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2025-05-19 ジラルの4乗公式(プチ・バージョン) 4次元はちょい苦手
ジラル(Girard)の公式のうち、「2乗」はたわいない。例えば:
a2 + b2 = (a + b)2 − 2ab
「3乗」はそれより複雑だが、少し考えれば見通しが利く。しかし「4乗」やそれ以上は、式が複雑な上、「4次元」が絡むせいもあって「真意」がつかみにくい!
a4 + b4 + c4 + d4
= (a + b + c + d)4 − 4(a + b + c + d)2(ab + ac + ad + bc + bd + cd)
+ 4(a + b + c + d)(abc + abd + acd + bcd) − 4abcd + 2(ab + ac + ad + bc + bd + cd)2
ニュートン的マクロ Pm = am + bm + cm + dm を利用すれば、形式的にこのような恒等式を扱うことは難しくないのだが、もう少し直接的に、上記の等式の「真意」に迫れないものか…
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2025-05-16 y4 + By2 + D について
y4 + By2 + Cy + D の形の任意の実4次式(C ≠ 0)は、実2次式の積に分解可能――それをオイラーは証明した。このことは「任意の実4次式(C ≠ 0)が同様に分解可能」という意味を持つ。実は C = 0 でも結論は変わらない。以下では C = 0 のケースを扱う。
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2025-05-13 オイラーの逆襲! おまえはもう解けている
方程式「おれの名前は u6 + Pu4 + Qu2 − C2 = 0。おれさまは難しぃんだぜ…。果たして実数解の存在を示すことができるかな?」
オイラー「u = 0 のとき、左辺は −C2。これはマイナスの数だ」
方程式「そうとも。 u = 0 は、おれさまの解じゃぁないね。さあ、どうした。左辺がゼロになるような実数 u を見つけてみろよ」
オイラー「u = ∞ のとき、左辺は ∞ だ」
方程式「はぁ~? 頭、大丈夫か、おい。 ∞ なんてのが解のわけねぇだろ?」
オイラー「値がマイナスから ∞ へと変化するから、必ずどこかでゼロになる」
方程式「な、何ッ?! き、きさま、一体何が言いたいっ?」
オイラー「証明終わり」
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2025-05-10 ゴールドバッハ、オイラーに賛成せず 真の友達は遠慮しない
「ゴールドバッハ予想」でおなじみゴールドバッハ(Goldbach)。
その予想とは、「4 以上の偶数は、どれも 2 個の素数の和で表される」というもの(同じ素数 2 個の和でも可)。現在(2025年)でも未解決の超難問である!
そんな難しい問題を考えたゴールドバッハは、さぞかし博識な学者だったのだろう――と思うのは自然なことだが、実はゴールドバッハは、もともと数学が不得意で、ニコラウス・ベルヌーイとの会話に全くついていけなかったと伝えられる。それでも数論特有の面白さ・美しさに引かれたらしく、ひょんなことからオイラーと友達になり、多くの手紙をやりとりした。「ゴールドバッハ予想」は、その文通の中で記された。
さて、ニコラウスは「係数が実数の範囲において、4次式はそれ以上分解できないこともある。例えば x4 − 4x3 + 2x2 + 4x + 4 がその例だ」と主張し、オイラーを動揺させた。オイラーは、この例が実は分解可能であることを突き止め、そのことを本人に伝えた他、ゴールドバッハへの手紙にも記した。
だがゴールドバッハは、「さすがオイラー君。やっぱり君の考えは正しかったんだね!」な~んてくだらないことは言わず、それどころか「4次式はいつでも因数分解できるって主張は、自分もどうかと思うぞ?」と率直な意見を言い、「例えば x4 + 72x − 20 を分解できるか?」と厳しい指摘をしてきた。
ゴールドバッハが挙げた例は項が三つしかなく、一見、ニコラウスの挙げた4次式より簡単そうに見えるが、はてさて…
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2025-05-08 4次方程式の解法 無限の夢幻
一般の4次方程式の解き方を紹介する。「4次方程式って、どうやって解くの?」という素朴な好奇心でご覧になってもいいし、あるいは、その背後に潜む「謎」に思いをはせるのも、また一興。
「n 次式は、複素数の範囲で必ず n 個の根を持つ」という事実は、感覚的には「まあ、そうでしょう」と流せる(当たり前のようで、実はすごいことなのだが)。しかし「3次方程式・4次方程式は代数的に解けるが、5次方程式以上は一般には解けない」というのは、深遠な話だ。「解が存在する」と証明されている。そこまでは、いい。同時に「一般に、その解を代数的に求めることは不可能」ということも証明されている!
存在するけど、触れることはできない。触れることはできないけど、存在している…。なんとなく、なんつーの、ちょっと「もどかしい」。理不尽。不思議。
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2025-05-06 実数解のない方程式を分解できるか?
x2 = −1 つまり x2 + 1 = 0 を満たす実数 x は存在しない(解は虚数 x = ±√−1)。それより複雑だが、
x4 − 4x3 + 2x2 + 4x + 4
も、実数の根を持たない。
では「実数の根を持たないのだから、この4次式は、実数の係数の範囲では因数分解できない」という結論になるだろうか?
この問題は、見かけよりはるかに深く難しい。「代数学の基本定理」とも関連し、 Euler 自身にも結局、完全な証明はできなかった。何回かに分けて、この深い森の入り口あたりを散策してみたい。
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2025-05-03 忘れられた偉人ヒルシュ ジラルの公式を越えて
19世紀のドイツで活躍した数学者ヒルシュ(Hirsch)は、ほぼ忘れられてしまった存在だ。ヒルシュが書いた教科書は、当時はものすごいロングセラーだったらしい。1804年に初版が出て、亡くなった後にも改訂が続き(誤植の修正などだろう)、没後約40年の1890年に第20版が出ているという。何世代にもわたって、ドイツの学生はこの本で代数などを学んだのだろう。
奇才ジラル(Girard)――フランスで生まれたが、この人もいろいろ苦労したらしく、人生の大部分をオランダで送った――が記述した「根の4乗和までの明示的公式」。それをヒルシュは「10乗和」にまで拡張した。このメモでは「7乗和」までを扱う。
A5 − 5A3B + 5A2C − 5AD + 5E + 5AB2 − 5BC
のような、一見複雑怪奇な公式たちのパターンを理解し、この式が「当たり前」と感じられるような境地を目指したい。用例として取り上げるネタは、ちょっぴりマニアック:
<例> x4 − 4x3 + 2x2 + 4x + 4 = 0 の4解を a, b, c, d とする。 a6 + b6 + c6+ d6 を求めよ。
<例> a + b + c = 0 のとき (a7 + b7 + c7)/7 =
(a5 + b5 + c5)(a2 + b2 + c2)/10 が成り立つことを示せ。
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2025-04-30 答えはぁッ! 3分の2より! 小さいッ!
漫画「ジョジョの奇妙な冒険」第6部では、次の問題が「かなりヘビーなクエスチョン」と呼ばれている:
1/2 + 1/4 + 1/8 + 1/16 + ···
という足し算の結果は 1 に「
次の和は、それに似てるが、もっと難しい:
1/1 + 1/4 + 1/9 + 1/16 + 1/25 + ··· = ?
(注: 分母は 1 × 1, 2 × 2, 3 × 3, ··· と増える)――数学史に残る難問で「バーゼル問題」と呼ばれる。答えは「円周率の2乗の6分の1」という全く予想外のもの。簡単には証明できない。けど「この和が 1 + 2/3 より小さい」ってとこまでは、小学生の算数だけで証明できる。
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2025-04-30 日本のPCユーザー4人に1人は既に脱Google
デスクトップ検索エンジンのマーケットシェア(2022年~2025年)。 Google は 65~75% 程度。2025年3月、日本では 74.15% だったそうです。北米・ヨーロッパでも 75% 前後。
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2025-04-28 「自由の乱用」の甘受 vs. 「不自由」の甘受
自由なやり取りの保障には、その自由が悪用・乱用されるリスクが付きまとう。「自由」が生むものは、良いことばかりではないであろう。しかし「自由なやり取りができない社会」、つまり「監視社会・全体主義」というのも、良いものではない。では、自由を乱用する者の存在を甘受して、全員が大きな自由を持つべきか。それとも、自由の乱用を防ぐために、全員が不自由を甘受するべきか。
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2025-04-27 π16 を暗算して B16 を求める 変な解法・素直な計算
ベルヌーイ数は、表面的には 110 + 210 + 310 + ··· + 1010 のような計算に役立つ。深いレベルでは「ほとんど奇跡的」ともいわれる美しい性質を秘める。
小さい番号のベルヌーイ数(B2 = 1/6 など)を求めることは、難しくない。このメモの前半では、一種のゲリラ戦法で B16 = −557/3617 を暗算する(あまり意味ないけど、ちょっと面白い)。後半では、定義に則した真面目な計算で B10 までを導出。
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2025-04-24 コタンジェント(cot)プチ入門 バーゼル問題への橋渡し
三角関数の変数名としてよく使われる θ は、ギリシャ文字の「テータ」(θῆτα = theta)。英語風に「シータ」と読まれることも多い(英語風では th は think の子音。古典ギリシャ風では th は t の帯気音で、日本語の「タ・テ・ト」の子音と同様)。余談→「天空の城ラピュタ」で空から降ってきた子の名前も「シータさん」ですが、国際版(字幕・吹き替え)では Sheeta となってたようです。
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2025-04-22 ニュートンから見たジラルの4乗和公式
ジラルの公式 p4 = a4 + b4 + c4 + d4 = A4 − 4A2B + 4AC + 2B2 − 4D は、ニュートンの立場からは、
p3 = A3 − 3AB + 3C の A 倍
p2 = A2 − 2B の −B 倍
p1 = A の C 倍
p0 = 4 の −D 倍
の和に過ぎない。
a, b, c などの直接操作によりこの導出を再実行し、具体的な例題も幾つか考えてみたい。
↓ ありがちな難関校受験問題(?)も、一目で解決(笑)
応用問題 実数 a, b, c が a + b + c = 0 を満たすとき、 a4 + b4 + c4 = 2(ab + ac + bc)2 を示せ。
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2025-04-21 ジラルの公式の拡張と分析 5乗和は5がいっぱい
「2乗の和」に関する a2 + b2 = (a + b)2 − 2ab は基本的な式で、常用される。一つ上の「3乗の和」の式、
a3 + b3 + c3 = (a + b + c)3 − 3(a + b + c)(ab + ac + bc) + 3abc
も基本的だが、比較でいえばやや複雑。実は単純な原理から派生し、仕組みが分かると「当たり前」。
ジラル(Girard)という研究者は、「根の4乗和」までの式を記した。ニュートン形式を利用すると、ジラル形式を容易に5乗和に拡張できる。結果を得たとき、 A5 以外の項の係数が全部 5 なので、びっくり。
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「チラ裏」は、きちんとまとまった記事ではなく、断片的なメモです…
2025年1月16/19日 なぜ 1 + 2 + 3 + 4 は 5 の倍数か? / 12 + 22 + 32 + 42 + 52 も 5 の倍数か?
フォン・シュタウト&クラウセンの定理
2025年1月11日 Verlaine の「秋のうた」 日本語訳3種+原文解説
2024年12月17日 28乗根(28角形)を巡る幾つかの話題
sin (π/7)
=
−√7/6
+
(6√7)/12⋅(3√(52 + 12√) + 3√(52 − 12√))
2024年6月11日 Linux の Live OS 気軽にいろいろ試せるよ
2024年4月11日 正17角形は作図可能? 複素数を使わない気軽な散策
2024年1月12日 十六元数の零因子 君は 0 を割ることができるか?
初等的証明に成功! 世界初かも?
2024年1月17日 Moufang 恒等式の同値性 初等的証明
これも(ネットでは)世界初かも。教科書的には autotopism を使うのだが、そんなややこしい概念は必要ない。
Map
の長所、splice
より速い要素挿入法も紹介。 〔最終更新: 2023年4月1日〕bdi
要素と Unicode 6.3 の新しい双方向アルゴリズム (2012-12-04)dir
属性は落とし穴が多い。HTML5 の <bdi>
は役立つ。近い将来、「ユーザー入力欄などの語句は、このタグで隔離」が常識になるかも。 〔最終更新: 2014年4月27日〕fad()
は濁りやすい。各種の代替手段を紹介。Tor Browser
プライバシー志向のブラウザ。監視・追跡されずにウェブページを閲覧。「個人情報を登録したサイト」にこれでログインしてはいけない。
BES, Battle Encoder Shirasé 1.7.10 (March, 2025) & 1.8.0.39: Per-Process CPU Limiter (archive)
a3r (ASS_Help3r): ASS timing/typesetting v0.2.0.0-20250511 (archive)
75C0 706B 3CD0 B5D0
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