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2025-06-13 コーシー多項式・若干の簡単化
フェルマーの最終定理の n = 7 の場合と関連して、1840年ごろ Cauchy は、
(x + y)7 − x7 − y7
= 7xy(x + y)(x2 + xy + y2)2
のような形の多項式(左辺)とその分解(右辺)を考えた。例えば、
(x + y)8 + x8 + x8 は U = x2 + xy + y2 で割り切れる
(x + y)10 + x10 + x10 は U2 = (x2 + xy + y2)2 で割り切れる
といった現象は、不透明に思われる。 Wolstenholme 型の美しいパズル(俗称「ロシア公式」)も Cauchy 型の多項式に関係している。
Cauchy の定理と「周期 6 の振る舞い」について、既存の文献の証明の簡単化に成功した。普通の高校生でも完全に理解できるような形で、簡潔に記述できる。アイデアの源泉は、別の場所で「ロシア公式」と呼んだもの。実際には、あのパズルの出典はロシアではなく、英国の Wolstenholme だった。
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2025-06-11 「ロシア公式」(Wolstenholme のパズル)について
A, B, C を定数とする。3次式 z3 − Az + Bz − C の根を a, b, c として、 a, b, c についての対称式の値を A = a + b + c, B = ab + ac + bc, C = abc を使って表すことは、ありふれた操作だ。例えば A = a + b + c = 0 という特殊な条件下では、 Newton 風の再帰的計算によって、
pm = am + bm + cm, m = 3, 4, 5, ···
を容易に求めることもできるし、そのような特殊な条件を付けず、一般の場合の pm の明示的公式を(m = 7 くらいまでについて)導出することもできる。
「ロシア公式」も、本質的には上記 pm に関する平凡な問題に過ぎない。ただし、対称式の理論を使わない別解の中に、興味深いものがある――ロシア語の(比較的マイナーな)問題集にチラッと記されている物珍しい内容なんで、あらためて検討してみたい。
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2025-06-08 1/27 = 0.037037… とその恋人
次の二つの数。無限に続く循環小数とはいえ、桁の並び方がシンプル。互いに「恋人同士」のようだ:
1/27 = 0.037 037 037…
1/37 = 0.027 027 027…
27 の逆数では「037」がループし、 37 の逆数は「027」がループする。このシンメトリックな性質は「偶然」だろうか?
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2025-06-06 x2 + xy + y2 と「ロシア公式」(Wolstenholme のパズル)
x2 + xy + y2 という多項式には、いろいろな面白い性質がある。
和が 0 になる任意の三つの数(例えば 1, 2, −3)を二つずつ掛けて足し合わせたものを B としよう:
B = 1⋅2 + 1⋅(−3) + 2⋅(−3) = 2 + (−3) + (−6) = −7
同じ三つの数の中から好きな数を二つ選んで x, y とすると、 x2 + xy + y2 は −B に等しい:
1, 2 を選ぶと 12 + 1⋅2 + 22 = 1 + 2 + 4 = 7
1, −3 を選んでも 12 + 1⋅(−3) + (−3)2 = 1 − 3 + 9 = 7
2, −3 を選んでも 22 + 2⋅(−3) + (−3)2 = 4 − 6 + 9 = 7
a + b + c = 0 のとき 6(a5 + b5 + c5) = 5(a3 + b3 + c3)(a2 + b2 + c2) ――のような一連の「ロシア公式」は、対称式の問題だ。でも、上記のたわいもない性質を利用して、算数的な別証明もできる。それが意外とエレガント。モデノフ(Петр Сергеевич Моденов)の問題集の解法。ロシア語圏でもそれほど知られてない?
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2025-06-04 根の5乗和の応用例(その2)
問題3 a + b + c = 0 を満たす任意の実数 a, b, c について、 2(a5 + b5 + c5) = 5abc(a2 + b2 + c2) が成り立つことを示せ。
〔例〕 a = 3, b = −2, c = −1 ⇒ 左辺 2⋅(243 − 32 − 1) = 2⋅210 と右辺 5⋅6⋅(9 + 4 + 1) = 30⋅14 は等しい。
a + b + c = 0 という条件で a5 + b5 + c5 ないし a7 + b7 + c7 を基本対称式・べき和対称式の積として表す問題が5パターンほどある。
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2025-06-02 根の5乗和の応用例
問題 a + b = 4 かつ a5 + b5 = 464 のとき、 a と b の値は?
対称式(5乗和)の例題としては、易し過ぎず、難し過ぎず、こぢんまりとした良問。予期せぬ「もつれ」として、出典には「b = 4 − a を第二式に代入する単純な消去法で解くことは不可能」と記されている――「不可能」ってのは、言い過ぎだろう。教科書通りの解法と、直接的な解法の両方を試す。
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2025-06-01 ガウス周期を使わない円周13等分
cos (π/9) cos (2π/9) cos (4π/9) = 1/8 は「モリーの法則」と呼ばれる。
次の等式は、その変わり種。
cos (π/13) cos (3π/13) cos (4π/13)
=
(3 + √13)/(3 + 13)
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2025-05-31 四次元サイコロ「目」は幾つまで?
3次元の普通の(立方体の)サイコロは、「目」が 1 から 6 まである。4次元の超立方体サイコロの「目」は 1 から幾つまであるのだろうか?
最初は強引に直接数えていたが、ちょっとしたアイデアで4次元・5次元をすっきり見通せる!
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2025-05-29 ラマヌジャンのパズル(続き)
ラマヌジャンのいろいろな式は、単に好奇の対象というだけでなく、「本質的に美しい何か」を秘めている。「何か」の正体は謎だが…。通常「バッハの音楽が何の役に立つのか?」というのが的外れの問いであるように、「ラマヌジャンの式が何の役に立つのか?」というのは、あまり意味のない問いだろう。
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2025-05-27 ラマヌジャンのパズルじゃん 生への執着・死への執着
インドの天才ラマヌジャン(Ramanujan)は、さまざまな奇妙な式・深遠な式を残したことで知られる。今回紹介するのは、どちらかというと娯楽系のパズル。似た形の二つの式 (i) と (ii) を示せ、というもの。1914年、 [1] に掲載された†。 (i) は次の通り。
3√[cos (2π/7)]
+
3√[cos (4π/7)]
+
3√[cos (8π/7)]
=
3√[(5 − 3⋅3√)/2]
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2025-05-26 バーゼル問題のさらなる簡単化
バーゼル問題(バーゼルはスイスの地名)というのは、
1 + 1/4 + 1/9 + 1/16 + 1/25 + ···
という無限の足し算の結果が幾つになるか?というもの(分母は 2 × 2, 3 × 3, 4 × 4, ··· と増えていく)。答えが「円周率 × 円周率 ÷ 6」という極めて変てこな値になること(なぜこんなところに円周率が?!)を突き止めたのは、オイラーだった。
この件についてはいろんな証明法があるけど、中でもエレガントで人気が高いのは、ヤグロム(Yaglom)兄弟が1950年代に発表した方法。
ヤグロムたちの証明は、確かに初等的で美しい。しかし「ド・モアブルの定理」を使うところが
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2025-05-25 sin (π/7) の根号表現(続き)
sin (π/7) などの根号表現を求める別の方法。円周14等分点の tan を経由するもの。 sin だけを考えるとすれば、前回の方法と比べ見通しが悪い。しかし tan (π/7) と sin (2π/7) のような二つの値の関係を利用するところが風変わりで、独特の面白さがある。
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2025-05-24 sin (π/7) の根号表現 試算サンバ破産
180° の 7 分の 1(約 26°)を φ とする。 sin φ つまり sin (π/7) = 0.4338837… の根号表現を求めるエレガントな方法。
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2025-05-22 csc2 のある種の和について バーゼル問題関連
180° を 2a+1 等分した角度を β とする(a: 正の整数)。 β の奇数倍の角度(0° ~ 180° の範囲)について、それぞれの csc2 の和は 4a に等しい。例えば a = 2 で β = 180°/23 = 22.5° のとき:
csc2 β + csc2 3β + csc2 5β + csc2 7β = 16
同じことだが、0° ~ 90° の範囲の同様の和は、上記の半分の値に等しい。例えば:
csc2 β + csc2 3β = 8
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2025-05-22 日本の債券市場の危機と除夜の鐘 煩悩の108K
きっかけがあれば 1 BTC = ~$108K を突破して、史上最高値を更新するのは時間の問題と思われたが、触媒の一つが「日本の財政危機」というのは予想外だった。
国の赤字がGDPの2倍を超え3倍に近く、財政破綻に陥ったギリシャより悪い状況ってのは、前々からの共通認識ではあったが…
日本だけの問題では済まないかも。米国の借金だってGDP比は小さくても、絶対額で言えば天文学的。理論的にはいつ破綻してもおかしくない。日本だって存亡の危機になれば、大量に持ってるらしい米国債を売り払うのも、当然の選択肢。すると何が起きるか…?
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2025-05-19 ジラルの4乗公式(プチ・バージョン) 4次元はちょい苦手
ジラル(Girard)の公式のうち、「2乗」はたわいない。例えば:
a2 + b2 = (a + b)2 − 2ab
「3乗」はそれより複雑だが、少し考えれば見通しが利く。しかし「4乗」やそれ以上は、式が複雑な上、「4次元」が絡むせいもあって「真意」がつかみにくい!
a4 + b4 + c4 + d4
= (a + b + c + d)4 − 4(a + b + c + d)2(ab + ac + ad + bc + bd + cd)
+ 4(a + b + c + d)(abc + abd + acd + bcd) − 4abcd
+ 2(ab + ac + ad + bc + bd + cd)2
ニュートン的マクロ Pm = am + bm + cm + dm を利用すれば、形式的にこのような恒等式を扱うことは難しくないのだが、もう少し直接的に、上記の等式の「真意」に迫れないものか…
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「チラ裏」は、きちんとまとまった記事ではなく、断片的なメモです…
2025年4月6日 1 + 1/22 + 1/32 + … = π2/6 の別証明
2025年1月16/19日 なぜ 1 + 2 + 3 + 4 は 5 の倍数か? / 12 + 22 + 32 + 42 + 52 も 5 の倍数
フォン・シュタウト&クラウセンの定理
2025年1月11日 Verlaine の「秋のうた」 日本語訳3種+原文解説
2024年6月11日 Linux の Live OS 気軽にいろいろ試せるよ
2024年4月11日 正17角形は作図可能? 複素数を使わない気軽な散策
2024年1月12日 十六元数の零因子 君は 0 を割ることができるか?
初等的証明に成功! 世界初かも?
2024年1月17日 Moufang 恒等式の同値性 初等的証明
これも(ネットでは)世界初かも。教科書的には autotopism を使うのだが、そんなややこしい概念は必要ない。
Map
の長所、splice
より速い要素挿入法も紹介。 〔最終更新: 2023年4月1日〕bdi
要素と Unicode 6.3 の新しい双方向アルゴリズム (2012-12-04)dir
属性は落とし穴が多い。HTML5 の <bdi>
は役立つ。近い将来、「ユーザー入力欄などの語句は、このタグで隔離」が常識になるかも。 〔最終更新: 2014年4月27日〕fad()
は濁りやすい。各種の代替手段を紹介。Tor Browser
プライバシー志向のブラウザ。監視・追跡されずにウェブページを閲覧。「個人情報を登録したサイト」にこれでログインしてはいけない。
BES, Battle Encoder Shirasé 1.7.10 (March, 2025) & 1.8.0.39: Per-Process CPU Limiter (archive)
a3r (ASS_Help3r): ASS timing/typesetting v0.2.0.0-20250511 (archive)
75C0 706B 3CD0 B5D0
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