[ 遊びの数論 ]
[ 数学・プログラミング ]
[ チラ裏(雑記) ]
[ 天文・暦 ]
[ シリア語・Unicode・詩 ]
[ ジョーク ]
[ 漫画・アニメ ]
[ 字幕 ]
[ 哲学・ファンタジー ]
[ 主な新着コンテンツ ]
2025-07-16 「絶対値 1 の 数」プラス 1 捨ててこそ
計算間違いが好きな人はあまりいないだろうが、「符号のミス」ってのは、なんとも嫌なもんだ。
根号の符号のような「主値」が絡むケースは、特に微妙で、時に素朴な直観が裏切られる。 (−1)3/2 みたいなもんを見て、一瞬フリーズ。「えーと…こ、これはつまり [(−1)3]1/2 ってこと…かな? 要するに −1 の平方根、つまり i …?」
符号、ヤバい!
そんな中で、「符号ミスに符号ミスを重ねても、大丈夫」という、常識では考えられないような状況もある。「ミスが起きることは織り込み済み。起きるときは、ちょうど 2 回、起きる」と事前に分かってる場合だ。一つのミスで符号が逆になり、二つ目のミスでまた符号が逆になるので、「間違いに間違いを重ねてるけど、元に戻って答えは合ってる」と。
かなり珍しいシチュだが、そんなこともあるんだね~と。
→ 続きを読む
2025-07-15 「1 の m 乗根」プラス 1 ひし形の対角線
1 の1乗根 1 に 1 を足すと、和は 2 に等しい。
1 の2乗根 −1 に 1 を足すと、和は 0 に等しい。
1 の3乗根 (−1 ± √−3)/2 に 1 を足すと、 1 の6乗根 (1 ± √−3)/2 に等しい(絶対値 1、偏角 ±60°)。
1 の4乗根 ±√−1 に 1 を足すと、 1 ± √−1 に等しい(絶対値 √2、偏角 ±45°)。
このような素朴な観察だけからでも、 Cauchy 型の多項式の根について、かなり強いことが言えるようだ。
→ 続きを読む
2025-07-14 根になるもの・ならぬもの コーシー型の式について
例えば、
F(x) = (x + 1)11 − x11 − 1 = x(x + 1)(x2 + x + 1)(x6 + 3x5 + 7x4 + 9x3 + 7x2 + 3x + 1)
の右辺は x = 0, −1 のとき、それぞれ因子 x, x + 1 が = 0 になって F(x) = 0。因子 x2 + x + 1 を = 0 にするような x は 1 の原始3乗根 ω, ω2 だが、この二つも F(x) = 0 の解には違いない。それではもう一つの(6次の)因子が = 0 になるような x は何か?
一般に、
(x + 1)n − xn − 1 = 0 あるいは (x + 1)n + xn + 1 = 0
を満たすような x について、何が言えるか?
実は 1 の原始4乗根・5乗根・6乗根などは、決してこの形の式の解にはならない。結論は地味だが、証明の手法が小気味よい。
→ 続きを読む
2025-07-13 コーシー/ミリマノフ多項式(その11) 理由
En(x) の「絶対値 1 の根」が円周 2n 等分点の非常に近くにある理由。
→ 続きを読む
2025-07-12 コーシー/ミリマノフ多項式(その10) 予想
数日前、「すごい発見をしたッ!」と始まる訳の分からないメモを公開しました。「発見」といっても表面的な現象の発見で、仕組みなどは把握できてないのですが、少なくとも「現象」面では、少し焦点が絞れてきました。
一つのポイントは、 Pn(x) = (x + 1)n + (−x)n + (−1)n の根の一部は、 1 の 2n 乗根(つまり xn = −1 の解)の一部と極めて値が近い――ということ。
→ 続きを読む
2025-07-11 コーシー/ミリマノフ多項式(その9) τ > −0.75
n ≥ 2 を整数とする。 Pn(x) = (x + 1)n + (−x)n + (−1)n は、因子 x2 + x を 0 個または 1 個だけ持ち、因子 x2 + x + 1 を 0 個・ 1 個または 2 個だけ持つ。それらを除外した余因子を En(x) とする。 w がその一つの根なら、 w と一定の関係にある6種類の根(w 自身を含む)は「根の六つ組」を成す。 Mirimanoff は1903年、それら六つの数を根とする6次式が、
ε(x) = x6 + 3x5 + τx4 + (2τ − 5)x3 + τx2 + 3x + 1
という形を持つことを示した。ここで τ は六つ組 Ow に応じて定まる一つの実数。逆に言えば、たった一つの実数 τ によって Ow の六つの数の行方が決まる。責任重大なパラメーターだっ!
→ 続きを読む
2025-07-09 コーシー/ミリマノフ多項式(その8) 新発見
(画像の説明については下記テキスト参照)
すごい発見をしたッ! (x + 1)n + (−x)n + (−x)n の因子 En(x) のうち E9 と E10 は根の六つ組を一つ持ち、 E12 は根の六つ組を二つ持つ(ε12, ε′12 とする)。各六つ組に属する根の偏角は ±θ, ±η の形の4種だが、次の六つの角度は極めて特徴的な形をしている:
E9 ⇒ θ ≈ 140.199915748°, η ≈ 109.9000421256°
E10 ⇒ θ ≈ 162.0000514913°, η ≈ 98.9999742543°
ε12 ⇒ θ ≈ 164.9999995217°, η ≈ 97.5000002391°
特に ε12 の θ は 165° = 11π/12 とほぼ等しい。その結果、 E12(x) の根のうち
−0.9659258241… ± i⋅0.2588190531…
の二つは 1 の原始24乗根 exp(πi⋅11/12) と exp(πi⋅13/12)、
−0.9659258262… ± i⋅0.2588190451…
に極めて近い(実部・虚部とも小数8桁程度まで一致)。
→ 続きを読む
2025-07-08 コーシー/ミリマノフ多項式(その7) 回文多項式について
ƒ(x) が回文的な多項式のとき、 x = w が ƒ(x) の根なら x = 1/w も ƒ(x) の根(定理1)。この定理の「逆」も成り立つ。「定理」と呼ぶほどの大げさなことでもないけど、 Cauchy–Mirimanoff 多項式の研究の土台ともいえるので、明示的に証明しておく。
→ 続きを読む
2025-07-07 コーシー/ミリマノフ多項式(その6) 109.90004°
古人いわく、数学は科学の女王であり、数論は数学の女王である。女王は必要性ゆえにではなく、その美しさゆえに愛される。
優雅な恒等式
(x + 1)9 − x9 − 1 = 9(x2 + x) × [(x2 + x + 1)3 + (1/3)(x2 + x)2]
(x + 1)11 − x11 − 1 = 11(x2 + x)(x2 + x + 1)
× [(x2 + x + 1)3 + (x2 + x)2]
(x + 1)13 − x13 − 1 = 13(x2 + x)(x2 + x + 1)2
× [(x2 + x + 1)3 + 2(x2 + x)2]
n = 9 の式は、あえて 9 をくくり出すのがチャームポイント? ←本質と関係ないw
いやぁ、なかなかきれいじゃありませんか。いえいえ、だからなんだというわけでも、これが何に役立つというわけでもないんですが。――といっても、たぶん多くの人は、このような「数式」を見ると「学校の勉強」とか「公式の暗記」とか「受験競争」とかを連想し、あまり愉快ではない気分になるのだろう。美しいものの美しさが無視され、むしろ苦痛を生むものとして受け止められている現状(教育のあり方・数学の扱われ方)は残念なことであり、美の女神に対する
→ 続きを読む
2025-07-06 コーシー/ミリマノフ多項式(その5) 因子の個数
Cauchy の定理から、例えば (x + y)7 − x7 − y7 は因子 (x2 + xy + y2)2 を持つことが保証されている。つまり x2 + xy + y2 で(少なくとも)2 回割り切れる。
(x + y)13 − x13 − y13
(x + y)19 − x19 − y19
等々もまたしかり。では、このタイプの式が x2 + xy + y2 で 3 回以上、割り切れることは起こり得るか?
(x + y)61 − x61 − y61
みたいなものすごい指数の多項式が、ひょっとして (x2 + xy + y2)3 で割り切れたとしても、まぁ「あり得ない」という感じはしない。60次くらいありゃぁ、ひょっとしてゴチャゴチャ因子もいっぱいあるかもね、と。だがしかし、この因子に関する限り「そんなことはあり得ない」と断言できるのであるっ!
(この形の多項式に Cauchy の定理が示す因子以外の因子が全くないのか?というのは、現在でも一般には未解決の難問らしい…)
→ 続きを読む
2025-07-05 コーシー/ミリマノフ多項式(その4) 6次式の形
Cauchy–Mirimanoff 多項式 En(x) というのは、
(x + 1)n − xn − 1
を (x2 + x)(x2 + x + 1)m で割ったとき(多項式として割り切れる)の商。ここで n は(とりあえず) 3 以上の奇数。 n を 3 で割った余りが 0, 1, 2 のどれになるかに応じて m = 0, 2, 1 とする。
話の前提として、例えば
(x + 1)11 − x11 − 1
は (x2 + x)(x2 + x + 1) で割り切れ(商 x6 + 3x5 + 7x4 + 9x3 + 7x2 + 3x + 1 は Cauchy–Mirimanoff 多項式の例)、
(x + 1)13 − x13 − 1
は (x2 + x)(x2 + x + 1)2 で割り切れる! これはそれ自体としても特筆すべき事柄であり(Cauchy の定理)、 Wolstenholme のパズルなど、幾つかの美しい恒等式とも関連する。割り切れた後に残る商が、また面白い。ロシアで生まれ、後にスイスに移住したドミトリイ・ミリマノフ(Dmitry Mirimanoff, 1861–1945)によって、その研究が始まった。
→ 続きを読む
2025-07-04 コーシー/ミリマノフ多項式(その3) E(x) は実根を持たない
1839年、 Cauchy (コーシー)と Liouville (リューヴィル) は次の定理を記した†。 x, y を変数とする多項式 (x + y)p から xp と yp を引いたものは(p: 素数)、 pxy(x + y) で割り切れるだけでなく、 p > 3 なら x2 + xy + y2 でも割り切れる――特に p が 6 の倍数より 1 大きいときには、 (x2 + xy + y2)2 で割り切れる。この結果、
(x + y)5 − x5 − y5 = 5xy(x + y)(x2 + xy + y2)
(x + y)7 − x7 − y7 = 7xy(x + y)(x2 + xy + y2)2
(x + y)11 − x11 − y11 = 11xy(x + y)(x2 + xy + y2)⋅Q11
(x + y)13 − x13 − y13 = 13xy(x + y)(x2 + xy + y2)2⋅Q13
︙
のような、美しい恒等式が成り立つ。
→ 続きを読む
2025-07-02 散歩の楽しさ
気持ちのいい静かな道を歩くのは、楽しい。森林に漂うかぐわしい香りは、心を落ち着かせてくれる(少し苦み走ったような針葉樹や、みずみずしく、かすかに甘酸っぱいような広葉樹)。峻厳で神々しい高山はもちろん、たとえ近郊の丘や低山でも…
土地によっては、日常の身近な背景に高い山が見えている。ただ景色の片隅に「見上げるような、雪を頂く山がある」というだけで、気持ちの上で何か良い影響があるようだ。
あしたはもう帰る日で、散歩に行けないかもしれない。だからこそ、今日の散歩は味わい深い。
→ 続きを読む
2025-07-01 コーシー/ミリマノフ多項式(その2) 根の実部 −1/2 について
Cauchy 型の分解 (x + 1)11 − x11 − 1 = 11x(x + 1)(x2 + x + 1) E(x) において、
E(x) = x6 + 3x5 + 7x4 + 9x3 + 7x2 + 3x + 1
の根のうち二つは −1/2 ± i⋅1.7023216604… つまり実部がちょうど −1/2。なぜ?
シンプルで基本的な事実のはずだが、どの文献にも記載がない。
→ 続きを読む
「チラ裏」は、きちんとまとまった記事ではなく、断片的なメモです…
2025年4月6日 1 + 1/22 + 1/32 + … = π2/6 の別証明
2025年1月16/19日 なぜ 1 + 2 + 3 + 4 は 5 の倍数か? / 12 + 22 + 32 + 42 + 52 も 5 の倍数
フォン・シュタウト&クラウセンの定理
2025年1月11日 Verlaine の「秋のうた」 日本語訳3種+原文解説
2024年6月11日 Linux の Live OS 気軽にいろいろ試せるよ
2024年4月11日 正17角形は作図可能? 複素数を使わない気軽な散策
2024年1月12日 十六元数の零因子 君は 0 を割ることができるか?
初等的証明に成功! 世界初かも?
2024年1月17日 Moufang 恒等式の同値性 初等的証明
これも(ネットでは)世界初かも。教科書的には autotopism を使うのだが、そんなややこしい概念は必要ない。
Map
の長所、splice
より速い要素挿入法も紹介。 〔最終更新: 2023年4月1日〕bdi
要素と Unicode 6.3 の新しい双方向アルゴリズム (2012-12-04)dir
属性は落とし穴が多い。HTML5 の <bdi>
は役立つ。近い将来、「ユーザー入力欄などの語句は、このタグで隔離」が常識になるかも。 〔最終更新: 2014年4月27日〕fad()
は濁りやすい。各種の代替手段を紹介。Tor Browser
プライバシー志向のブラウザ。監視・追跡されずにウェブページを閲覧。「個人情報を登録したサイト」にこれでログインしてはいけない。
BES, Battle Encoder Shirasé 1.7.10 (March, 2025) & 1.8.0.39: Per-Process CPU Limiter (archive)
a3r (ASS_Help3r): ASS timing/typesetting v0.2.0.0-20250511 (archive)
75C0 706B 3CD0 B5D0
]