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2024-11-30 アイゼンシュタインの第二証明(続き)
大学入学後、まだ10カ月目の一年生。だが彼の「砂時計」の残り時間は「8年半」。病弱だった天才は、自分には時間がないことを本能的に察していたのだろうか?
21歳になったアイゼンシュタインの、たった2ページ半の論文は、簡潔過ぎるとすら感じられる。
前回に続き、原論文末尾の部分(第二補充法則の別証明)を検討する。それは1844年5月、ベルリンで記された。ガウスの第六証明の簡単化。――ガウスの「第三」を簡単化したアイゼンシュタインの第三証明は、今でも世界中の教科書に載っている。あれが書かれる2カ月ほど前。
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2024-11-28 アイゼンシュタインの第二証明と第二補充法則
1 の 8 乗根を利用した第二補充法則の証明については、既に現代的に整理したが(予想の 45° 斜め上をいく √ i の活用!)、あえて19世紀のアイゼンシュタインの第二証明を読む。この古風な証明は、クロネッカー記号について、ある種の洞察を与えてくれる。
x8 = 1 の解、つまり 1 の 8 乗根は、八つある。そのうち四つは明らか: 1 自身も 8 乗すれば = 1 だし、 (−1)8 も = 1。さらに i4 = (−1)2 = 1 だし (−1)4 も = 1 なので (±1)8 = 1 となり、 ±1, ±i の四つは 1 の 8 乗根。残りの四つは、それほど明らかではない。
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2024-11-27 手塚治虫の「まんが十訓」
最初に、匿名フリーメール cock.li の現状(追記)ですが、25日 6:59:33 UTC の署名を最後に、現在27日の 23:40。「最長48時間ごと」の期限をだいぶ超過してますが、 Under no circumstances will we let this canary go 48 hours without changing the "Date updated" above
なので、現地時間で28日にならないうちに更新されればセーフということなのか……?
まあ気楽に。悩んでも、悩まなくても結果は同じ。心配するだけ時間が損。
〔追記2〕 28日 4:42:36 UTC に約20時間遅れで更新された。
さて、手塚(手塚)の「十訓」をご存じですか。これが載った原作は講談社の全集・全400巻には収録されていないのですが、385巻『手塚治虫のまんが専科』の中で「じつはね、この十訓はぼくが二十三、四歳のころにつくった」「この十のちかいを、ぼくはずっと守ってきた」として引用されています。
一、仕上げは最後の五分間 なんどもみなおし、手をいれよ
二、よく読み、よく描き、習うべし 努力せぬ絵はながくなし
三、みたり、きいたり、ためしたり 思わぬときに案がでる
四、弘法筆を選ばずも ペンと紙とはよく選べ
五、人のまねするおろかもの 天知る、地知る、読者知る
六、絵ばかりかけて案知らず 一人前だといばる人
七、できたらつとめて人にみせ ひとりよがりはさけるべし
八、案は作者の鏡なり みにくいまんがや古い案
九、短気はソン気 根気よく長編まんがを描きあげよ
十、入選安心まだならぬ 死ぬまで努力おこたるな
以上
「漫画家としての自戒」なのですが、その考え方は漫画に限らず、いろいろな分野、あるいは生き方そのものにも適用可能でしょう。思うに「仕上げは最後の五分間」は、文字通りの五分間だけではなく、これが「最後の五分間」と心して妥協しない、もう一度「あと五分だけ」、そして「ホントの最後の五分間」、「さらに最後の五分間」……というふうに、続くのではないでしょうか。
手塚治虫は、一般的には子ども向けの「健全」で「ヒューマニスト」な漫画家として有名ですが、実際には大人向けの作品もたくさん描いていますし、性的描写はもちろんのこと、どぎついもの、変てこなもの、実験的な作品も少なくないのです。
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2024-11-26 匿名フリーメール cock.li の現状 「デス・スイッチ」
Cockmail(cock.li)は、2024年11月12日付けで「レッドアラート」を宣言。このメールサービスについて、これまで何度か紹介したので、状況について簡単にコメントしたい。
何らかのトラブルで、現在、新規登録とパスワード変更ができないという。既存ユーザーから見ると、少なくとも onion のウェブメールは、今まで通り普通に使える。運営者は、政府あるいは大きな組織から、何らかの圧力を受ける可能性があることを示唆している。「個人が自由に、電話番号などの個人情報を確認されずにメールアカウントを持つこと(かつては当たり前にできたこと)を、幾つかの国の政府は好まない」と述べている。
運営者は現在、「自由のカナリア」を掲載している――その内容は「Cock.li のハードウェアは、現在100%、運営者自身の管理下にある。別途連絡があるまで、このメッセージは最長でも48時間ごとに更新される」というもの。
一種の「デス・スイッチ」だ。もしハードが押収されたり、身柄を拘束されたり、設備へのアクセスが制限されたりした場合、「カナリア」が更新されなくなるので、ユーザーは「何かあった」と知ることができる。
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2024-11-23 ガウス和からの cos 72°
cos 72° = (−1 + √5)/4 と cos 36° = (1 + √5)/4 をガウス和から求めることもできる。
古来からの伝承によると √5 = 2.2360679… の語呂合わせは「富士
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2024-11-22 ガウス和の平方(その2の続き) 証明の完成
1 の p 乗根 z についてのガウス和を S とすると、 S2 は p または −p に等しい(p は 3 以上の素数)。
この定理について、「素朴な観点からの証明」があと一歩で完成……というところで話がそれ、先に風変わりな別証明を紹介し、さらに別の「神の証明」(定理2参照)を紹介した。多重の総和記号が入り乱れ、一般向けとは言いかねる面もあった。素朴な観点に立ち返り、 S2 を展開して指数ごとに項を数える、という単純な発想からの証明も完結させておく。
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2024-11-20 「神の証明」の簡単化についての覚書 ガウスの第六証明
前回紹介した「第六証明」のアレンジは、 Erdős のいう「神の証明集」に基づく(それぞれの定理について、最もエレガントな証明法を集めた天界の書物)。美しい証明には違いないが、振り返ると、幾つか「もっと簡単にできるのでは」と思われる部分もある。
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2024-11-19 相互法則: ガウスの第六証明・現代版
「平方剰余の相互法則の第六証明」を現代化した形で記す。アイゼンシュタイン版(1844年)と比べさらに透明で、ほとんど一点の曇りもない。
「30日の月の
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2024-11-17 相互法則: ガウスの第六証明・アイゼンシュタイン版
平方剰余の相互法則は、数論の最重要テーマの一つ。法則自体もネット社会の一つの基礎ツールだが(Jacobi 記号など)、何より、法則をいろいろな角度から検討する過程で、新たな境地が開けてきた。ガウスは六つの証明を公開したが、現代の初等整数論では、第三証明のアイゼンシュタイン版やそのバリエーションが紹介される。第三証明は平易でアクセス性が高い半面、処理がトリッキーで天下り的。
「ガウスの第六証明のアイゼンシュタイン版」を紹介する。
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2024-11-15 予想の 45° 斜め上をいく √ i の活用
問題 x = 6, y = 2 は x2 = 17y + 2 を満たす。 x = 7, y = 3 は x2 = 17y − 2 を満たす。では、次のそれぞれを満たす整数 x, y があるか?
あ x2 = 7y + 2 ア x2 = 7y − 2
い x2 = 13y + 2 イ x2 = 13y − 2
う x2 = 19y + 2 ウ x2 = 19y − 2
「あ」は試行錯誤でも、簡単に解が見つかる: (3)2 = 7(1) + 2 だっ!
試行錯誤で解を見つけられれば、「解がある」と言い切れる。けどもし「解がない」場合、どうやってそれを示せばいいのだろう。「全部の可能性を試したけど、解はありませんでした」というのも一つの方法だが、可能性がいっぱいあったら全数チェックは大変だし、可能性が無限にあったら全数チェックは不可能。
この種の一見たわいもない「整数の問題」が、「虚数単位 i の平方根」によって解明されるというのは、意表を突く。
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2024-11-13 優しいおじいさんゲーマーのアドバイス こうかは ばつぐんだ!
「Not Always Right」の最近(2024年)の投稿を二つ紹介。一つは米国、一つはスウェーデンから。
米国、ビデオゲームの小売店にて。
買い取りもやってるゲーム屋で働いてる者です。男の子(12歳くらいかな?)が、中古ゲームの山持って、来たんです。
男の子「これ、いくらくらいで売れますか。できれば新しいマリオのやつ、買いたいんですが…」
私「うーん、このポケモンは、多少値段が付けられるかもしれないけど、他のやつは数セント(10円以下)にしかならないだろうなぁ。箱あったら、もうちょっと出せるかもしれないけど」
男の子「そうですか…。すいません、お邪魔しました」
男の子は礼儀正しく、持ってきたソフトをまとめて帰りかけたんですが、そのとき、年配の客(推定60台後半)が、こっちに走ってきたんです。
おじいさん(興奮して)「それ、ハートゴールド?」
男の子「えっ…。あ、はい」
おじいさん「ありがたいっ! おれ、ソウルシルバー持っててね、ペアでそれが欲しかったんだよ!」
男の子「お孫さんへのプレゼントですか」
おじいさん(ふざけて怒ったふりをして)「寝ぼけちゃいかんよ、君ぃ!
お れ さ ま 用 だぜっ!」男の子「ポケモン、やるんですか?!」
おじいさん「1996年からずっとな!」
男の子「うわぁぁ! っていうか普通…やめるんじゃないんですか、その、年を取ったら?」
おじいさん「君、いいこと教えてあげるよ――少なくとも、おれの人生じゃ、これは役立つアドバイスだった。あのね、年を取ったら遊ぶのをやめるっていうのは、間違いでね。遊ぶのをやめるから年を取るの」
男の子「おおぉぉぉ!」
おじいさん「いつまでも遊ぶんだよ、ね!」 (私に)「その子が欲しがってるマリオ、いくら?」
私「59ドル99です」
おじいさん(男の子に)「よし、じゃ60ドルで買うよ」
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2024-11-11 正八角形と √ i 基礎と応用(第二補充法則)
√−1 つまり「2 乗すると −1 になる数」は、数直線上のどこにも無い。
1次元の「数直線」から、2次元の「数平面」に世界を広げると、 √−1 は原点から 90° の方角の、距離 1 の場所にあり、しばしば記号 i で表される(「方角」は 0 を中心に +1 がある向きを 0° として、反時計回りに)。
では i のそのまた平方根―― 2 乗すると i になる数――は、何か。 √ i とか −√ i と書くことは可能だが、具体的には:
√ i = √2/2 + i⋅√2/2
この数は 2 乗すると i なんで 4 乗すると −1 になり、 8 乗すると 1 になる。それ自体としても何となく面白いが、この数を使うことで、古典数論のややこしい問題が軽妙に解決する。
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2024-11-10 正七角形のいんちき作図法(その4) 馬脚
画像は、 gnuplot が捉えたいんちき作図の実態。
座標 (−0.9, 0) の点 Q を通る垂直線と、単位円の交点を D, E として、その DE の長さを一辺とした場合、本物の正七角形と比べ、ほんの少し辺が長過ぎるようだ…。
その結果、もしコンパスの幅を DE に固定して、頂点 C, B, A を順々に(時計回りに)作ると、 A はちょうど (1, 0) にならず、わずかに第4象限にはみ出す。
画像を拡大すると、肉眼でも確認できる――(自称)正七角形の緑の辺 AB の A は、横軸(青)に重ならず、横軸を(微妙だが確かに)オーバーランしているっ!
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2024-11-09 ガウス和・別証明 クロネッカー博士の異常な足し算 または 私はいかにして心配するのをやめ三重和を愛するようになったか
「毎月の2日・4日・6日・8日・10日・12日・14日(最初の七つの偶数日)は、全部曜日が違う」――日常生活に潜むこの単純な現象を「当たり前」と感じるか、それとも…?
3・6・9・12・15・18・21日(最初の七つの 3 の倍数日)にも、同じ曜日はない。――これらの現象自体は、カレンダーを見るなりメモ用紙に書くなりして、簡単に確認できるだろう。
同様のことは一般に「n の倍数日」(n: 任意の整数)について成り立つ; 例外として n が 7(あるいは 7 の倍数)の場合だけは、全部同じ曜日になってしまう(曜日は 7 日周期で同じになるので、この例外は、まぁ当たり前)。
もしも曜日の数が六つ(日~金の繰り返し)だったり、八つ(日~土の後に「天曜日」がある)だったりすると、状況は激変: 最初の六つないし八つの偶数日は、曜日がばらばらにならない。一方、もしも曜日の数が九つ(「天曜日」の後に「海曜日」がある)だと、最初の九つの偶数日は曜日がばらけて、再び秩序が回復する(ように思える)。もしかして、曜日の数が偶数だと駄目で、奇数だとうまくいく…?
いや、奇数でも、曜日の数が九つの世界では「最初の九つの 3 の倍数日」は、曜日がばらばらにならない!
では結局、曜日ばらばら現象が起きるためには、曜日の数は 7 でなければ駄目なのかっ?
そうではない。曜日の数が 5 や 11 でもうまくいく!
一体 5 や 7 や 11 の何が他と違うのかっ?
素数だよ、ベイビー! 素数の「素」はすてきの「す」。ってなわけで、このメモでは Ireland & Rosen [4] に従って、ガウス和についての別証明を紹介する――数学専攻・大学院生向けの証明をそのまま紹介するんじゃ「遊びの数論」にならんので、「曜日ばらばらの原理」を使い、ほとんど何も予備知識が必要ないようアレンジ。
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「チラ裏」は、きちんとまとまった記事ではなく、断片的なメモです…
置換 y = x + 1/x を使って16次方程式 x16 + x15 + ··· + x + 1 = 0 を解く
三重根号の簡約
√(10 + 2√) + √(5 + 2√) = √(25 + 10√)
tan2 20° + tan2 40° + tan2 80° = 33
複々素数の不思議な割り算 乗除の奇妙な冒険
14 + 24 + ··· + n4 = n(n + 1)(2n + 1)(3n2 + 3n − 1)/30
2024年1月12日 十六元数の零因子 君は 0 を割ることができるか?
初等的証明に成功! 世界初かも?
2024年1月17日 Moufang 恒等式の同値性 初等的証明
これも(ネットでは)世界初かも。教科書的には autotopism を使うのだが、そんなややこしい概念は必要ない。
2024年2月7日 ゾクッとする式・きれいな式 tan2 20° + tan2 40° + tan2 80° = 33
2024年3月3日 一辺 1 の正五角形の面積 算数バージョン
2024年3月27日 五・六・十角形の恒等式 現代とは違う感覚
2024年4月11日 正17角形は作図可能? 複素数を使わない気軽な散策
2024年6月3日 arctan 1 + arctan 2 + arctan 3 = π 三角形の内心
2024年6月11日 Linux の Live OS 気軽にいろいろ試せるよ
2024年9月24日 「1 の5乗根」について (x2 + x/2 + 1)2 の利用
2024年10月10日 x17 = 1 の代数的解法 ガウスの式の応用
2024年11月9日 ガウス和・別証明 クロネッカー博士の異常な足し算 または 私はいかにして心配するのをやめ三重和を愛するようになったか
Map
の長所、splice
より速い要素挿入法も紹介。 〔最終更新: 2023年4月1日〕bdi
要素と Unicode 6.3 の新しい双方向アルゴリズム (2012-12-04)dir
属性は落とし穴が多い。HTML5 の <bdi>
は役立つ。近い将来、「ユーザー入力欄などの語句は、このタグで隔離」が常識になるかも。 〔最終更新: 2014年4月27日〕fad()
は濁りやすい。各種の代替手段を紹介。 Tor Browser
プライバシー志向のブラウザ。監視・追跡されずにウェブページを閲覧。「個人情報を登録したサイト」にこれでログインしてはいけない。
BES, Battle Encoder Shirasé 1.7.9 & 1.8.0.31: Per-Process CPU Limiter (archive)
a3r (ASS_Help3r): ASS timing/typesetting v0.2.0.0 (archive)
75C0 706B 3CD0 B5D0
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