妖精現実



最新記事 cos π/7 正七角形の七不思議・補遺(2022-05-08)

[ 新着記事 | 数学・プログラミング | 天文・暦
| シリア語・Unicode・詩 | ジョーク | 漫画・アニメ
| 字幕 | 哲学・ファンタジー | 全記事 | チラ裏 ]

チラ裏

「チラ裏」は適当な走り書き。誤字・誤記・脱線が多いです!

***

2022-06-24 小学生の「ユークリッドの補題」 フェルマーの小定理への道④

前回の続き。フェルマーの小定理の証明を完成させよう。パズルの最後のピースは「絞り込みの術」の証明だった。

「秘技」絞り込みの術(ユークリッドの補題) 整数 X, Y の積 XY が、整数 Z で割り切れるとき、もし X と Z が互いに素なら、Y が Z で割り切れる。

「優等生タイプ」の人は、上記について「素因数分解を考えれば当たり前」と感じるかもしれない。その感覚は間違ってはいないのだが、通常「素因数分解ができること」自体が「絞り込みの術」を使って証明されるので、素因数分解を使って「絞り込み」を証明すると、論理的に堂々巡りになってしまう。公式を暗記して適用するような学校的発想では、この秘技の会得は難しいかもしれない…。

【1】 「秘技」を証明するエレガントな方法は、Hardy & Wright がやったようにバシェ/ベズの定理を使うことだろう。だが、その方法は、高い視点がないと、真意が分かりにくい。

以下では、小学生の算数のような、シンプルで愚直なショートカットを紹介する。「特別な知識」も「暗記力」も「高度な理解力」も必要ないが、若干の「粘り強さ」と「繊細さ」を要求される。とりあえず必要なのは、次の基本性質だけ。

倍数の基本性質 整数 a, b の公倍数は、どれも a, b の最小公倍数 L = lcm(a, b) の倍数。ただし a も b も 0 以外とする。

〔例〕 2 と 3 の公倍数は 0, ±6, ±12, ±18, … だが、どれも L = lcm(2, 3) = 6 の倍数(最小公倍数 L の、そのまた倍数)。0 も L の倍数だし(0倍)、L = 6 自身も L の倍数(1倍)。

〔注〕 ここでは「正の公倍数のうち最小のもの」を最小公倍数と呼ぶことにする(0 も公倍数だが、正でないので「最小公倍数」とは認めない)。「倍数の基本性質」の正しさについては、下記【4】で証明する。

【2】 「倍数の基本性質」から、次の補助定理が出る。

補助定理 2個の整数 X, Z が互いに素なら、X, Z の最小公倍数は |XZ| に等しい。ただし X も Z も 0 以外とする。

〔注〕 整数の世界において、2個の数が「互いに素」というのは「±1 以外の公約数を持たないこと」。「正の公約数のうち最大のもの」を最大公約数と呼ぶことにすると、「互いに素」とは「最大公約数が 1」という意味。

〔例〕 X = 6 と Z = 5 は互いに素なので、それらの最小公倍数は |6 × 5| = 30。

「最小の正の公倍数」を最小公倍数と定義しているので(そして、倍数であるかないかは正負と無関係なので)、負の数が含まれる場合、単に符号を無視すればいい。

〔例〕 a = 6 と b = −5 の最小公倍数も |6 × (−5)| = |−30| = 30。絶対値記号は「符号を無視する」という意味。

補助定理の証明 X, Z の最小公倍数を L = lcm(X, Z) とする。L は X の倍数なので、何らかの整数 a を使って
  《さ》 L = aX
と書ける。L は Z の倍数でもあるので、何らかの整数 b を使って
  《し》 L = bZ
とも書ける。さて XZ は、もちろん X と Z の公倍数だが、果たして最小公倍数だろうか。倍数の基本性質によれば、公倍数(この場合 XZ)は最小公倍数(この場合 L)の倍数なので、何らかの整数 k を使って
  《す》 XZ = kL
と書ける。

《す》の右辺の L に《し》を代入しよう。
  XZ = k(bZ) その両辺を Z で割ると:
  《せ》 X = kb

《す》の右辺の L に《さ》を代入しよう。
  XZ = k(aX) その両辺を X で割ると:
  《そ》 Z = ka

《せ》《そ》から、X も Z も k の倍数であることが分かる。言い換えれば k は X, Z の公約数。ところが、定理の仮定によれば X, Z は互いに素なので、それらの公約数は k = ±1 に限られる。これを《す》に代入すると:
  XZ = (±1)L = ±L
つまり XZ と L = lcm(X, Z) は、プラスマイナスの違いを無視すれば値が等しい。最小公倍数の定義から L は正なので、L = |XZ|。これが証明したいことだった。□

【3】 上の補助定理を使って「秘技」を証明できる。証明したい内容を整理すると:

  • 《た》 XY が Z で割り切れると仮定する。従って Z ≠ 0
  • 《ち》 X と Z が互いに素と仮定する。
  • 《つ》 「Y が Z で割り切れる」ことを示したい。

仮定《ち》により X と Z は互いに素なので、もし X ≠ 0 なら、補助定理から、X と Z の最小公倍数はこうなる:
  《て》 L = lcm(X, Z) = |XZ|

さて、XY はもちろん X の倍数だが、仮定《た》により XY は Z の倍数でもある。つまり、XY は X と Z の公倍数。倍数の基本性質により、この公倍数 XY は L の倍数。従って、何らかの整数 n を使って、こう書ける:
  XY = nL
  右辺 の L に《て》を代入すると XY = n |XZ|
  符号の違いを無視すると XY = nXZ
  両辺を X で割ると Y = nZ
  両辺を Z で割ると Y/Z = n

つまり Y/Z は整数。言い換えると、Y は Z で割り切れる(符号の違いを無視しないなら Y/Z = n または −n だが、割り切れることに変わりない)。これで《つ》が示された。すなわち「秘技」(ユークリッドの補題)が証明されたのである!

*

…と言いたいところだが、証明の途中で X ≠ 0 という余計な条件が入っちまった。証明の終わり近くでも X で割り算するので、X ≠ 0 は(上記の証明では)必要な制限。

フェルマーの小定理の証明に関する限り、割り算の規則1の除数 c が X に当たる。0 で割り算はできないので、c ≠ 0 つまり X ≠ 0 という限定があっても、何も問題ない。とはいえ、X = 0 のケースを放置するのも気分が悪い。このケースはトリビアル(ばかばかしいくらい簡単)なので、ここで片付けておく。

X = 0 の場合の証明 まず「d が X の約数」というのは「X が d で割り切れること」、言い換えれば「d は 0 以外で、しかも dq = X を満たす q がその世界に存在すること」(例えば 2q = −6 は整数解 q = −3 を持つので、整数 2 は整数 −6 の約数)。X = 0 のとき、0 以外のどんな d もこの条件を満たす(q = 0 とすればいい)。だから X = 0 という数は無制限に大きい約数を持つが、Z の最大の約数は |Z| なので、
  gcd(X, Z) = gcd(0, Z) = |Z|
となる(仮定《た》により Z ≠ 0)。さて、仮定《ち》により X = 0 と Z は互いに素なので、gcd(0, Z) = 1。つまり |Z| = 1、要するに Z = ±1。どんな整数 Y も ±1 で割り切れるので、もちろん《つ》が成り立つ。□

*

【4】 倍数の基本性質「a, b の公倍数は、どれも a, b の最小公倍数 L の倍数」。このことは【1】以下で使ったが、まだ証明していない。何となく当たり前過ぎて、逆にどこから手を付けていいのか分からない感じもするが、超基本的なことから外堀を埋めていこう。

「超基本1」 A の倍数と、A の倍数の和は、再び A の倍数。A の倍数と、A の倍数の差も、再び A の倍数。

〔例〕 A の5倍(5A)と、A の3倍(3A)の和は、5A + 3A = 8A。差は 5A − 3A = 2A。どちらも A の倍数(それぞれ8倍と2倍)。

「超基本1」の証明 上の例の「5倍」と「3倍」を任意の整数倍に置き換えても、全く同様の議論が成り立つ。□

「超基本2」 A の倍数のそのまた倍数は、A の倍数。

〔例〕 A の5倍(5A)のそのまた3倍、つまり 5A × 3 = 15A は A の倍数(15倍)。

「超基本2」の証明 上の例の「5倍」と「3倍」を任意の整数倍に置き換えても、全く同様の議論が成り立つ。□

「超基本3」 a, b の公倍数と、a, b の公倍数の和・差は、再び a, b の公倍数。

証明 a, b の任意の公倍数 M は、もちろん「a の倍数」。a, b の任意の公倍数 N も、もちろん「a の倍数」。それらの和 M + N は「a の倍数」(超基本1)。…今言ったことは「a の倍数」を「b の倍数」に置き換えても、そのまま成り立つ。つまり M + N は「a の倍数」であり「b の倍数」でもあるから、a, b の公倍数。差 M − N についても同様。□

「超基本4」 「a, b の公倍数」のそのまた倍数は、a, b の公倍数。

証明 a, b の任意の公倍数 M は、もちろん「a の倍数」。そのまた倍数 kM は「aの倍数」(超基本2)。ここで k は任意の整数。…今言ったことは「a の倍数」を「b の倍数」に置き換えても、そのまま成り立つ。つまり kM は「a の倍数」であり「b の倍数」でもあるから、a, b の公倍数。□

当たり前のことばかりで、あくびが出てきたかもしれないが、今から最終ダンジョンに突入する。

倍数の基本性質の証明 a, b の最小公倍数を L とする。超基本4から、
  L の倍数は a, b の公倍数。
このとき、逆に…
  a, b の公倍数は L の倍数。
…と言い切れるか? 言い切れるのなら、倍数の基本性質が証明されたことになる。この「逆」の部分がラスボス。

a, b の公倍数 X が L の倍数ではない、なんてことは、あり得ねぇんだよ!」ということを証明して、ラスボスを倒すぜ。

もしも、そういう正の数 X が存在したらどうなるか。0L, 1L, 2L, 3L, 4L, … は無限に大きくなる数の列。X は「そのどれか」ではないというのだから、謎の数 X が存在するとすれば、それは(例えば 8L と 9L の間のように)どこかの nL と (n+1)L の間にある(n は、とある整数):
  nL < X < (n+1)L = nL + L
この不等式から nL を引き算すると:
  《と》 0 < X − nL < L

さて、nL は a, b の公倍数(超基本4)。X が a, b の公倍数だと言い張るのなら、そこから nL(それも a, b の公倍数)を引き算したものも a, b の公倍数(超基本3)。つまり不等式《と》の真ん中にある…
  X − nL
…という数は「a, b の公倍数」であり、しかも、不等式《と》があるので「L より小さい正の整数」ということになる。そんな数はあり得ねぇ…。だって L は最小公倍数。最小公倍数ってことは、a, b の最小の正の公倍数なんだから、それよりもっと小さい正の公倍数なんて、あるわけねぇじゃん。

要するに、「L の倍数ではない正の整数 X」が a, b の公倍数になるケースがあったとすると、「最小公倍数より小さい正の公倍数」が存在することになるが、それはあり得ない話なので、今言ったような X は存在し得ない。

同様に、「L の倍数ではない負の整数 X」が a, b の公倍数になることも、あり得ない。0L, −1L, −2L, −3L, −4L, … は無限に小さくなる数の列なので、そういう負の数 X があるとすれば、それはどこかの nL と (n+1)L の間にある(n は、とある負の整数)。従って、上と同じ不等式が成り立ち、同じ議論が成り立ち、「あり得ない」と結論される。□

案外あっけないラスボスだったぜ。

☆☆☆

以上で、フェルマーの小定理の証明が完成したが、まだ実感が湧かないだろう。いろんな命題(一つ一つは単純だが)が絡み合い、全体的な見通しが悪い。次回、話を整理し直して、もう少しすっきりさせたい。

「秘技」については、バシェ/ベズの定理を使う現代的でエレガントな証明も、研究する価値がある。だが、最も好奇心を刺激することとして、2000年以上前に、ユークリッドはどうやってこんなことを思い付き、証明したのだろうか

ユークリッド自身の証明法を研究してみるのも、面白そうだ…。(続く)

⁂

2022-06-22 英国の暗号通貨規制・良い面も 政府側がunhosted wallet擁護

EUや米国では、個人が自分でウォレットを持つこと(“unhosted wallet”=自己管理ウォレット)を問題視する動きがある。EUを離脱した英国でも、その方向の検討をしていたが、2022年6月、規制案を一部見直した。ハイライトは…

  1. 英国のクリプト規制。2022年9月施行予定。2023年9月まで1年間の猶予期間。英国外からの送金にも影響。規制対象事業者は、エクスチェンジと、ウェブ・ウォレット。それ以外(ソフト開発者など)は対象外。
  2. 事業者に対し、リアルタイムで「送金者情報」を政府に報告する義務を課す模様(FATFのトラベル・ルール。英国独自の規制ではない)。
  3. 「自己管理ウォレット」から顧客への送金があった場合に、事業者に対し、顧客から「送金者情報」を聞き出す義務を課すが、情報の正しさを確認する義務を課さない
  4. 合計約1000ユーロまでの取引は規制対象外。
  5. 英国政府は「自己管理ウォレット」を擁護。「多くの合法ユーザーが、ウォレットを自己管理している。自己管理ウォレットはウェブ・ウォレットより安全」という実情を指摘。

「Amendments to the Money Laundering […] Regulations 2017, Statutory Instrument 2022」による。
https://searx.mha.fi/search?q=MLRs_SI_2022_-_Consultation_Response_final
https://searx.mha.fi/search?q=%22United%20Kingdom%22+%22unhosted%20wallets%22

【1】 unhosted wallet(自己管理ウォレット)とは

暗号通貨(クリプト)は、もともと純粋にP2Pで運用され、各ユーザーが自分で自分のウォレットを管理するのが当然だった。後に、ユーザーに代わってウェブ経由でウォレットを使えるようにする一種の代行業者が現れた。今では「事業者のサーバーにホストされているウォレットを使うこと」が、そう珍しくもないらしい。

そのような「事業者がコントロールするウォレット」と対比して、ローカルマシン上でユーザー自身がコントロールするウォレットを、規制側の用語で unhosted wallet とか non-custodial wallet という。規制側の見解では、しばしば「リスクが高い存在」とされる。米国でも今月(2022年6月)、財務省高官が「自己管理ウォレットに関連する独自のリスク」と発言した。リトアニアでは「匿名ウォレット」を禁止する法案が審議されている。だが、現実には、ウォレットを自分で持つのは、昔も今もごく当たり前のことで、各種のソフトやハードウェア・ウォレットが一般的に使われている。現状、わざわざリスクの高いウェブ・ウォレットを使うのは、主に一部の初心者ユーザーだけだろう。

規制側の言う「リスク」は「持ち主が特定されていない=テロリストのウォレットかもしれない」といった抽象的なもので、一般ユーザーとは無縁の話だ。ユーザー視点では、むしろ事業者がコントロールするウォレットの方が、不便で危ない。英国政府も、その実情を指摘した。

The government does not agree that unhosted wallet transactions should automatically be viewed as higher risk; many persons who hold cryptoassets for legitimate purposes use unhosted wallets due to their customisability and potential security advantages (e.g. cold wallet storage), and there is not good evidence that unhosted wallets present a disproportionate risk of being used in illicit finance. Nevertheless, the government is conscious that completely exempting unhosted wallets from the Travel Rule could create an incentive for criminals to use them to evade controls.

「自己管理ウォレットの決済は、自動的にハイリスク視されるべきだ」という見解については、政府は同意しない。暗号資産を正当な目的で持つ多くの人たちが、自己管理ウォレットを使っている――背景として、自己管理ウォレットの方がカスタマイズ性が高く、潜在的にセキュリティー上も優れている(例えばコールド・ウォレット*1)。「自己管理ウォレットは、不正な経済活動の中で使われるリスクが特に高い」という十分な証拠もない。とはいえ、自己管理ウォレットを完全にトラベル・ルール*2の適用外にしてしまうと、犯罪者がそれを悪用するインセンティブが生じ得るという点について、政府は認識している。

*1 = インターネットにつながっていないウォレット。ハッキングされにくい。
*2 = FATF (Financial Action Task Force) の規制で、一定の場合、送金に本人確認が必要というもの。

事業者のサーバーのウォレットは、大規模なハッキングを受けたり、引き出しが停止されたり、投機的で乱脈な経営を行ったり、完全に破綻したりして、毎年のようにニュースになる。顧客からの手数料収入や市場操作で経営が成り立っていて、端的に言えば「顧客からお金をむしり取るビジネス」なのだから、事業者が顧客の財布をコントロールすることには、著しい利益相反がある。英国の今回の規制強化案も、事業者側の不正に対処する項目を含むが、pump and dump のような市場操作や、空売り疑惑は、依然として法的グレーゾーンだろう。

【2】 「鍵」が鍵

クリプトの世界には Not your keys, not your coins. ということわざがある。

「自分で鍵を持ってないなら、自分のコインではない」というのは、直接的には、秘密鍵がない限り送金できないからだが、より一般的に、暗号学上、「鍵を預託させたがる政府」と「暗号ユーザー側の強い抵抗」は何十年も前の古い論争であり、既に結論が出ている。GnuPG のマニュアルを引用しよう:

We think that Key-Escrow is a Bad Thing; however the user should have the freedom to decide whether to go to prison or to reveal the content of one specific message [...]. DON'T USE IT UNLESS YOU ARE REALLY FORCED TO DO SO.

われわれの考えでは、鍵の預託は悪いことである。しかしながら、ユーザーは「刑務所に行くか、(暗号化を解除して)特定のメッセージの内容を開示するか」を決める自由を持つべきだ。そうすることを真に強制された場合以外には(このオプションを)使ってはならない

そうしなければ刑務所行きになるような極端な場合に限って、鍵の預託を選択してもいい(言い換えれば、場合によっては、刑務所行きを覚悟で、鍵の預託を拒否する選択肢もあり得る)――開発者視点・ユーザー視点では、そのくらい強い拒否感を持たれている。

クリプトの文脈での unhosted は、そのような鍵の預託(一種の共有)よりさらに悪い――事業者だけが鍵を持ち、ユーザーは「自分の」ウォレットをコントロールできないという状況を含む。この場合、ユーザーが何も悪いことをせず、何も失敗しなくても、業者側のトラブル・ミス・傲慢・不正・破綻で、本来の利益や全財産を失う可能性がある。

〔例〕 2022年4月、P社は「メンテナンス中」と称して、客が買ったはずのコインの引き出しを停止。約70日後、相場が急落すると引き出しが再開された。「2カ月半のメンテナンス」という不自然さ、再開のタイミングから見て、客の金だけ取ってコインを買い付けず、空売りしていた可能性がある。

ビットコインのような場合、アドレスが固定されて持ち主が特定されると、別の種類のプライバシー上の問題もある。これは規制の問題でなく、ビットコイン自体の仕様の問題だが、「誰々のお財布には今いくら入っているか。いつ誰からいくら受け取り、いつ誰にいくら送ったか」が世界中からリアルタイムで丸見えになってしまう。

実際問題、規制側の懸念とは逆に、大それた金融不正が行われるとしたら、ピュアP2Pのプライベート・ウォレットではなく、中央の両替所(CEX)が舞台になる可能性が高い。CEXは業者なので、何万BTCのような、ものすごい額が現金取引されることもあるだろう。その中には、不審なお金もあるかもしれない。一方、中央を通さないピュアP2Pでは、個人と個人のやりとりなので、10ユーロ単位、100ユーロ単位のような少額のトレードや決済が多いと思われる。お題目の「資金洗浄・テロ資金」などということが本当にあるとしたら、10ユーロ単位のような話ではないだろう。

【3】 「顧客から送金者情報を聞き出す義務」

事業者が顧客に電話して「あなたが受け取った1000ユーロですが、送金者の身分証の写しを提出してください。それまで引き出せません」と通告したとする。

顧客が善意だとしても、この指示に従うことは、一般的には難しい。

クリプトが日常よく使われる場面の一つは、自由ソフト開発者などへの「寄付」。知らないユーザーが匿名で送ってくれた寄付なので、受け取った側も送金者が誰だか分からない。送金者が誰だか分かっているとしても、「寄付ありがとうございます。引き出しに必要なので、あなたの本人確認書類を送ってください」と頼むのは、常識的にどうだろう…。

例えば顧客が「私はヨルダン人の留学生です。これは本国からの仕送りです」と言ったら、どうなるか。「その家族の本人確認書類を送れ。それまでアカウント凍結」などとされたら、ユーザーから見て利便性が悪い。業者側から見ても、アラビア語の公的書類が送られてきたとして、有効なのか偽造なのか、判断に苦しむかもしれない。ヨルダンに国際電話をかけて「送金したか」と確認しようにも、国が違うので言葉が通じない可能性もあり、手間やコストも大きい。少額の取引も含めて全例でこのプロトコルが義務付けられたら、事業として成り立たないだろう。

送金側だけでなく、受け取り側も本人確認が必要となると、さらに話がややこしくなる。

今回、英国政府は、少し奇妙だが興味深い妥協点を示した。「事業者は、送金者情報を収集する義務を負うが、情報の正しさを確認する義務を負わない」というのだ。

[T]he government has modified its proposals with regard to unhosted wallets. Instead of requiring the collection of beneficiary and originator information for all unhosted wallet transfers, cryptoasset businesses will only be expected to collect this information for transactions identified as posing an elevated risk of illicit finance.

政府は自己管理ウォレットに関して、案を変更した。自己管理ウォレットとの全取引について受取人・送金者双方の個人情報収集を義務付けるのではなく、暗号資産事業者は、不正資金であるリスクが高いと認められる一部の決済に限って、この情報を収集するものとする。

「不正資金であるリスクが高い」の判断基準は法律で別途定めるとしている。合計1000ユーロまでの少額取引は原則対象外だが、リスクの判断基準に、ブロックチェーン分析が含まれるかどうかは、はっきりしない。

To require that the collected information is verified would present practical difficulties for both the users of cryptoassets and cryptoasset businesses. For example, if a beneficiary was asked to verify information provided on the originator, they could be expected to submit official documents proving the originator’s address, date and place of birth etc. This would, in many cases, not be practical.

収集した情報の確認を義務付けるとすると、暗号資産ユーザーと暗号資産ビジネスの双方にとって、実用上の問題が生じてしまう。例えば、もしも受取人が送金者情報の正しさを確かめるように求められるとしたら、受取人は送金者の住所・生年月日・出生地などを証明する公的書類を提出しなければなるだろう。それは多くの場合、現実的でない。

この英国の立場は、常識に立脚したものだが、半面、「尋ねるだけ尋ねて、答えが本当か確かめない」とすると、そもそも尋ねる意味があるのだろうか。不正なことをしている人に「これは不正ですか?」と尋ねれば否定するだろうから、意味のない無駄な手間のようにも思える。正直に申告する善意の顧客にとっての悪い副作用(第三者の個人情報の安易なやり取り)は、確実に存在する。

英国政府は、取引情報監視について、ブロックチェーンとの兼ね合いも含め、プライバシー上・セキュリティー上の問題があることを認めている。収集する個人情報も、送金者の「住所だけ」や「生年月日と出生地だけ」でも良いとして、必要以上に情報を集めないように自制している。ゼロ知識証明の可能性にも言及し、the government remains receptive to new ideas which allow counter-illicit finance policy objectives to be achieved in a less costly and more data secure way と述べた。予定される規制内容はコストが大きく、セキュリティー的にも一種の妥協であることを自認しているのだ。

政府は、このようなコストをかけても、クリプト産業の健全性を担保することで、より多くの投資が行われ、トータルではメリットになる…と主張している。そううまくいくのか、やってみなければ分からないけれど、事業者が「今日の送金は誰からですか」と毎回プライベートなことを尋ねると、次第に顧客が「うっとうしい」と感じ、逃げてしまうかもしれない。目論見通り多くの投資が行われるとしても、クリプトはバブル的な存在なので、規模が大きければ大きいほど、最終的なダメージが大きくなる可能性もある。

【4】 評価できる点

私的な経済活動について、いちいちリアルタイムで政府に報告されるのは、あまりいい気分ではない。けれど、EU内では「少額取引の免除枠」がなくなりそうな動きがある。比較で言うと、英国案は少しましということになる。もし仮に英国のやり方が、EUや米国に影響を与え、非現実的な unhosted 規制(送金者・受取人双方の身元確認など)が強行されなくなるとすれば、良いことだろう。

関係者の意見を聞き、机上の空論ではなく常識・実情を踏まえて、施策に反映させている点も、好ましい。対策を考えるには、何が問題なのか・本当に問題があるのかどうかも含め、まずは実情を理解する必要がある。その点、英国政府は、unhosted の方が(少なくともハードウェア・ウォレットは)、中央の事業者より安全性が高いという常識を理解し、そう明言した。

事業者側の多くも、手間ばかりかかって実効性のない unhosted 規制に反対している。プライバシーコインのユーザーは、投資目的ではなく、プライバシー上の理由でクリプトを使っているのだから、侵害度の高い過剰な規制をすれば、クリプトの存在意義が失われ、産業自体が衰退する可能性もある。英国政府は「規制はするが、なるべく個人情報を収集しない。ゼロ知識も考慮する」という新しい方向性を打ち出した。今後の動向、英国外への影響が注目される。

【5】 展望

「中央のないP2P」として設計された技術を、中央で管理しようとすること――問題の多くは、この矛盾から生じる。ここにジレンマがある。

多くの人にとって「暗号通貨」は「投資の対象」「証券会社のようなところで売買するもの」といったイメージのものだろう。実際、クリプトを使いもしない人が、安く買って高く売る転売目的で、空虚な取引をしているようだ。しかし、クリプト・バブルが起きる前の2010年代、「クリプト=投資」などという考えがなかった時代から、クリプトに技術的・思想的興味を抱き、P2Pベースで実験的に使っていたユーザーもいる。ピュアP2Pでは「仲介となる決済業者」を必要とせず、「証券会社のようなところ」(CEX)とのやりとりも必要ない。「各ノードが対等で、直接相手に送金できるシステム」というトポロジーは斬新だった。

〔注意〕 今の状況下で、一般の人に暗号通貨の利用を勧める意図はない。特に「投資目的」では、高確率で損をすると思われる。

場合によっては「政府を信用して任せておく・言いなりになる」のが最適ではないケースもある(思想統制・弾圧・検閲のある地域など)。数千年の歴史を持つ「中央集権的な支配」ではあるが、現在のインターネットの異常なまでの発展を考えると、政治構造についても、部分的にはP2Pベースへのパラダイムシフトが起きてもおかしくない。

参考 EUの暗号通貨規制MiCAの動向 (2022-03-31)

⁂

チラ裏より

チラ裏」は、きちんとまとまった記事ではなく、断片的なメモです…

***


新着記事

すてきな証明・すてきな作図 tan ((α + β)/2) = ?(2021-10-09)
正攻法ではゴチャゴチャ長い計算になるが、この作図によると、見ただけで「そうなって当然!」と思える。
【注意】SSDは使ってないと壊れやすい 用がなくても週に1度は電源を(2021-06-06)
「SSDは、アクセスが速く、回転部分がないので壊れにくい。従来のハードディスクより優れた新技術…」という一般的イメージを持たれている。一方、SSDには、特有の弱点があることも知られている。
妖精の森 ♌ ペル方程式の夏(2020-12-27)
x2 − 79y2 = 5 を満たす整数 (xy) は存在しません。その証明は意外と難しく、しかも隠された深い意味を持っています。この種の問題を扱います。ハイライトは、2020年夏に発見されたばかりの「改良版コンラッドの不等式」。 〔v4: 2021年9月5日〕
MKV埋め込み字幕用フォントのMIME問題 (2019-10-20)
字幕用フォントが、ロードされない事例が起きている。問題の背景・対策・対応状況。
ばびっと数え歌 でかい数編 (2019-09-01)
31桁の 1,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000(=100穣)までの数え歌。日本語・英語・SI接頭辞・2進数付き。

数学・プログラミング

まあるい緑の単位円 (三角関数覚え歌)(2017-12-24)
まあるい緑の単位円/半径 斜辺の三角形/「高さ」の「さ」の字はサインの「サ」/サインは 対辺 高さ
アルファとベータが角引いた (加法定理・図解の歌)(2017-12-24)
「ごんべさんの赤ちゃん」のメロディーで。「アルファさんとベータさんが麦畑」でもOK。 〔最終更新: 2018年1月28日〕
cos 36° 魔法のにおい(2018-01-14)
五角形を使った解法も優雅だが、代数的に… 〔最終更新: 2019年9月30日〕
cos π/7 正七角形の七不思議(2018-01-28)
日頃めったに見掛けない正七角形。その作図不可能性は、有名な「角の3等分問題」に帰着する。コンパス・定規・「角度3等分」器があれば、360° を7等分できる! 〔最終更新: 2022年5月8日〕
覚えやすさを重視した3次方程式の解法(2018-02-11)
分数なくして、すっきり。語呂合わせ付き。 〔v8: 2019年3月17日〕
3次方程式の奥(2018-03-04)
3次方程式は奥が深い。「判別式の図形的解釈」は1990年代の新発見だという。 〔v15: 2022年2月23日〕
3次方程式の判別式(2018-03-18)
いろいろな判別式。Qiaochu Yuan による恐ろしくエレガントな解法。 〔v8: 2022年2月27日〕
3次方程式と双曲線関数 ☆ 複素関数いじっちゃお(2019-02-17)
定義から始めてのんびり進むので、双曲線関数の予備知識は不要。3次方程式も別記事で初歩から解説。三角・指数関数なら知ってるという探検気分のあなたへ。複素関数プチ体験。 〔v7: 2021年2月19日〕
cos i = ?
曇りなきオイラーの公式 微分を使わない直接証明(2019-02-17)
exp ix = cos xi sin x のこんな証明。目からうろこが落ちまくる! 〔v11: 2020年12月23日〕
−1 の 3/2 乗? オイラーの公式(その2)(2019-03-03)
(−1)3/2 って ((−1)3)1/2 = (−1)1/2 = i なのか、((−1)1/2)3 = i3 = −i なのか、それとも…? exp zez が同じという根拠は? 〔v7: 2021年1月24日〕
(za)b = zab の成立条件(2019-06-09)
(za)b = zab は一般には不成立。ではどういう条件で、この等式が成り立つか。(za)bzab は、どういう関係にあるのか。「巻き戻しの数」(unwinding number)は、この種のモヤモヤをすっきりさせるための便利なコンセプト。 〔v5: 2021年1月24日〕
フェルマーのクリスマス定理で遊ばせて!(2018-12-23)
1640年のクリスマスの日、フェルマーはメルセンヌに宛てた手紙の中で、こう言った。「4の倍数より1大きい全ての素数は、ただ一通りの方法で、2個の平方数の和となります」 〔v5: 2020年12月27日〕
「西暦・平成パズル」を解くアルゴリズム(2016-03-27)
整数28と四則演算で2016を作るには、最小でも9個の28が必要。
2016 = (28+28+28)×[28−(28+28+28+28)/28]
一見全数検索は大変そうだが、50行程度の平易なスクリプトで高速に解決される。ES6 の Map の長所、splice より速い要素挿入法も紹介。 〔最終更新: 2016年4月10日〕
[JS] 100行のプチ任意精度ライブラリ(2016-05-08)
JavaScript 用に最小構成的な「任意精度整数演算」ライブラリを作ってみた。 〔最終更新: 2019年6月23日〕
[JS] メルセンヌ数の分類と分解(2016-06-05)
数千万桁のメルセンヌ素数が脚光を浴びるが、その裏では、たった数百桁のメルセンヌ合成数が分解できない。 〔v6: 2019年5月5日〕
楕円曲線で因数分解(2016-08-14)
楕円曲線を使って、巨大整数に含まれる数十桁の因数を検出できる。計算は、曲線上の勝手な点を選んで整数倍するだけ。ステージ1、モンゴメリー形式、標準版ステージ2、素数ペアリングについて整理した。 〔最終更新: 2021年11月14日〕
楕円曲線の位数: 点の擬位数に基づく計算法(2016-10-02)
元の位数を考えると群の位数計算が高速化されるが、それには高速な素因数分解が必要。「擬位数」はどの教科書にも載ってないような概念だが、ハンガリー人数学者 Babai László によって研究された。 〔最終更新: 2016年10月23日〕
アルカンの異性体の数の公式・第1回 小さなパズルと不思議な解(2015-09-20)
異性体の数は難しいが、炭素数12くらいまでなら素朴な計算ができる。中学数学くらいの予備知識で気軽に取り組めて、めちゃくちゃ奥が深い。(全9回予定だが第6回の途中で止まっている。そのうち気が向いたら完結させたい)
「マイナス×マイナス=プラス」は証明できるか?(2014-08-03)
数学的に正しい質問は、「なぜマイナス×マイナス=プラスか?」ではなく「いつマイナス×マイナス=プラスか?」 〔最終更新: 2019年9月29日〕
平方剰余の相互法則(2003-03-26)
「バニラ素数とチョコレート素数」という例えを用いた「お菓子な」説明。
楕円曲線暗号(2003-11-28)
最初歩から具体例で。書き手も手探りというライブ感あふれる記事6本。手探りだからエレガントではないが、JavaScriptでは世界初の実装? 実装はダサいが、内容(ロジック)は正しい。
触って分かる公開鍵暗号RSA(2004-02-04)
理論的説明でなく、実地に体験。JavaScriptで実現したので結構注目され、大学の授業などの参考資料としても使われたらしい。ダサい実装だが、ちゃんと動作する。
デスノートをさがして: 論理パズル(2006-04-10)
真神・偽神・乱神。間違いだらけの乱神探し。

天文・暦

13日は金曜になりやすく31日は水曜になりにくい(2017-09-03)
曜日は「日月火…」の繰り返しだから各曜日は均等のようだが、「毎月1日の曜日」「13日の曜日」のように「特定の日にちが何曜になるか」を考えると、曜日分布に偏りが… 〔v6: 2019年4月21日〕
「春夏秋冬」は「夏秋冬春」より長い(2017-11-26)
「春分→夏→秋→冬→春分」と「夏至→秋→冬→春→夏至」は、どっちも春・夏・秋・冬1回ずつなのに、前者の方が長い。素朴な図解(公転最速理論?)、簡易計算、そして精密な解析解。春分間隔から春分年へ… 〔最終更新: 2018年12月30日〕
公式不要の明快な曜日計算(2016-10-23)
公式や表を使わず、何も覚えていない状態で、手軽に任意の年月日の曜日を暗算。
ぼくの名前は冥王星(2013-09-30)
いいもん、いいもん! これからは小惑星になって、ジュノーちゃんやベスタちゃんと遊ぶから! …と思っていたら、「おまえは小惑星でもないんだよ」と言われてしまった。そんなー。ぼくのアイデンティティーは粉々さ。 〔v6: 2019年3月24日〕
さよなら第9惑星・冥王星 カイパーベルト終着駅(2019-03-24)
海王星~海王星~。目蒲めかま線はお乗り換えです。
第9惑星・追悼演説(2019-03-24)
我々は一つの惑星を失った。しかし、これは「終わり」を意味するのか? 否、始まりなのだ!
ケプラー方程式(微積・三角公式を使わないアプローチ)(2018-01-14)
微積分を使わず、算数的にケプラー方程式を導く。倍角・半角などの公式を使わずに、離角の関係を導く。特別な予備知識は不要。 〔最終更新: 2018年2月4日〕
ケプラー方程式・2 エロい感じの言葉(2018-01-28)
「ケプラー方程式(微積・三角公式を使わないアプローチ)」の別解・発展。 〔最終更新: 2018年2月4日〕

シリア語・Unicode・詩

シリア語: カラバシ注解(2013-12-01)
カラバシ『読み方のレッスン』はシリア語文語・西方言の教科書。ウェブ上で公開されている。その魅力を紹介し、第1巻全21課に注釈を付けた。 〔最終更新: 2016年5月8日〕
ばびっと数え歌 シリア語編(2014-02-09)
「シリア語の数詞の1~10」を覚えるための数え歌。「ごんべさんの赤ちゃん」のメロディーでも歌えます。 〔最終更新: 2017年12月24日〕
ペシタ福音書における「女性聖霊・男性聖霊」の混在について(2014-12-14)
キリスト教の「聖霊」はイエス自身の言語では女性だったが、後に男性イメージに変化した。この変化は興味深いが、そこに注目し過ぎると中間期の状況を正しく理解できない。3種類のシリア語聖書とギリシャ語聖書を比較し「叙述トリック」を検証。 〔最終更新: 2018年11月4日〕
少年と雲 (シリア語の詩)(2017-12-24)
雲さん、どこから来たんだい?/背中に何をしょってるの?/そんなに顔を曇らせて/空から何を見ているの?
黙示録の奇妙な誤訳: 楽しいシリア語の世界(2018-04-15)
「南の子午線を飛ぶハゲタカ」が、なぜか「尾が血まみれのハゲタカ」に…。誤訳の裏にドラマあり。 〔最終更新: 2018年5月6日〕
ターナ文字入門: 表記と発音(2013-01-16)
以前公開していた記事を全面改訂。ターナ文字は、インドの南、南北1000キロにわたって散らばる島々で使われる文字。 〔最終更新: 2014年5月4日〕
HTML5 の bdi 要素と Unicode 6.3 の新しい双方向アルゴリズム(2012-12-04)
ブログのコメント欄で起きる身近な例を出発点に、双方向性が絡む問題と解決法を探る。HTML の dir 属性は落とし穴が多い。HTML5 の <bdi> は役立つ。近い将来、「ユーザー入力欄などの語句は、このタグで隔離」が常識になるかも。 〔最終更新: 2014年4月27日〕

ジョーク

未来の水 フリーズドライ ☆ 粉末乾燥水(2012-04-01)
宇宙旅行のお供に/非常時の備えに… 場所を取らない超軽量・携帯用のインスタントお水です。
イヤ~な「金縛り」を強制解除 ☆ 全自動かなほど機(2019-04-01)
睡眠中の金縛り。嫌なものですね…。そこでご紹介するのが、この「かなほど機」。金縛りになったとき、ワサビの匂いで身体を自動リセットする未来の製品です。
さよなら第9惑星・冥王星 カイパーベルト終着駅(2019-03-24)
海王星~海王星~。目蒲めかま線はお乗り換えです。
漢詩と唐代キリスト教 「日本の影響」説も(2019-04-01)
客舍かくしゃ青青せいせい 柳色りゅうしょく新たなり」仏教徒でもあった唐の大詩人・王維(おうい)。彼がキリスト教とも関わっていたことは、ほとんど知られていない。(エイプリルフールのジョーク記事)
円周率は12個の2 スパコンで判明/ほか 3題(2016-04-01)
三原則ロボットおちょくられて仕返し?/円周率は12個の2 スパコンで判明/人間を模倣する学習AI 学習し過ぎ?
ISOとJISによる「ハッカー」の正式な定義(2005-02-19)
JIS規格では「ハッカー」という言葉が定義されてる。
ヒマワリをふてくされさせる実験(2005-02-20)
お花はとってもデリケート。
「確信犯」たちの「開発動機」(2005-09-23)
ストラビンスキー「ファゴット奏者を苦しめてやろうとしてやった。苦しそうな音なら何でも良かった」
「水からの伝言」の世界(2006-08-21)
水さん、ちょっと漏れ過ぎです。
脳内ディベート大会(2009-07-31)
応援団を応援することは正しいか。タンポポの綿毛を吹いて飛ばしていいか。

漫画・アニメ

大島弓子の漫画 (チラ裏3題)(2019-04-28)
バナブレは「漫画で何ができるのか?」という世界の枠組みそのものを変えた。綿国(わたくに)は、漫画・アニメ史上「猫耳の発明」という意味も持つ。もともとは「自分は半分人間だと思っている子猫」の主観的世界を表す絶妙な表現。
ラピュタ滅びの呪文は波動砲かフェーザー砲か?(2006-01-28)
ムスカは、ジブリ作品では珍しい悪役と評されるが、ラピュタ文字の解読は、現実世界ならノーベル賞もの。
勇者よ、侵略者から東京を守れ(2006-01-22)
「ブジュンブラにキメラアニマが現れたわ!」 お気に入りのネタだが、アニオタ以外の一般人には意味不明かも。
チラ裏
アニメ関係の小ネタも多い。イタリアのアニメ事情もあるよ。

字幕

MKV埋め込み字幕用フォントのMIME問題 (2019-10-20)
字幕用フォントが、ロードされない事例が起きている。問題の背景・対策・対応状況。
SSA入門 中級編(2004-08-27)
二つの入門編(音声タイミング・基本スタイリング)に続くフレーム・タイミング関連の内容。古い記事で使用ツールは時代遅れだが、考え方は依然参考になるかも。
[SSA/ASS] 高品質のフェイドイン・フェイドアウト(2005-12-21)
単純な fad() は濁りやすい。各種の代替手段を紹介。
ASS: 縁ワイプと縦カラオケ(2006–2009)
字幕と音声のずらし方/縁ワイプ/字幕のリップシンク/縦カラオケ/他。古い記事だが参考までに。

哲学・ファンタジー

60%他の生物【人体の細胞】100%星くず(2019-02-24)
ヒトの体は約25兆の細胞から成るが、体には65兆の細胞が…。本人以外の40兆は何なんでしょ? 〔v8: 2019年4月18日〕
至るところ青山 (チラ裏3題)(2019-04-14)
3丁目が見えない理由(先行きの不安)は、1丁目にいるからで、2丁目まで行けば自然と選択肢は狭まる。
不死でないから星は輝く (チラ裏3題)(2019-04-14)
「核融合には燃料が必要。燃料を使い果たせば反応は止まる」という当たり前のことを言い換えると「いつかは終わるから今輝いている」。
猫のしっぽを思い切り引っ張ることは十戒のどれに違反するか?(2014-11-23)
南泉は言った。「この猫の命が惜しければ、禅を一言で語れ。さもないと猫を斬り殺す」 〔最終更新: 2019年4月24日〕
神から見た「主の祈り」(2004-10-04)
「天にましますわれらの父よ」 神「はい?」 — へリング牧師は、ジョークのような設定で深い問題を提示した。 〔最終更新: 2013年10月2日〕
「無断コピー以外」を禁止するライセンス(2004-10-04)
人間の心理的困難があまりに大きいようなので、 それに対抗するために、次のような新しいライセンス形態を思いつくほどだ。いわく…
妖精物語 3題(2005-07-02)
王様の赤いばらと白いばら。
「反辞書」の著者フレッド・レスラー(2009-02-03)
Urban Dictionary というサイトをご存じでしょうか。 ウィキペディアみたいな、でもそれよりずっと砕けた新語辞典…

お知らせ

<メールアドレス>