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2025-10-03 フェルマーの最終定理(n=7)の解説・簡単化 スウェーデンでの研究
x2 + y2 = z2 を満たす整数があって、何となく美しい感じがする。
〔例1〕 32 + 42 = 52 ← 左辺は 9 + 16 = 25、右辺も 25
〔例2〕 122 + 52 = 132 ← 左辺は 144 + 25 = 169、右辺も 169
では x3 + y3 = z3 を満たす三つの整数は、あるだろうか。 x4 + y4 = z4 はどうか。一般に n が 3 以上のとき、
xn + yn = zn
を満たす整数 x, y, z は存在するか?
03 + 03 = 03 とか 53 + 03 = 53 とか 23 + (−2)3 = 03 のような「0 を含む解」は存在する。当たり前でつまらない。「x, y, z がどれも 0 ではない場合」に話を限ろう。
「そんな整数はない!」という主張が、有名なフェルマーの最終定理。フェルマーは、ある本のページの隅に「スゲェいかす証明発見。けどこの余白、狭過ぎて、ここには書かれへん、ギャハハハハ」という趣旨のメモを走り書きしたという(単なる自分用のメモで人に見せるつもりはなかったようだが、遺稿として出版された)。
そんな落書きのようなメモが「最終定理」なんて名前を与えられ、数世紀にわたる大問題になるとはねぇ…
内容は単純だが、一般の n についての証明は極めて難しく、フェルマーの時代から約350年後の1990年代に、ようやく解決を見た。
個別の小さい n についての証明は古くから知られていて、初等的で面白い証明が可能なケースもある。 n = 4 の場合は易しく、 n = 3 も比較的易しい(多くの数論入門に記載がある)。 n = 5 や n = 7 は、かなり手ごわそう…。そんな中、イタリアのジェノッキによる n = 7 の場合の証明は――知名度の低いマイナーな内容だけど――、意外とシンプル。別のメモではそれを紹介した。ナーゲッル†の数論教科書には、ジェノッキの証明が少し簡単化された形で収録されている。以下では定理の内容について解説し、ナーゲッル版の証明も紹介したい。
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2025-09-29 フェルマーの最終定理 n = 7 の場合(後編) 無限降下
前節(§8)では、s が偶数で t が奇数の可能性を検討し、「その可能性はない」という結論に達した。残された可能性は、s が奇数で t が偶数のケース。「その可能性もない」ことを示せば、フェルマーの最終定理の n = 7 の場合の証明が完了する。なかなか一筋縄ではいかず、前回とは別のアプローチを使う。
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2025-09-27 フェルマーの最終定理 n = 7 の場合(中編) アクロバット
前回の粗筋 s4 + 6s2t2 − (1/7)t4 = u2 という等式⑩を満たす整数 s, t, u が存在しないことを証明できれば、最終定理の n = 7 の場合は解決する! 導出には少々厄介な点もあったものの、「ここまで来れば、何とかなりそう」というレベルの簡単な式が得られ、一安心。ここで t は 7 の倍数、従って (1/7)t4 は整数。そして s, t, u は、どの二つも互いに素。さて s, t が両方奇数の場合には、等式⑩は成り立たない――その証明を完了したわれわれは、「あとは s, t の一方が偶数、他方が奇数のケースを片付けるだけだ」と、前進のモチベーションを高めるのであった。だがこの先は、一体どうなっているのか。ほとんど誰も通らない雑草ぼうぼうの細道に、踏み込んでいく。ちょっぴり不安だけど、ワクワク、ドキドキ…
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2025-09-26 フェルマーの最終定理 n = 7 の場合(前編) イタリアでの研究
最終定理の n = 7 の場合とは、
x7 + y7 = z7
を満たすような整数 x, y, z は存在しない――という命題。問題の条件として、 x, y, z の中に 0 に等しいものがあっては駄目、と約束する。 z の符号を逆にして、
x7 + y7 + z7 = 0 (☆)
を満たすような整数 x, y, z は存在しない――と言い換えることもできる(以下、こっちの形式を使う)。この定理を証明したい。
数の範囲を無制限に広げるなら(☆)は解を持つ。例えば x = 1, y = 2 のとき x7 + y7 = 1 + 128 = 129 なので、
z = −7√129 = −2.0022247051…
と置けば x7 + y7 + z7 = 0 が成り立つ。このような無理数の解は、いくらでも粗製乱造できる。もう少し面白い話として、 1 の原始立方根、すなわち t3 = 1 を満たす非実数(それは t2 + t + 1 の根である)を ω とすると、例えば、代数的整数
x = 2, y = 2ω = −1 + √−3, z = 2ω2 = −1 − √−3
も x7 + y7 + z7 = 0 を満たす。実際:
27 + (2ω)7 + (2ω2)7 = 27(1 + ω7 + ω14)
= 27(1 + ω + ω2) = 27⋅0 = 0
上記の例の x, y, z は、整数 8 の(複素数の範囲での)三つの立方根に他ならない。このタイプの x, y, z は、
x + y + z = 2 + 2ω + 2ω2 = 2(1 + ω + ω2) = 0
のように、和が 0 に等しい(この事実は自明に近い)。逆に、もしフェルマーの式(n = 7 の場合)を満たす x, y, z が「有理係数の3次式の三つの根」なら(整数でなくても良いとする)、それらは「ある有理数の三つの複素立方根」でなければならない(この事実は自明ではない)。
このような観点からの最終定理の拡張的研究は、19世紀イタリアの数学者ジェノッキ(Genocchi†) による。 n = 7 のケースの初等的証明は、めったに紹介されない珍しい話題であり、好奇心をくすぐられる。
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2025-09-22 コーシー/ミリマノフ多項式(その26) Mirimanoff 因子の形
Mirimanoff 因子 ε(x) の形を決定する方法を簡単化する。加えて、その任意の根 α の式として6次式 ε(x) の係数を記述する。
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2025-09-17 コーシー/ミリマノフ多項式(その25) 自明な因子の個数
コーシーの多項式 Ān(x) = (x + 1)n + (−x)n + (−1)n は、 n の値に応じて自明な因子 x, x + 1, x2 + x + 1 をそれぞれ 0~2 個持ち、それらを除去した余因子は、
x6 + 3x5 + τx4 + (2τ − 5)x3 + τx2 + x + 1
の形の6次の因子(ミリマノフ因子)の積に分解される。既に何度か証明した内容だが、あらためて整理してみたい。
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2025-09-14 (x + 1)n − xn − 1 の因子
多項式 ƒn(x) = (x + 1)n − xn − 1 の因子について。
ƒ3(x) = (x + 1)3 − x3 − 1 = 3x(x + 1) は x2 + x + 1 で割り切れない。
ƒ5(x) = (x + 1)5 − x5 − 1 = 5x(x + 1)(x2 + x + 1) は x2 + x + 1 で割り切れるが、商 5x(x + 1) は x2 + x + 1 で割り切れない。
ƒ7(x) = (x + 1)7 − x7 − 1 = 7x(x + 1)(x2 + x + 1)2 は x2 + x + 1 で割り切れ、商 7x(x + 1)(x2 + x + 1) は x2 + x + 1 でもう一度割り切れるが、そのまた商 7x(x + 1) は x2 + x + 1 で割り切れない。
つまり n = 3, 5, 7 のとき ƒn(x) は、それぞれ因子 x2 + x + 1 をちょうど 0 個, 1 個, 2 個持つ。では例えば n = 9 ならどうなるか。より一般的に、任意の整数 n ≥ 1 について、 ƒn(x) は因子 x2 + x + 1 を何個持つか。
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2025-09-11 コーシー/ミリマノフ多項式(その24) 「重根なし」の簡単化
Ēn(x) は重根を持たないという事実についての、前回の証明のショートカット。
n ≥ 3 を奇数とする。もし ƒ(x) = (x + 1)n − xn − 1 = 0 を満たす x が重根なら:
ƒ′(x) = n(x + 1)n−1 − nxn−1 = 0
両辺を n で割って:
(x + 1)n−1 − xn−1 = 0
移項すると:
xn−1 = (x + 1)n−1 = [x⋅(1 + 1/x)]n−1
= xn−1⋅(1 + 1/x)n−1 (✽)
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2025-09-10 コーシー/ミリマノフ多項式(その23) 実根も重根もない
例えば多項式 (x + 1)17 − x17 − 1 は
17x(x + 1)(x2 + x + 1) Ē17(x)
と分解される。
ここで Ē17(x) は12次式で、具体的には次の形を持つ。
x12 +
6x11 +
26x10 +
75x9 +
156x8 +
240x7
+
277x6
+ 240x5
+ 156x4
+ 75x3
+ 26x2 + 6x + 1
係数が回文的(1, 6, 26, 75, ··· と始まり ···, 75, 26, 6, 1 と終わる)。
12次式 Ē17 は根を12個も持つのに、その中に実数の根は一つもない。重根もない。一般に、同様に定義(詳細は後述)される任意の Ēn(x) は、実根も重根も持たない。
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「チラ裏」は、きちんとまとまった記事ではなく、断片的なメモです…
2025年4月6日 1 + 1/22 + 1/32 + … = π2/6 の別証明
2025年1月16/19日 なぜ 1 + 2 + 3 + 4 は 5 の倍数か? / 12 + 22 + 32 + 42 + 52 も 5 の倍数
フォン・シュタウト&クラウセンの定理
2025年1月11日 Verlaine の「秋のうた」 日本語訳3種+原文解説
2024年6月11日 Linux の Live OS 気軽にいろいろ試せるよ
2024年4月11日 正17角形は作図可能? 複素数を使わない気軽な散策
2024年1月12日 十六元数の零因子 君は 0 を割ることができるか?
初等的証明に成功! 世界初かも?
2024年1月17日 Moufang 恒等式の同値性 初等的証明
これも(ネットでは)世界初かも。教科書的には autotopism を使うのだが、そんなややこしい概念は必要ない。
〘→ 最近のメモは「遊びの数論」に〙
Map
の長所、splice
より速い要素挿入法も紹介。 〔最終更新: 2023年4月1日〕bdi
要素と Unicode 6.3 の新しい双方向アルゴリズム (2012-12-04)dir
属性は落とし穴が多い。HTML5 の <bdi>
は役立つ。近い将来、「ユーザー入力欄などの語句は、このタグで隔離」が常識になるかも。 〔最終更新: 2014年4月27日〕fad()
は濁りやすい。各種の代替手段を紹介。Tor Browser
プライバシー志向のブラウザ。監視・追跡されずにウェブページを閲覧。「個人情報を登録したサイト」にこれでログインしてはいけない。
BES, Battle Encoder Shirasé 1.7.10 (March, 2025) & 1.8.0.39: Per-Process CPU Limiter (archive)
a3r (ASS_Help3r): ASS timing/typesetting v0.2.0.0-20250511 (archive)
75C0 706B 3CD0 B5D0
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