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2024-11-20 「神の証明」の簡単化についての覚書 ガウスの第六証明
前回紹介した「第六証明」のアレンジは、 Erdős のいう「神の証明集」に基づく(それぞれの定理について、最もエレガントな証明法を集めた天界の書物)。美しい証明には違いないが、振り返ると、幾つか「もっと簡単にできるのでは」と思われる部分もある。
もしも「数学のギネスブック」のようなものがあったとしたら、「平方剰余の相互法則」は「最も多くの別証明が考案・公表された定理」として、そこに掲載されるらしい。多くの研究者が何度もこの定理に取り組んだのは、だてや酔狂ではないし、ましてや「本当に正しいのか?」と疑問を感じて、再証明を試みたわけでもない。
いうなれば、幾つもの国境にまたがって延びる山脈。「同じ一つの山脈」だけど、例えばイタリア側から登るのとフランス側から登るのとでは、全く別の風景を楽しめる。どのコースの展望も素晴らしいのだ!
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2024-11-19 相互法則・ガウスの第六証明(現代版)
「平方剰余の相互法則の第六証明」を現代化した形で記す。アイゼンシュタイン版(1844年)と比べさらに透明で、ほとんど一点の曇りもない。
「30日の月の
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2024-11-17 相互法則・ガウスの第六証明(アイゼンシュタイン版)
平方剰余の相互法則は、数論の最重要テーマの一つ。法則自体もネット社会の一つの基礎ツールだが(Jacobi 記号など)、何より、法則をいろいろな角度から検討する過程で、新たな境地が開けてきた。ガウスは六つの証明を公開したが、現代の初等整数論では、第三証明のアイゼンシュタイン版やそのバリエーションが紹介される。第三証明は平易でアクセス性が高い半面、処理がトリッキーで天下り的。
ガウス和を経由する第六証明は、透明度が高い。このメモでは、「ガウスの第六証明のアイゼンシュタイン版」を紹介する。
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2024-11-15 予想の 45° 斜め上をいく √ i の活用
問題 x = 6, y = 2 は x2 = 17y + 2 を満たす。 x = 7, y = 3 は x2 = 17y − 2 を満たす。では、次のそれぞれを満たす整数 x, y があるか?
あ x2 = 7y + 2 ア x2 = 7y − 2
い x2 = 13y + 2 イ x2 = 13y − 2
う x2 = 19y + 2 ウ x2 = 19y − 2
「あ」は試行錯誤でも、簡単に解が見つかる: (3)2 = 7(1) + 2 だっ!
試行錯誤で解を見つけられれば、「解がある」と言い切れる。けどもし「解がない」場合、どうやってそれを示せばいいのだろう。「全部の可能性を試したけど、解はありませんでした」というのも一つの方法だが、可能性がいっぱいあったら全数チェックは大変だし、可能性が無限にあったら全数チェックは不可能。
この種の一見たわいもない「整数の問題」が、「虚数単位 i の平方根」によって解明されるというのは、意表を突く。
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2024-11-13 優しいおじいさんゲーマーのアドバイス こうかは ばつぐんだ!
「Not Always Right」の最近(2024年)の投稿を二つ紹介。一つは米国、一つはスウェーデンから。
米国、ビデオゲームの小売店にて。
買い取りもやってるゲーム屋で働いてる者です。男の子(12歳くらいかな?)が、中古ゲームの山持って、来たんです。
男の子「すいません、これ、いくらくらいで売れますか。できれば新しいマリオのやつ、買いたいんですが…」
私「うーん、このポケモンは、多少値段が付けられるかもしれないけど、他のやつは数セント(10円以下)にしかならないだろうなぁ。箱あったら、もうちょっと出せるかもしれないけど」
男の子「そうですか…。すいません、お邪魔しました」
男の子は礼儀正しく、持ってきたソフトをまとめて帰りかけたんですが、そのとき、年配の客(推定60台後半)が、こっちに走ってきたんです。
おじいさん(興奮して)「それ、ハートゴールド?」
男の子「えっ…。あ、はい」
おじいさん「ありがたいっ! おれ、ソウルシルバー持っててね、ペアでそれが欲しかったんだよ!」
男の子「お孫さんへのプレゼントですか」
おじいさん(ふざけて怒ったふりをして)「寝ぼけちゃいかんよ、君ぃ!
お れ さ ま 用 だぜっ!」男の子「ポケモン、やるんですか?!」
おじいさん「1996年からずっとな!」
男の子「うわぁぁ! っていうか普通…やめるんじゃないんですか、その、年を取ったら?」
おじいさん「君、いいこと教えてあげるよ――少なくとも、おれの人生じゃ、これは役立つアドバイスだった。あのね、年を取ったら遊ぶのをやめるっていうのは、間違いでね。遊ぶのをやめるから年を取るの」
男の子「おおぉぉぉ!」
おじいさん「いつまでも遊ぶんだよ、ね!」 (私に)「その子が欲しがってるマリオ、いくら?」
私「59ドル99です」
おじいさん(男の子に)「よし、じゃ60ドルで買うよ」
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2024-11-11 正八角形と √ i 基礎と応用(第二補充法則)
√−1 つまり「2 乗すると −1 になる数」は、数直線上のどこにも無い。
1次元の「数直線」から、2次元の「数平面」に世界を広げると、 √−1 は原点から 90° の方角の、距離 1 の場所にあり、しばしば記号 i で表される(「方角」は 0 を中心に +1 がある向きを 0° として、反時計回りに)。
では i のそのまた平方根―― 2 乗すると i になる数――は、何か。 √ i とか −√ i と書くことは可能だが、具体的には:
√ i = √2/2 + i⋅√2/2
この数は 2 乗すると i なんで 4 乗すると −1 になり、 8 乗すると 1 になる。それ自体としても何となく面白いが、この数を使うことで、古典数論のややこしい問題が軽妙に解決する。
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2024-11-10 正七角形のいんちき作図法(その4) 馬脚
画像は、 gnuplot が捉えたいんちき作図の実態。
座標 (−0.9, 0) の点 Q を通る垂直線と、単位円の交点を D, E として、その DE の長さを一辺とした場合、本物の正七角形と比べ、ほんの少し辺が長過ぎるようだ…。
その結果、もしコンパスの幅を DE に固定して、頂点 C, B, A を順々に(時計回りに)作ると、 A はちょうど (1, 0) にならず、わずかに第4象限にはみ出す。
画像を拡大すると、肉眼でも確認できる――(自称)正七角形の緑の辺 AB の A は、横軸(青)に重ならず、横軸を(微妙だが確かに)オーバーランしているっ!
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2024-11-09 ガウス和・別証明 クロネッカー博士の異常な足し算 または 私はいかにして心配するのをやめ三重和を愛するようになったか
「毎月の2日・4日・6日・8日・10日・12日・14日(最初の七つの偶数日)は、全部曜日が違う」――日常生活に潜むこの単純な現象を「当たり前」と感じるか、それとも…?
3・6・9・12・15・18・21日(最初の七つの 3 の倍数日)にも、同じ曜日はない。――これらの現象自体は、カレンダーを見るなりメモ用紙に書くなりして、簡単に確認できるだろう。
同様のことは一般に「n の倍数日」(n: 任意の整数)について成り立つ; 例外として n が 7(あるいは 7 の倍数)の場合だけは、全部同じ曜日になってしまう(曜日は 7 日周期で同じになるので、この例外は、まぁ当たり前)。
もしも曜日の数が六つ(日~金の繰り返し)だったり、八つ(日~土の後に「天曜日」がある)だったりすると、状況は激変: 最初の六つないし八つの偶数日は、曜日がばらばらにならない。一方、もしも曜日の数が九つ(「天曜日」の後に「海曜日」がある)だと、最初の九つの偶数日は曜日がばらけて、再び秩序が回復する(ように思える)。もしかして、曜日の数が偶数だと駄目で、奇数だとうまくいく…?
いや、奇数でも、曜日の数が九つの世界では「最初の九つの 3 の倍数日」は、曜日がばらばらにならない!
では結局、曜日ばらばら現象が起きるためには、曜日の数は 7 でなければ駄目なのかっ?
そうではない。曜日の数が 5 や 11 でもうまくいく!
一体 5 や 7 や 11 の何が他と違うのかっ?
素数だよ、ベイビー! 素数の「素」はすてきの「す」。ってなわけで、このメモでは Ireland & Rosen [4] に従って、ガウス和についての別証明を紹介する――数学専攻・大学院生向けの証明をそのまま紹介するんじゃ「遊びの数論」にならんので、「曜日ばらばらの原理」を使い、ほとんど何も予備知識が必要ないようアレンジ。
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2024-11-04 ガウス和の平方(その3) S の二つの値
p−1 個の原始 p 乗根のどれを基準にしても S2 の値は変わらないが、 Gauß 和 S の符号は変わり得る。
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2024-11-02 ガウス和の平方(その2) 証明の本体
3 以上の素数 p に対する Gauß 和の平方が ±p に等しいこと。
代数的整数論の入り口辺りのいろいろな話題は、簡単過ぎず、難し過ぎず、少し不思議で美しい。具体例を構成し、現象を観察し、好奇心の赴くままに数値実験をする。受験やら何やらの俗世の利害関係とはほとんど無縁の話題なので、純粋にそれ自体を楽しむことができる…。「遊びの数論」としては、最もすてきな散策エリアの一つだろう!
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2024-11-01 正七角形のいんちき作図法(その3) 解明
原点 S を中心とする半径 1 の円。「点 Q (−0.9, 0) を通る垂直線と円が交わる点 D, E は、正七角形 ABCDEFG の頂点なんだぜぇ~」という、やぶから棒の主張。
今日という今日は、何が何でも、このいんちき作図を論破しなければなるまいっ!
直角三角形 QSD に三平方の定理(ピタゴラスの定理)を適用すると:
|QS|2 + |QD|2 = |DS|2
|DS| は円の半径だから 1 で、その平方は 1。長さ |QS| が 0.9 つまり 9/10 だとしたら:
(9/10)2 + |QD|2 = 1
つまり 81/100 + |QD|2 = 1
っつーことは |QD|2 = 1 − 81/100 = 19/100 なんで、結局 QD の長さ、つまり D の縦座標は…
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2024-10-31 ガウス和の平方 その優美さゆえに
1 の原始 p 乗根†を任意に一つ選んで z とする(p は 3 以上の素数)。ガウス(の)和 S とは:
S = ±z1 ± z2 ± z3 ± ··· ± zp−1
ただし複号については、各項の z の指数 1, 2, 3, ···に応じて、それが mod p の平方剰余なら + とし、非剰余なら − とする。
この和には、秘められている――若かりし頃の Gauß が「これらの定理は、その優美さゆえに強く心を打つ」と記した‡魅惑的性質が。正17角形の研究とも関連。
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2024-10-28 正七角形のいんちき作図法(その2) ヒント
この「いんちき作図」、少々惑わすような記述もあれど、要するに PQ:QS = 1:9 と言っている。
PS の長さを 1 としよう。すると QS の長さは 0.9。
…おいおい、そりゃーおかしくねーかぁ?
だってさぁ、直角三角形 QSD を考えると SD = 1 じゃん、円の半径だから。ってことは、作図が正しけりゃ cos (π/7) = 0.9 になっちまうぞ!
コサイン(cos)ってのは、 45° とかの「きっかりした角度」を入れても、出力は √2/2 = 0.7071… とかの無理数だぜ、普通?
ましてや π/7 = 180°/7 = 25.714…° みてーな「割り切れねぇ角度」のコサインが、きっかり 0.9 = 9/10 になるわけねーだろ、感覚的に言って!
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2024-10-27 正七角形のいんちき作図法 だまされないぞ!
問題 下記の作図は、どこが間違っているか。
任意の線分 PQ を延長します。その直線上の P の反対側で PQ:QR = 1:3 になるような場所に印を付け(コンパスを使って)、点 R と呼びましょう。さらに QR:RS = 1:2 になるような点 S に印を付けます。
S を中心に半径 PS の円を描き、円 S と呼びます。円 S が直線 PS と交わる新しい点を A とします。
Q を通り PS と直交する直線が、円 S と交わる点を D, E とします。
D を中心に半径 DE の円を描き、それが円 S と交わる新しい点を C とします。
同様に、コンパスの幅を DE に固定して、円 S 上に等間隔の点 A, B, C, D, E, F, G を次々と作り、線で結べば、どの辺も長さが DE と同じ。つまり正七角形 ABCDEFG の出来上がり♪
「チラ裏」は、きちんとまとまった記事ではなく、断片的なメモです…
三重根号の簡約
√(10 + 2√) + √(5 + 2√) = √(25 + 10√)
tan2 20° + tan2 40° + tan2 80° = 33
複々素数の不思議な割り算 乗除の奇妙な冒険
14 + 24 + ··· + n4 = n(n + 1)(2n + 1)(3n2 + 3n − 1)/30
2024年1月12日 十六元数の零因子 君は 0 を割ることができるか?
初等的証明に成功! 世界初かも?
2024年1月17日 Moufang 恒等式の同値性 初等的証明
これも(ネットでは)世界初かも。教科書的には autotopism を使うのだが、そんなややこしい概念は必要ない。
2024年2月7日 ゾクッとする式・きれいな式 tan2 20° + tan2 40° + tan2 80° = 33
2024年3月3日 一辺 1 の正五角形の面積 算数バージョン
2024年3月27日 五・六・十角形の恒等式 現代とは違う感覚
2024年4月11日 正17角形は作図可能? 複素数を使わない気軽な散策
2024年6月3日 arctan 1 + arctan 2 + arctan 3 = π 三角形の内心
2024年6月11日 Linux の Live OS 気軽にいろいろ試せるよ
2024年9月24日 「1 の5乗根」について (x2 + x/2 + 1)2 の利用
2024年10月10日 x17 = 1 の代数的解法 ガウスの式の応用
2024年11月9日 ガウス和・別証明 クロネッカー博士の異常な足し算 または 私はいかにして心配するのをやめ三重和を愛するようになったか
Map
の長所、splice
より速い要素挿入法も紹介。 〔最終更新: 2023年4月1日〕bdi
要素と Unicode 6.3 の新しい双方向アルゴリズム (2012-12-04)dir
属性は落とし穴が多い。HTML5 の <bdi>
は役立つ。近い将来、「ユーザー入力欄などの語句は、このタグで隔離」が常識になるかも。 〔最終更新: 2014年4月27日〕fad()
は濁りやすい。各種の代替手段を紹介。 Tor Browser
プライバシー志向のブラウザ。監視・追跡されずにウェブページを閲覧。「個人情報を登録したサイト」にこれでログインしてはいけない。
BES, Battle Encoder Shirasé 1.7.9 & 1.8.0.31: Per-Process CPU Limiter (archive)
a3r (ASS_Help3r): ASS timing/typesetting v0.2.0.0 (archive)
75C0 706B 3CD0 B5D0
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