能? 複素数を使わない気軽な散策
2024年6月3日 arctan 1 + arctan 2 + arctan 3 = π 三角形の内心
2024年6月11日 Linux の Live OS 気軽にいろいろ試せるよ
2024年9月24日 「1 の5乗根」について (x2 + x/2 + 1)2 の利用
2024年10月10日 x17 = 1 の代数的解法 ガウスの式の応用
2024年11月9日 ガウス和・別証明 クロネッカー博士の異常な足し算 または 私はいかにして心配するのをやめ三重和を愛するようになったか
Map
の長所、splice
より速い要素挿入法も紹介。 〔最終更新: 2023年4月1日〕bdi
要素と Unicode 6.3 の新しい双方向アルゴリズム (2012-12-04)dir
属性は落とし穴が多い。HTML5 の <bdi>
は役立つ。近い将来、「ユーザー入力欄などの語句は、このタグで隔離」が常識になるかも。 〔最終更新: 2014年4月27日〕fad()
は濁りやすい。各種の代替手段を紹介。 Tor Browser
プライバシー志向のブラウザ。監視・追跡されずにウェブページを閲覧。「個人情報を登録したサイト」にこれでログインしてはいけない。
BES, Battle Encoder Shirasé 1.7.9 & 1.8.0.31: Per-Process CPU Limiter (archive)
a3r (ASS_Help3r): ASS timing/typesetting v0.2.0.0 (archive)
75C0 706B 3CD0 B5D0
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