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2025-11-16 x3 + y3 = 4z3
x3 + y3 = z3 を満たすような、どれも 0 でない整数 x, y, z は存在しない――というフェルマーの定理。
その拡張として x3 + y3 = kz3 の解を考えてみたい。ここで k は一定の整数で、 k = 1 の場合が、オリジナルのフェルマーの定理だ。
第一に k = 3 の場合。 x3 + y3 = 3z3 にも、 0 でない整数解はない(定理4)。
第二に k = 2 の場合。 x3 + y3 = 2z3 についても、結論はほぼ同様(定理5)。ただし、この場合に限っては x = y = z のような別の種類の自明解が存在する。自明解を度外視して、「それ以外の解(非自明解)が存在しないこと」が、証明されるべき事柄となる。自明解が 2 パターンあるせいで、第一の拡張と比べると、技術的に少しややこしい(自明なものを除外するだけなので、本質的に難しいわけではないが)。そのため k = 1, 2, 3, ··· の順序に従わず k = 3 を先に扱った。
この k = 2 の場合の簡単な応用として、今回は k = 4 の場合にも(つまり x3 + y3 = 4z3 にも)、非自明な整数解がないことを証明する。この場合、自明解が 1 パターンに戻るので、証明は平明・簡潔になり、新たな補助命題も必要なく、一服できる。
要するに x3 + y3 = kz3 には、非自明な解がないのだろう――と予想したくなるかもしれないが、そうではなく、例えば k = 7 の場合の
x3 + y3 = 7z3
には、(暗算可能な範囲に)きれいな非自明解がある:
43 + 53 = 7⋅33
実際、左辺は 64 + 125 = 189、右辺も 7⋅27 = 189。
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2025-11-04 x3 + y3 = 2z3 虫食いパズル
パズル《3個の3乗を足して3》 三つの空欄に当てはまる整数(等しいとは限らない)は?
(□/4)3
+ (□/6)3
+ (□/12)3 = 3
よくある「四つの 4 で~を作れ」と同種の、数字の遊戯。 □ に当てはまる数はおおむね1桁、最大でも10台なので、ブルートフォース(全パターンを試すこと)で答えを見つけることは易しい。とある錯覚に陥らなければ…
「フェルマーの最終定理の拡張」には、こんな娯楽パズルのようなものも含め、いろんな話題がある。前回、 x3 + y3 = 3z3 には(x = −y かつ z = 0 の自明解を除いて)整数解がないことを証明した。その定理の簡単な応用として、「二つの有理数 p, q をそれぞれ立方して足し合わせても、 3 に等しくすることはできない」。実際、 p, q を(必要なら)通分して
p = x/z, q = y/z (x, y, z: 整数)
と書いたとして、もしも
p3 + q3 =
(x/z)3
+ (y/z)3 = 3
が成り立つとしたら、両辺を z3 倍することで、
x3 + y3 = 3z3
を得る。だが上記の定理により、この式に解はない! p = 0 つまり x = 0 の場合にも解はないので、 03 + q3 = q3 = 3 の解 q = 3√3 =
1.4422495703… は、整数の比 y/z の形で書けないことも分かる。 3√3 が無理数であることの、風変わりな証明法。
「有理数の立方」が 3 に等しくならないのは、立方根が無理数なのだから当然だけど、上記によると「有理数の立方」を二つ足し合わせても、決して 3 に等しくならない。このことは意外ではないが、自明でもない。ここで「立方根は無理数なのだから、有理数の立方を幾つ足し合わせても 3 になるわけないに決まってる」と早合点してはいけない。冒頭のパズルのように「有理数の立方」を三つ足し合わせるなら 3 を作れる。実は「有理数の立方」を三つ足すと、どんな整数・有理数でも作れるのだッ!
この事実は多少意外な感じがするし、「一体なぜ?」「どうやって?」と好奇心を刺激する。
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2025-11-01 x3 + y3 = 3z3 フェルマーの最終定理の拡張
フェルマーの定理によると
x3 + y3 = z3
を満たすような、 0 でない整数 x, y, z は存在しない。それでは、
x3 + y3 = 2z3
x3 + y3 = 3z3
x3 + y3 = 4z3
︙
は、どうか? つまり立方数と立方数の和が、立方数の整数倍になることが、あるだろうか?
x3 + y3 = 2z3 については、
53 + 53 = 2 × 53 つまり 125 + 125 = 2 × 125
のように x = y = z ならいつでも式は成り立つが、この「自明」な(当たり前でつまらない)パターンを除外して「整数 x, y, z がどれも 0 でなく、全部等しくもないという条件の下で x3 + y3 = 2z3 に解があるか」と問うことにしよう。より一般的に k を整数の定数として、 x3 + y3 = kz3 に非自明な解があるか。
k = 1 の場合に解がないというのが、いわゆる「フェルマーの最終定理」の指数 3 の場合(証明済み)。 k = 2, 3, 4, ··· などについて若干の試行錯誤を行うと、どれもこれも解がないのではないか、という気がしてくる。ところが、
43 + 53 = 64 + 125 = 189
は、桁の和が 9 の倍数なので 9 で割り切れる。 189 = 21 × 9 = (7 × 3) × (3 × 3) だ。これは、
43 + 53 = 189 = 7 × 33
を意味するので、少なくとも k = 7 の場合の x3 + y3 = 7z3 には、立派な解 (x, y, z) = (4, 5, 3) があるっ。それほど立派ではないかもしれないが、
23 + (−1)3 = 7 × 13
なので (2, −1, 1) も解だ。 k = 7 の場合より見つけにくいが、実は k = 6 の場合にも2桁の整数解がある。
一般の k についての x3 + y3 = kz3 は見掛け以上に深い問題だが、だからこそ興味深い探検ができるかもしれない。「k = 3 の場合に解がないこと」に話を限ると、オリジナルのフェルマーの定理とほとんど同様に証明できるので、そこから手を付けるのが順当だろう。
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2025-10-22 フェルマーの最終定理(n = 3) 高木バージョン
x3 + y3 = z3 を満たすような 0 でない整数 x, y, z はない――というフェルマーの最終定理(n = 3)の証明は、高木
「フェルマーの最終定理」の証明については実質 Landau 版そのままとはいえ、高木バージョン独特の工夫が若干あって、入り口の部分の説明に関しては、ある意味、最も分かりやすい。半面、証明の後半部は、ある意味、最も分かりにくい書き方になっている。
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2025-10-19 二項展開を覚えるこつ + ちょっとマニアックな話題
二項式 x + y の累乗 (x + y)n の展開、例えば、
(x + y)3 = x3 + 3x2y + 3xy2 + y3
のような恒等式は、基本公式として当たり前のように使われる。ややもすれば「丸暗記して機械的に使う」ってことになってしまうのだが、意味も分からず丸暗記するより、内容をちゃんと理解した方が気分もいいし、応用も利く。
丸暗記するにしても、こつがある。1文字ずつベタに記憶するのではなく、シンプルな
(x + 1)3 = x3 + 3x2 + 3x + 1
の形で考えた方が、覚えやすい。つまり y = 1 としたわけ。「y が = 1 じゃなかったら、どーすんの?」っていうと、次のように、指数の和が 3 になるように y を復活させればいい:
(x + y)3 = x3⋅y0 + 3x2⋅y1 + 3x⋅y2 + 1⋅y3
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2025-10-16 フェルマーの最終定理(n = 3) 付録
「フェルマーの最終定理 n = 3 の場合」(入門編・証明編・完結編)では、5種類の文献を参考にしつつ、標準的と思われる証明法(Landau 版)をなるべく平明にアレンジした。でも、どの方法が分かりやすいかは人それぞれ。幾つかの部分について別証明・補足を記す。
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2025-10-14 フェルマーの最終定理(n = 3) 入門編 3 には約数が三つある?
a3 + b3 = c3 を満たすような、 0 でない整数 a, b, c は、存在しない――超有名なフェルマーの最終定理の、指数 n = 3 の場合だ。
33 + 43 + 53 = 63 のような関係(美しいっ!)なら存在する。しかしフェルマーの最終定理は、(四つではなく)三つの立方数についてのもの。
このケースは「新しい数論」が活躍する場面の一例として、定番の話題といえる。
「新しい数論」(もはやそれほど新しくもないけど)とは?
もしもあなたの友達が、ある日突然「この世界では 3 には約数が三つある」とか「3 は素数の平方で割り切れる」とか言い出したら、どう思うか。「おいおい、頭、大丈夫か」と心配になるかもしれない。しかし、その友達が無造作に「この世界」と呼んだ世界は実在する――そこでは 3 は 1 と自分自身で割り切れるだけでなく、とある別の数でも割り切れる。そんなシュールな世界観が「新しい数論」の一例。不思議なようだが、それがフェルマーの最終定理(n = 3 の場合)の証明にも役立つ。
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2025-10-14 フェルマーの最終定理(n = 3) 証明編
入門編の続き。以下の証明手順の出典は、 Edmund Landau の整数論†・第3巻(1927)。少々技巧的であまり平明ではなく、最初はピンとこないかもしれないが、真意が分かってくると、精緻で味わい深い。近代的な標準的証明法だと思われる(高木の整数論にも Hardy & Wright の整数論にも収録されている)。
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2025-10-14 フェルマーの最終定理(n = 3) 完結編
証明編の続き。証明の第二段階。
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「チラ裏」は、きちんとまとまった記事ではなく、断片的なメモです…
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2025年9月26日 フェルマーの最終定理 n = 7 の場合
2025年5月31日 四次元サイコロ「目」は幾つまで?
2025年4月14日 「ニュートンの式」軽妙な入門 ライヒシュテインによる
2025年4月6日 1 + 1/22 + 1/32 + … = π2/6 の別証明 ☆総和記号不使用☆
2025年1月16/19日 なぜ 1 + 2 + 3 + 4 は 5 の倍数か? / 12 + 22 + 32 + 42 + 52 も 5 の倍数
フォン・シュタウト&クラウセンの定理
2025年1月11日 Verlaine の「秋のうた」 日本語訳3種+原文解説
2024年6月11日
Linux の Live OS 気軽にいろいろ試せるよ
2024年4月11日 正17角形は作図可能? 複素数を使わない気軽な散策
2024年1月12日 十六元数の零因子 君は 0 を割ることができるか?
初等的証明に成功! 世界初かも?
2024年1月17日 Moufang 恒等式の同値性 初等的証明
これも(ネットでは)世界初かも。教科書的には autotopism を使うのだが、そんなややこしい概念は必要ない。
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〘→ 最近のメモは「遊びの数論」に〙
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![2016 = (28+28+28)×[28−(28+28+28+28)/28]](/image/2016/2016-28.png)
Map の長所、splice より速い要素挿入法も紹介。 〔最終更新: 2023年4月1日〕
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